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試合に来てもらう難しさ【平澤俊輔営業日記】

昨年限りで現役を引退し、今年からフロントスタッフとして奮闘する平澤俊輔が、今の気持ちを綴ります。

▼プロフィール
ひらさわ・しゅんすけ

1994年生まれ。JFAアカデミ-福島→早稲田大
2017年いわきFC入団
2021年現役を引退し、フロントスタッフに転身

皆さんこんにちは!
営業マンになって丸3カ月が経ちました。

近ごろ、コーヒーのおいしさがわかってきた平澤です。

僕はカフェインがかなり効く体質のようです。午後に飲むと夜に眠れなくなってしまい、コンディションに影響が出るため、現役時代は試合前に飲むか、極力控えることにしていました。

しかし、今はなんのその。頭が疲れているのか、夜9時に飲もうがすぐに眠れるようになってしまいました。そのおかげで食後の1杯のコーヒーが、心を休ませる至福の時間になりました。

あれ…なんか今回のつかみ間違ったな。

そんなことより、チームは5月に入っても負けなし!

5月1日鈴鹿ポイントゲッターズ戦、5月5日高知ユナイテッドSC戦、5月9日天皇杯福島県代表決定戦・福島ユナイテッドFC戦、そして5月15日アウェイでのFCマルヤス岡崎戦。厳しい日程でも、出場したメンバーがそれぞれのタスクを遂行し、見事4連勝を果たしました!

5月の連戦の中、ケガから戻ってきた選手、今まで出場機会が少なかったけれどメンバー入りを勝ち取り、試合に出た選手が見られたことが、すごくポジティブなことだと思いました。ここからさらにポジション争いが激化し、誰が出てもいわきFCのサッカーをして、お客様をワクワクさせてほしいです!

今回は、JFLのホームゲーム5試合が終わって感じた「課題」について、書いていきたいと思います。「課題」とはタイトルにある通り「お客様に試合会場に来てもらうこと」です。

いわきFCを応援して下さっている方やJFLに詳しい方であれば、疑問に思われるかもしれません。なぜなら、いわきFCのホームゲームの観客動員数は毎試合上位…というより、ナンバーワンです。

本当にありがたいことです。会場に集まった皆様方が選手達の頑張りを後押しし、その結果、熱狂空間が生まれている。そのことに、疑いの余地はありません。その前提で、あえて課題を書かせていただきます。

この課題は、僕がスタッフになってから知ったことです。毎試合、お客様の内訳をフロント内で共有しているのですが、まず、今シーズンと昨シーズンの1試合当たりの平均入場者数を比べてみて下さい。

2020_2021_来場者数比較.xlsx-01

2020年は1,286名。それに対し今シーズンは、現在で1,118名です。つまり単純比較で、1試合およそ170名、お客様が減ってしまっているのです。

もちろん天候や新型コロナウィルスによる社会情勢の変化も、入場者数に影響を与えていることでしょう。ただし、それらの条件は昨年と何ら変わっていないのも事実…ましてやチームは負けなし。サッカーも昨年よりも確実に進化し、見に来て下さる方々の心をつかむ、面白い試合を展開しています。

それなのに、なぜお客様が増えないのか。

もしこのままの調子が続き、昇格争いが佳境に差しかかれば、自然とたくさんの方に足を運んでいただけると思います。リーグ序盤のこの時期だからこそ、今の数字には運営の力が反映されているように感じてしまいます。

僕が思う課題の一つが、新規のお客様の少なさです。

いわきFCはトップパートナーであるイープラス様のご協力のもと、毎試合、チケットの種別からお客様の内訳を分析し、試合別の来場予想を立て、来場者の傾向などをチェックしています。

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データの一つに「無料招待券」があります。これはファンの裾野を広げる目的で、試合を見たことのない方々にとにかく来てもらうため、地域やパートナー企業様、小学生などにターゲットを限定してお配りしているものです。

その中で最もボリュームが多く、戦略的に実施しているのが、毎試合、ホームタウン内の各地域ごとに新聞折込で配布している地域招待券です(例えばこの試合は〇〇地域、この試合は〇〇地域…といった形)。

この地域招待券の配った枚数に対し、どのくらいの方が来場しているか、皆さん想像つきますか? 

これを%で表したものを「着券率」と呼んでいます。皆さん、着券率は平均でどれぐらいだと思いますか?

答えは『1.2%』です。

最も低かった試合の着券率は『0.3%』。1,000枚配って、3名の方が来場する計算になります。

この数字が多いのか少ないのか、僕にはまだわかりません。配布数が多いので数字としては妥当かもしれないです。ただ正直な感想として「こんなに少ないのか」と思ってしまいました。

もちろん、コロナウイルスが大きく影響していると思います。ただ、昨年と比べて来場者数が1試合あたり170名程度減っている結果からすると、理由はそれだけではないと思いますし、もっと増やしていかないといけない枠だと考えています。

フロントには、チケッティングを担当する池上さんというスタッフがいます。

宮城県仙台市出身で、ベガルタ仙台さんと東北楽天ゴールデンイーグルスさんのファンです。仕事中も冗談ばかり言っていて、みんなからイジられる面白い方です。いわきFCに来る前は、大手メガネメーカーに勤めていらっしゃいました。

そんな池上さんに「なんでいわきFCに転職したのか」と尋ねたことがありました。池上さんは

「いわき市を東北一の都市にする」という言葉にワクワクしたから。プロスポーツ文化をいわき、そして東北全体に根づかせ、東北全体がスポーツ文化に染まる。いわきFCならこれができると思ったから入社した。

と言っていました(池上さん、僕が盛って書いていたらすみません)。

JFLに参入して2年目。いわきFCとして試合のチケットを有料販売するようになって2年目になります。

初めて試合を見たいと思っている人へのガイド、悪天候時の対策、コロナ禍でのニューノーマル時代におけるスポーツ観戦方法…

チケッティングを担当している池上さんは、本当に大変だと思います。課題は山積みですが、全員で一つ一つの課題に向き合っています。

チケット収入はプロスポーツチームにとって大切な財源です。しかし、新型コロナウイルスによって、チケット収入以外の新たな収入源を見つけなくてはなりません。そして、いわきFCを持続可能な存在にしなくてはいけません。それはスポーツクラブに限らず、多くの業界の課題です。

ただ、僕達いわきFCが目指すことの本質はやっぱり「魂の息吹くフットボール」でいわき市、双葉郡に熱狂空間を生み出すことだと思います。

最後に、ある日「コロナ禍の中で積極的に集客をすべきなのか」という議論をしていた時に、プローモーションマネージャーの川﨑さんが言った言葉がすごく印象に残ったので、書いておきます。

「熱狂空間とは我々だけでなく、お客様も含めたスタジアム全体で作り上げるもの。当たり前だけどお客様が少ないよりは、多い方がワクワクする。観客数はスタジアム収容人数の50%以内というルールがあるわけだから、その基準ギリギリまでは集客しても問題ない。いわきグリーンフィールドもJヴィレッジスタジアムも、2,500人までお客様は入れるということ。それなら、そこを目指していこうよ!」

(川﨑さん、盛って書いていたらすみません)

池上さん、川﨑さんのように、フロントもみんなが熱い想いを持っています! これからも全員で頑張っていきます!(あ、このnoteの更新も頑張ります…)

有観客で試合が実施される限り試合会場でお待ちしておりますので、皆さん、引き続き応援をよろしくお願いします!

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(終わり)


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