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市場が縮小する日本でクリエイターとして生きていくために考えている3つのこと

国内市場が縮小する少子高齢化時代に、クリエイターとしてどうやって生きていくのか。いま考えていることをまとめてみました。

会社をやめてフリーランスになった理由

丸10年間お世話になったレンタルサーバ会社を退職し、2015年からフリーランスになり、早いもので6年目。独立した理由は次の2つです。

・残りの人生、好きなことをやりたい
・会社員を続けることへの不安

独立したときは42歳とかなり遅めでしたが、人生も折り返しだし、後半は好きなことをやりたい、やらずに後悔したくないという気持ち。

また会社に居続けることへの不安もありました。前職は退職金制度がなく、私自身に専門的な技能もなし。中途半端な年齢で会社から投げ出されることへの不安も強く、かといってお金のために会社にしがみつくのも嫌。

独立が楽ではないとわかっていたし、案の定、大変なわけですが(笑)、会社に頼らず生きる力をつけるために苦労するのは、少しでも早い方がよいと思い、踏み切りました。

ウォール街のエリート達が大量リストラされる時代、真面目に会社勤めをしていても悠々自適な老後が約束されるわけではありません。


少子高齢化の時代をどうやって生きていくか

ご存知のとおり、日本は少子高齢化が進んでいて、2020年の概算値で1億2600万人ぐらいの人口は、45年後の2065年には8800万人程度にまで減少することを政府が推計しています。前回の推計からは上方修正されていますが、それでも3800万人減です。

参考:
人口推計 -2020年(令和2年)1月報-(総務省統計局)
日本の将来推計人口(平成29年推計)の概要(厚生労働省)

技術革新によって様々なものが効率化して、減少した人口分の労働力を補うという明るい未来予測もできなくはないですが、そうならなかったときの備えは欠かせません。じゃあどうするのということで、いま考えているのが次の3つです。

・信頼できる顧客や仲間と仕事をする
・海外の市場を視野に入れる
・自らのメディアを作って育てる


信頼できる顧客や仲間と仕事をする

信頼できる顧客や仲間を作ることの意義は前回の記事で書いたとおりです。

新規取引では相手の人となりがわからず、コミュニケーションも手探りとなり、きちんとした成果物を納品してもらえるのかなど、心配事が増えます。

時間はかかりますが、信頼できるお客さんや仲間が増えていけば、お互いのやり方に慣れもでき、安心してやりとりできるため効率もよく、ストレスもありません。

目先の利益を優先して長期的視点で考えられなくなると、いつまでたっても負荷が高く、ストレスの多いやりとりが続く恐れがあります。そのような仕事のやり方は、いつまでも続けられるものではありません。


海外の市場を視野に入れる

少子高齢化が進む中、国内の市場だけを見ていては先行きが不安。フリーランスであっても、海外市場は視野に入れる必要があると考えています。

物販なら、いわゆる越境ECですが、AmazonEtsyのようなマーケットで海外にも販売可能です。

私の大好きなStudio Neat(アメリカ人の2人組)は、独自のオンラインショップで自分達が作った製品を販売しています。彼らは初期段階でKickstarterで出資を募り、自分達の名前を広めることにも成功したようです。

いまでも新製品の発売時はKickstarterの利用が多く、毎回すぐにファンディングに成功していて、一定のファンをつかんでいるように見えます。

日本でも最初はAmazonや楽天のような大きなマーケットで商品を売り、認知が進んでファンがついてきたら独自にショップを開くという方法がありますが、Studio Neatはそれをグローバルにやっているのかなと。

クリエイターなら、次のようなプラットフォームを使って写真やイラスト、音楽、ノウハウ(チュートリアル)などを世界に向けて販売可能です。

世界恐慌でなければ、日本が不況でもどこかの国は好調なはずで、世界を視野に入れることはリスク回避にもなります。まあ、こんなことをいうと「大変すぎる」「大した利益にならない」などというネガティブな意見もありそうです。

