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内防通信vol.2 | 内郷ならではの「災害の伝承」とは?

福島県いわき市内郷地区は、2023年9月8日に起きた台風13号水害によって甚大な被害を受けました。その「台風13号水害」の記憶を継承し、内郷の市民自ら被災した人たちの証言を集め、その教訓をこれからのまちづくりに役立てていくのが、私たち「内防プロジェクト」のミッション。

内郷まちづくり市民会議が中心となり2024年4月から活動がスタート。今後、台風13号水害の記憶の伝承、証言の収集、さらには防災をテーマにさまざまな催しを開催していく予定でして、日々の活動を記録するついでに情報発信もしちゃおう、ということで、このnoteが始まりました。

今日は、5月1日に開催されました第2回企画会議・勉強会の模様をお伝えしたいと思っております。よろしくお願いいたします。

小松さん(中央)をゲストに勉強会を開催

前回お伝えしたように、この内防プロジェクト、いわき市小名浜地区でさまざまな地域活動に関わる、地域活動家の小松理虔さんに伴走いただき、プロジェクトの企画立案を行っています。今回も、小松さんを講師役にお迎えして、今後のプロジェクトの進め方などを議論しました。

災害から半年以上が経ち、地域の皆さん、私たちも含めてですが、あの時の状況を、以前よりも冷静に振り返って言語化できるタイミングになったなと感じています。どんなふうに水かさが増していったのか、どの方向から水は押し寄せたのか、どんな風景が、そこに広がっていったのか。はたまた、内郷を、今後どんな地域にしていきたいのか・・・・。

そんなことを地域の皆さんに語ってもらって、それを証言集としてまとめるだけでなく、その証言をハザードマップ上に「マッピング」していくことで防災意識の啓発と記憶の伝承、未来への提言を兼ねた内郷ならではの「台風水害証言マップ」を作れるのではないか、と私たちは考えています。

最初はシンプルに「冊子かな」と思っていたのですが、ハザードマップ上に証言をマッピングすることで可視性が高まるし、実際の風景を思い浮かべながら証言を辿ることができるようになります。私たちはみんな内郷に住んでいるので、証言と風景を重ね合わせることができます。つまり「実際に使えるカタチにしよう」というわけですね。

小松さんからさまざまな提案が

折りたたみ式のマップにすればコンパクトですし、マグネットなどを使えば冷蔵庫なんかに貼り付けておくこともできる。なんならそのマグネットそのものを商品化してしまって、マップと一緒に配って「母ちゃんこれ冷蔵庫に貼っとげよ」と提案することもできそうです。証言マップづくりにはすごく可能性があると感じます。

また、証言の収集方法についても、この会議で検討しました。

証言収集で鍵を握りそうなのが、被災された方に寄り添う目的で開催されている集い、その名も「ふくみちゃんカフェ」です。いわきが誇る夕刊紙「いわき民報」でも紹介されていますので、詳しいことはその記事をご覧ください。素晴らしい活動です。

ふくみちゃんカフェの代表を務めているのは、内郷の御厩町にある阿弥陀寺馬目一浩副住職でいらっしゃいます。震災後から市内の仮設住宅をめぐり傾聴活動をされてきた方ですが、このふくみちゃんカフェに、小松さんをはじめとする収集ライター陣が伺い、当時のことを話していただくというのはどうだろう、という話になりました。

もちろん、いきなり押しかけて「証言を聞かせろ」ではマズいですし、時間をかけて関係づくりを進めていくところから、ということになると思いますが、傾聴する会ということは、あの災害についてなにかしら語りたいという方が結構いらっしゃるということだと思います。うまくマッチすると、さまざまな話を聞くことができそうです。

ぐんぐんと企画の中身が深まっていきます

ところで、内郷で「ふくみちゃん」と聞いたら、ほぼ9割9部の方が、豆大福でおなじみの和菓子店「ふくみや」さんを思い起こすと思います。ああなるほど、ふくみやがある内郷だから、豆大福でも食べながらおしゃべりするカフェをイメージしてんだっぺな、と思ったのですが!

じつはふくみちゃん、いわき市の社会福祉協議会のマスコットキャラクターなんだそうで、そこから名付けられたのだそうです。なぜ「ふくみちゃん」という名前かは社会福祉協議会のウェブサイトを見ても掲載されていませんでした・・・。たぶん、ふくみやの大福が好きなんだと思います。

これが「ふくみちゃん」

内郷愛がデカすぎで脱線してしまいましたが、この「ふくみちゃんカフェ」を起点にしつつ、まち歩きなども開催しながら地域の皆さんの証言をコツコツと集めていこう、ということで方針が決まりました。小松さんたちライター陣と共に、私たちもコツコツと証言を集めていきたいと思います。

また冊子のデザインについても、いわき市でデザイナー・アーティストとして活動している藤城光さんが担当してくれそうだ、ということになり、次回の会議ではその藤城さんと共にプロジェクトのデザインや冊子の具体的なイメージを詰めていくことになりそうです。いやあ、楽しみですね。

今回の会議もどんどんとスピーディに話が決まっていき、今後の活動が楽しみになってきました。そして、早速ですが、内防プロジェクトの次のイベントも決定いたしましたのでお知らせします。

内郷について語る「内講(うちこう)」爆誕

内防プロジェクトが主催する第1回イベント「内講(うちこう)」が開催されます。ゲストには、東日本国際大学職員で、地域でさまざまな研究を続けている江尻浩二郎さん。いわきで地域活動をされている方なら、ご存知の方が多いのではないでしょうか。あの江尻さんをゲストに迎え、内郷の話や地域の話をざっくばらんに楽しみたいと思います。

会場は下綴集会所です。午後7時スタート。お飲み物、食事(つまみ)をぜひご持参ください。みんなでお酒も楽しみつつ、江尻さんとのおしゃべりを楽しみながら、内郷のこと、防災のこと、そしてまちづくりのことを考えたいと思います。ぜひふるってご参加ください。

参加申し込みは uchigo.machizukurishiminkaigi@gmail.com までメールを送っていただくか、会場まで直接お越しください。あるいは、内郷まちづくり市民会議のFacebookページにコメントをいただくのでも構いません。ぜひぜひご参加ください。

今後も、打ち合わせや会議の模様、聞き取りの模様などをレポートしていきたいと思います。それでは今日のレポートはこの辺りで!

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