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人生の100%をクリエイティブに捧げる覚悟

CG初心者向けセミナーの翌日、ヒカリエで開催されたMotion Plus Design Tokyo 2019(MPD)に参加。 「人生の100%をクリエイティブに捧げる覚悟」とは、そのイベントで最後に登壇したAsh Thorpさんの言葉です。

早いもので独立してから年末で丸5年。走りながら自らが進む道を模索してきて、ようやく焦点が定まってきました。

いい歳をして随分と時間がかかってるなとか、そもそもやることを決めてから独立したんじゃないのかとか、ツッコミどころが多すぎだけど、しょうがないよ、人間だもの。


修行僧のようだったAsh Thorpさん

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Ashさんのことはモーショングラフィックスに本格的に興味を持ち始めてから知りましたが、30代半ばにして「伝説」と呼ばれることもある業界のトップランナー。グラフィックデザイナー、イラストレーター、アーティスト、クリエイティブディレクターなど様々な肩書きを持っています。

キャリアをスタートした頃はサンディエゴの自宅から会社まで往復7〜8時間かけて通い、毎日11時間ほど働くということを1年続けたそうです。ってことは自宅にいられるのは、わずか4〜5時間。CGWORLDのインタビューでは、次のように述べています。

Q: 短期間で成功をされていますが、クリエイティブにどう向き合ってきたのでしょう?

A: 人生の100%を捧げる覚悟ですね。その覚悟がないのならやるべきではないと思います。(後略)

MPDでも、謙虚であるべきとか、学びは一生とか、クリエイターのプレゼンというよりお坊さんの講話のような部分もありましたが、中でも特に刺さったのが次の言葉。

"Your level of succes in life is a direct result of your ability to manage time appropriately."(あなたの人生の成功の度合いは、あなたが時間を適切にやりくりする能力の直接的な結果。)

若い人にはこれからの話ですが、私は結果を振り返る年齢であり、非常に重いです。42歳で独立し、47歳にしてようやく焦点が定まってきた私はこの言葉をどう捉えるべきか。

答えは1つ、"Just do it" です。ただやり方はこれまで以上に考えなくてはいけないと痛感し、MPD後に様々なことを見直しています。

最近、Ashさんのポッドキャストがあると知って聞き始めたんですが、最初のエピソードでターミネーターやアバターなどの監督として有名なジェームズ・キャメロンさんの話題に。

彼はトラック運転手から転身してクリエイティブ業界に入り、映画監督になっていますが、フィルムスクールでは学んでおらず、それを引き合いに出してクリエイターになるのに正しい道なんてないというような話になっていて(聞き取りが間違ってたらごめんなさい)、とても勇気付けられました。

私は前職がレンタルサーバ屋の営業という異色の経歴で、道は1つではないというのは実感しています。成功するかどうかは、Ashさんがいうとおり、時間をどうやって適切にやりくりするかにかかっていると言えるでしょう。


もっとも共感したYetiのスーパーヒーローの話

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Yetiはギリシャから来たトニーさんとサノスさん、2人のクリエイティブデュオ。トニーさんは営業、サノスさんは役者でしたが、自分達が幼い頃に憧れたスーパーヒーローになる(=クリエイティブな仕事をする)ために転身。

大手企業の仕事も手掛ける彼らの悩みは、クライアントの要望と自分達が最高と考えるものが一致しないというものでした。デザインはアートではないので、どんな巨匠であってもクライアントの意見には耳を傾けます。

シド・ミード展では、ガンダムのデザインについて日本のクライアントとやりとりを重ねる様子が紹介されていましたが、彼ほどの大御所でも一方的に自我を通すことはなく、クライアントの要望を取り入れるのです。

クライアントの意見に従ううちに、本来作りたいものとかけ離れた結果になることもありますが、不本意でも、世に出たらそれがクリエイターの作品として認識されます。

そこでYetiはポートフォリオに、クライアントに納品した作品とは別に「本当はこうしたかったバージョン」をディレクターズカットとして掲載しています。クライアントの要望には応えつつ、本当に自分達が作りたかったものを見せているのです。賢い!

彼らはその美意識を凝縮させた素晴らしい個人作品も公開しています。私がクライアントだったら中途半端に注文を付けず、好きなように作ったものを見せて欲しいです。会社組織は多くの人で成り立っているので、大手ほどそれが難しいのはわかりますけどね。

プレゼンではYetiのトレーニングコースの紹介があり、MPDの参加者向けのクーポンコードも提供されたとあって、すぐに購入してしまいました。トレーニングは12月10日から始まっていて、毎晩少しずつ進めています。とてもおもしろいです。

イベント終了後、Yetiの2人を見つけて、少しだけお話できました。スーパーヒーローになって、いつか彼らのギリシャのスタジオを訪問したい。

Motion Plus Design Tokyo 2019の模様は、CGWorldがわかりやすい記事を公開しています。


ずっと打ち込めるものを探し続けてきた

高校の頃から将来の仕事は一生打ち込めるものにしたいと考えていて、大学のときは様々なアルバイトを経験したものの見つけられず。

幾つかの会社を経験し、20代後半に出会ったCGも、いきなりそこにすべてを賭けられるものかどうかはわからず、長年趣味にとどめてきました。

しかしそのCGは、ダンボールアートという表現によって思いがけず注目されて独立のきっかけになり、今年はきゃりーぱみゅぱみゅさんのMVに参加することにもつながっています。

私のダンボールアートはCGを使った表現の1つであり、マーケティング戦略的に使っている部分が大きいです。運よく様々な機会をいただいてこれたし、今後も重要な位置付けであることには変わりありませんが、今年はより本格的にCGを仕事につなげたいという欲求が高まってきました。

47歳にもなれば、業界を問わずベテランの年齢で、今頃CGの本流に入っていくことなど叶わぬという思いに強く支配されていたように思います。

42歳で会社をやめて、ダンボールアーティストという肩書きで活動を始め、常識的な考えにはとらわれていないつもりだったけど、そこに関してはガチガチに凝り固まっていたかもしれません。

そういえばファクトフルネスにも、自分はよくわかっているつもりだったのに、実際には全然わかっていなかったという話がありました。例えが適切でないかもしれないけど、そんな感じだったのかも。

CG案件を増やしたいけど、中心にするのは難しい。そんなことできない。そう考えていました。

しかしそんな私に一筋の光明が差し込みました。業界未経験なのに映像制作会社のCG案件を手伝わせてもらえたのです。そちらの会社からは、その後も継続的にお仕事をいただけています。しかも丁寧な指導付きで。神様かな…


道を見つけたなら、あとはやるだけ

CGは導入の敷居が下がっていて、10万円台でもある程度の性能のパソコンが購入できるし、無料・安価なソフトもあり、学ぶための情報も充実していて、その気になれば少ない投資で誰でも始められます。

ゆえに若年層の躍進もめざましく、10代や20代前半で頭角を表すことも珍しくはなく、20代半ばにして実績を積み上げている人も。若くして自分が進むべき道を定めて邁進し、結果を残している人達には敬意しかありません。

でも進み方は人それぞれ。年齢を重ねてから道を見出す私のような人間もいます。Ashさんのポッドキャストで話があったとおり、"No right way" です。

若くして成功を収めることは輝かしく、多くの若年層に夢と希望を与えます。しかし今から実績を積み上げて、40代でも遅くはないということが伝えられたなら、それはまた意味のあることではないかと思っています。

随分と時間がかかったけど、道は見えた。あとはやるだけ。

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ダンボールアーティスト、ブロガー、CGクリエイター。ものづくりや仕事のことを書きます。 https://iwaimotors.com/blog/profile
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