もちろん簡単ではないし、いきなり大きな利益をあげられないだろうけど、だからこそチャンスがあります。やってみなければ何も始まりません。

私は何も経験がないまま製品開発に取り組み、知的財産権のことを調べて意匠を取得しました(自力では時間がかかると判断し、弁理士に依頼)。知財について調べた記事は多くの人にご覧いただいてます。

昨年から始めたCG・映像関連の仕事も、47歳にして業界未経験でいただいているものです。

しかし上には上がいて、高級デザイン家電が人気のバルミューダは、倒産寸前で社長が町工場に飛び込んで設計などのノウハウを身に付け、高級扇風機The GreenFanを生み出しました。

やらずに諦めるという選択肢は私にはありません。独自開発したスバコは海外市場も考えていますし(あまり力が入れられていませんが…)、今年は他の取り組みも始める予定です。


自らのメディアを作って育てる

会社員時代にプロブロガーなる存在を知って興味を持ったものの、早々に真似をするのが難しいとわかりました。ブログの広告収入で生計を立てているような人は、付加価値の高い情報を継続的に発信したり、文才があったりして、自分に同じことができるとは思えなかったのです。

しかしブログは自らの宣伝(セルフブランディング)に役立つと考えました。そして独立のきっかけをつかむために開始。メディアが必要になったときにすぐに使えるように、育てておくという意味もありました。

アクセス数はそれほど多くありませんが、宣伝媒体として十分に機能していて、テレビ局、ディズニー、企業、きゃりーぱみゅぱみゅさんまで、ブログがきっかけでダンボールアートの制作依頼をいただきました。

ネットは世界中の誰もが情報収集に利用するので、そこに多くの種を撒いておけば、誰かの目に止まる可能性が出てきます。インフルエンサーにはなれなくても、地道な発信が効果を発揮するのです。

noteは2019年1月から始めたばかりですが、相性がよく、多くの人達に自らを知っていただくきっかけになり、運営元のピースオブケイクでワークショップを開催する機会もいただきました。

またnoteには販売機能もあり、これまでワークショップやセミナーのチケット販売に利用したり、英語学習を勧める記事の販売に使ったりしています。

ここ数年、力を入れ始めているのが現在14年目に入っている名古屋開催のCG勉強会、C3Dです。これまでに、のべ400名以上が参加しています。

ネットでは2009年から情報発信を始めましたが、2017年までは勉強会の告知や報告しか行ってきませんでした。しかし2018年にウェブサイトの構造を見直し、月1本程度のペースでCGに役立つ記事の配信を開始。

2019年の年間アクセス数は12万PVを超え、2017年の24倍になりました。あくまでも参加者ファーストですが、収益化にも力を入れていく方針です。

クリエイターの価値を高めるツールとして、ブログやnoteのようなメディアは非常に役立つので、ネット上の拠点としての活用をお勧めします。


ITを有効活用して、今の時代を生き抜いていく

改めて、これからを生き抜くために考えている3つのことは次のとおり。

・信頼できる顧客や仲間と仕事をする
・海外の市場を視野に入れる
・自らのメディアを作って育てる

これらは別々に考えているわけではありません。信頼できる顧客や仲間は海外にも作れるし、英語を使えば海外にも発信できます。

デジタルクリエイターは、ITの進化で安価にツールが利用でき、バックオフィス業務も効率化されています。詳しくはサブスクの記事でも伝えました。

スマホとネットが普及し、世界がフラット化して、個人や小規模事業者でも国境を越えてビジネス展開することのハードルが下がっています。

とはいえ、日本だと国内だけを見ている人が多そうなので、周りがあまりやってなさそうなことに積極的に挑戦し、生き残っていきたいところです。

最後までお読みいただきありがとうございます! TwitterではCG方面のつぶやきが多めです。 https://twitter.com/Iwai ダンボールアートの主な作品はこちらでご覧いただけます〜 https://iwaimotors.com