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JFL第16節・奈良クラブ戦【いわきFC監督・田村雄三ここだけの話~BEHIND THE SCENES⑱】

田村雄三監督が自ら試合を振り返る連載コラム。今回は、7月11日にJヴィレッジスタジアムで行われたJFL第16節の裏側を語ります。

▼プロフィール
たむら・ゆうぞう

1982年生まれ。帝京高→中央大→湘南ベルマーレ
2010年に引退。湘南ベルマーレ強化部スタッフを経て2015年、いわきFC強化部へ。2017年よりいわきFC監督

■劇的な引き分けも、選手は誰一人喜んでいなかった。

第18回note、奈良クラブ戦の振り返りです。

悪天候の中、そしてナイター開催ながら、たくさんの方のご来場、ご声援ありがとうございました。

1000人強の手拍子や拍手が、最後のゴールを呼び込んだと思います。勝利を届けたかったですが、私の力不足でした。

ただ、最後まで諦めずゴールを奪いに行った結果、勝ち点1を得ることができました。そして試合終了後、選手が誰一人喜んでいなかったことが、今のチーム状況だと思います。

私も選手達に「負け試合だった」と正直な感想を述べました。ただし、引き分けにできたことも選手の力です。この試合をまた次節以降に生かそうと話しました。

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今節、試合前に選手に伝えたことは3つ。

①コンパクトフィールドと守備のスライド。前線から奪う守備と、セットプレーへの注意

②前節同様、ベースに戻る
●ハードワークする
●球際で負けない
●切り替えを早くする
加えて、90分+α「闘う」

③ 試合を通じて、挑戦し、成長する

①は、対奈良クラブに対するポイントです。②は前回に続き、ベースの大切な部分ですね。③は前節のソニー仙台FC戦で「各自が自分のプレー(役割)に没頭することが、チームのためになる」と話しましたが、それと同じことです。

自分の力を100%出すことがチームのためになる。もっと自分のプレーに没頭して、力を出し切ってほしいと思っています。そのため今節も「チームのベースを押さえた上で、毎節出る自分の課題に対し、試合を通じてチャレンジすることで成長できる。だから、ミスを恐れずチャレンジしていこう」と話しました。

■常にギリギリを突く。それが「成長を、挑戦を貫く」ことにつながる。

最近、有料ラインが高いので、今回は低めに設置します。そして、私の有料記事を通じて皆さんからいただいた代金の「使われ方」ですが…

私には本当に入っていません(笑)。

対コロナ対策の備品購入、暑さ対策用の冷却タオル、毎試合用意しているチョコレートなど、チームの強化費になっています。これからは、いわきFCフィールドの整備費(メンテナンス費用)に充てていく予定です。

皆さんからいただいた貴重なお金はチームの強化費として、今後も大切に使用させていただきたいと思います。

話が少しそれましたが…

今節のメンバーは「90分+α」のゲームプランで考えました。ケガを抱えている選手もいたので、もしものことを考えての18名になりました。

少しプランを言うと、平岡将豪はもともと後半45分からと考えていました。本当はFWで起用するつもりでしたが、前半でイエローカードをもらった選手がいたので、ポジションを変えました。

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長いリーグ戦の中、万全の状態で試合に挑めることはほんの数回程度でしょう。疲労度、体調、ケガなど、大小さまざまな困難を抱えてのプレーになります。今節はそのちょっとした問題が、少し多かったかもしれません。こればかりは、常にギリギリですね。試合に向けて負荷調整はしていますが、身体を「鍛える」ことは、常に行っていますので。

常にギリギリの所を突いていく。それが「成長を、挑戦を貫く」ことにつながっている。

そう信じています。

選手は、本当に良く頑張っています。だからこそ、最後にあのゴールが生まれたのかもしれません。大切なのは「サッカーであって、サッカーじゃない」部分。各自の諦めない気持ちや日々の取り組みがあったからこそ、生まれたゴールだと思います。

■中村憲剛さんの言葉。

前回、血液検査のデータを添付しました。選手達の成長を把握するための一つのデータとして紹介させていただきました。その他にもいろいろな変化があるのですが


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