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プラムビレッジ2022Rain Retreat 〜2〜 

【夏時間から冬へ】

9月中旬から始まったRainRetreatも後半戦。サマータイムというのも、日本人にとってはあまり馴染みがありませんが、10月の最終の週末土曜に1時間繰り下がって、1時間多く寝られる!?と、思いきや、結局同じ時間に起きる習慣になっていて起きてしまい、なんか損した気分。。ともかくそこから、すっかり冬が始まってます。ここは仏教の教えがベースですが「宗教」ではないので、各国の習慣やお祝いを大事にしていて、10月末にはハロウィン、先日はサンクスギビングデーのお祝いがあり、もちろんターキーはないけれど、みんなでケーキを囲みました。そういったイベント!?の日には、普段のシスターたちとは違った芸達者な一面が見られたり、いろいろな言語やノンバーバルなパフォーマンスが披露されます。もちろんエコであることサスティナブルであることが徹底されていて、デコレーションは色とりどりの枯葉だったり、仮装大会にしてもアイディア勝負❗️そして元に戻せる状態にできるものが原則。私もかぼちゃのカービングに初挑戦しましたが、それはもちろんかぼちゃのスープやかぼちゃのケーキになりました。

初作品!?のかぼちゃカービング

ということで、やはり食べ物の話は欠かせません。ここで3回提供される食事について、ご紹介します。とその前に・・・

【選択はできないけど・・ビュッフェ⁉】

いわゆるビュッフェスタイルで食べ物が並んでいるので、一礼してからボールやお皿、スプーンやフォークを持って食べ物をとります。大きなボールか小さなボールか、お皿を選ぶのですが、大きなボールを抱える人もいるし、小さなボールの人もいるし、様々。因みに、使った食器も1列に並んでいる洗剤入りやお湯や水の桶を順にくぐらせて、自分でサニタイズ(高温の洗浄機)のところに運びます。なので、もちろん欲張りや食べ残しはご法度!?最小限の器使いを考えます。それでも、やはりたくさんとる人がいるのが世の常。遅刻すると、ごはんと葉っぱだけだったりします。。。
ダイニングホールで4人掛けのテーブルで食べるのがベースですが、時には"ピクニック"というパターンがあり、外で食べてもしゃべりながら食べても良い日があります。天気が良いとみんな外のベンチで食べたり、誕生日などには集まって食べることもあります。
そんな時も、日本人との違いを感じるのは、「いつも決まった人」といるわけではないこと。もちろん仲良し度は人によって違いますが、「塊」にはならないような気がします。私はいつもいろいろな人のお皿の取り分け方をみたいので、いろいろな人の席に座ってます。

【朝食】

 7時半≪5時起床・瞑想とエクササイズの後≫

人によって全く違う朝食のチョイス

朝はオートミールのおかゆと小豆粥が並び、そこに豆乳かライスミルクをかけるのが主流。その他に”ちまき”や別のお粥(中華がゆ的な)にものがあることも。そしてフランスパンが3種類くらい(グルテンフリーも含む)そこに植物性のバターやジャムをそれぞれでつけて持っていくのですが、そこには不思議なものも並んでます。一時期はVEGIMATEというオーストラリアで有名な黒いペーストがありました。日本の海苔の佃煮みたいな味がするので、変な感じだったのですが、バターと一緒に食べてみて!と言われたので試したら、確かにGOOD!日本の海苔の佃煮ももしかしてバターと合うのかしらん・・・!?既に試している方がいたらすみませんが、私にはお初でした。最近は八丁味噌・・正確には違うのかもしれませんが。「MISO」とあるシロモノ。こちらもバターと併せるのがコツと思われます。(もちろん、ここはヴィーガンなので植物性マーガリンしかありませんが)あと、必ずみんなかけている粉が3種類 赤と黄色と緑の粉。所謂、健康食品と思われますが、赤はビーツの粉、黄色は未だにわからず。。の粉、緑はスプリナの粉、特に緑は全てを緑に染めます。3種類入れたらどうなるか・・・・当たり前ですが、もっと緑になります!これとは別にフルーツ(リンゴやオレンジ、ブドウなど)を食べたい人は自分で切ってもっていくのですが、それもこの緑の物体に加えている人も私的にはちょっと・・・一度やって後悔しました。

【食べる瞑想】

「食べ方」についてのタイの本

メインの昼食を紹介する前に、その「食べ方」について説明します。「食べる瞑想」というのはまさに瞑想なので「黙食」ですが、黙っているだけではありません。まずは、食べ物がここに、たどり着くまでの過程をたどり、それらの恩恵を受けるのに相応しい行動を行えているのか?例えば地球温暖化に対して、どうやって自分が貢献できるのか?を振り返るような食前の祈りをします。大抵、ランチはみんなでこのお祈りを一緒にしてから食べ始めます。「黙食」といっても、あくまで「同じ空間を共有する仲間と一緒に」食べるので、最初にお互いににっこり微笑みます。後から誰かが加わっても、必ず箸を止めて、挨拶をしてから食べます。もちろん途中で目があったらほほ笑みます。めっちゃきれいな笑顔に見守られながら食事をするって素敵だと思いません?そして20分間以上かけて食べます。一口ずつ口に運び、それが人参なら「人参」のことだけに集中します。人参がここに来るまでの道のりの先に、作った人がいて、土があって、太陽があって。。。。と考えると、もう口の中に地球が、宇宙が広がってきます。その宇宙が口の中で溶けていく過程を追います。と同時に、私は料理の味を感じつつも、料理や他のものと混ざった時の口の中のハーモニーをいつも楽しんでます。そして喉を通って胃に落ちていく速さの違いも感じたりします。とはいえ、やはりそこは人間なので、「この後なんだっけ?」とか「さっきのあの発言はまずかったかな?あの人はどう感じているのかな」とか浮かび始めてしまいます。これをまた新たな一口で、集中しなおす・・・ということを繰り返していると、味にも集中できるし消化にもよくて・・・あっという間に時間が経って、お腹もいっぱいになるので、瞑想初心者にもおすすめです。こんな風に、集中して食べるので、作る方も大変ですが、本当に美味しくないものはテーブルに並んだことがありません。たまに固すぎる野菜とか味が薄いかも??はありますが、そこは塩や醤油、オリーブオイルやゴマなどの調味料があるので、調整します。(Myタバスコを持ち歩いている人もいます)

【ランチ】
12時半≪”歩く瞑想”の後 大抵は”歌う瞑想”をした後に、”歩く瞑想”をしますが、間でちょっとした体操(10マインドフルネス体操)をすることも≫

他の人のお皿はこんなきれい
自分も料理した日のランチ

そしてメインというか一番品数が多いのがランチです。まずは白いごはんと雑穀米、キヌアがあることもありますし、時にはパスタや米麺もあります。これにおかずが数種類。シスターがたまに作る、手作り豆腐は本当に絶品で、湯葉も美味しいです。出来立ての絹ごし豆腐は生姜シロップと一緒にサーブされ、デザートの「豆花」として食べます。日本人だと、あたたかい豆腐を醤油で食べる。。。。というのもしたくなりますが、それの習慣はないようです。タンパク源である豆料理は必ずありますが、グルテンフリー。砂糖不使用 という食事の人もいるので、料理にはそれぞれ注意書きがあることも。それに生野菜のサラダ、野菜のスープ というのが大抵のランチメニューです。ということで、ある日のランチはごはんとキヌア、豆腐とガンモの煮物、豆とマッシュドポテトの重ね焼き、大豆ミート、大根と人参のサラダ、湯で野菜、豆の煮物、野菜炒め(パプリカや白菜)ガドガドのようなペースト、キムチ、菜っぱのスープ、揚げせんスープにはパリパリの煎餅がつきもの!と言わんばかりにテーブルにありますが、これが日本のお煎餅っぽい大きなシート状のものの時もあります。キムチはなんといっても、私も手伝って漬けたものなので、美味しくてうれしい!とはいえビーガンキムチなので、深みはちょっと違いますが十分美味しいです。豆腐はスープや炒め物の他、揚げたりいろいろな形に変形してでてきます。ベトナム産のヴィーガンハムが入っていることもあります。大豆ミートは鶏肉にちかい感じですが、これも手作りのものを初めて食べました。週2回、別のハムレットに行く(※注)ので、その際にそれぞれの場所でのランチを食べることができます。でも巷ではニューハムレットが一番おいしいと言われているらしい(笑)、ブラザーのいるアッパーハムレットは男性ばかりなので、やはりボリューム重視というのもあると思いますけれど、品数は多くありません・・・・。ま、集まる日は500人規模の用意をするので、それは大変な作業ですが・・・実は私たち自身で料理する日があり、その時には200人分の料理を作ります。そんなわけで、私はオートミールの野菜グラタンを作りました。


200人分はかき混ぜるだけでひと仕事!



【夕食】

17時半から ≪午後のスケージュール終了後で夜の瞑想の前≫
時間が早いこともあり、軽めですが、食べないと次の朝まで持たないし、結局、見た目と香りに誘われて、全種類食べたくなるのが常。ビーフンやきしめんのような時もありますし、ライスペーパーで生野菜を包むこともありますが、それ以外は白米や玄米、キヌアなどか、時にはお粥。サンフラワーナッツを甘くしたものをトッピングしたのがめちゃ美味しくて、思わずおかわりしたことも。あとは、野菜の煮込みや炒め物、レンズ豆などの煮物(甘くありません)とか、サツマイモやかぼちゃのオーブン焼きも、本当に美味しいです。かぼちゃのスープも絶品。一見、日本食のようですが、違うのは調味料や素材のためでしょうか?スープも味噌汁的なときもあるし、薬膳風だったり、ポタージュだったりもします。
【ケーキ】

そしてよく焼かれるケーキも大人気メニューです。誰かの誕生日だったり、なにかのイベントには必ずケーキが焼かれます。ハロウィンやサンクスギビングの時は何種類ものカボチャのケーキやパイがありました。昨日はキャンプファイヤーがあり、男女が火の周りに集って歌を歌ったり、それはもう美しい世界でした!そこにもそれぞれから持ち寄ったケーキが並んでました~真っ暗でよく見えなかったけど・・・

【美味しさの秘訣】

この美味しさの秘訣は何かというと、やはり全部手作りだから・・・としかいいようがないのかもしれませんが、その手作り・・にしても、ほぼ手作業で、マインドフルネスに作ることが徹底されています。野菜の洗い方も丁寧かつ、水を最小限にすることや、最大限の無駄を失くす切り方を要求されます。カリフラワーの粒が下に落ちるだけで残念そうな顔をされるので、かなり注意が必要です。これを手切りするだけで、かなりの労力と根気が必要なのは想像できるのではないでしょうか??そもそも野菜たちも、ここで作っていますが、とにかく雑草と虫たちとの格闘の日々。もちろん、除草剤や殺虫剤はないので(笑)まさに「手入れ」するしかありません。そのマインドフル精神の結晶といえる料理が美味しくないはずがないような気もします。いろいろな国のシスターがいて、アジア系が多いのもその理由かもしれません。やはりベトナム系の味付けが多いように思いますが、インドネシア、韓国、タイランド、日本のシスターの日はやはりちょっとだけそんな要素が入ったりするので、それも面白いです。

そもそもマインドフルネスって何?

という話をしていないように思いますが(笑)次はちゃんと内容の話もしようかと!?仏教がベースながら、仏教の専門用語を使わないのがプラムビレッジスタイルらしく、本当にどのシスターもブラザーも面白い話をしてくれます~そして何より大事なのは、自分を幸せに、楽しくさせること。しかめっ面はここでは歓迎されません~
(注)この3か月のRain Retreatは特別なスケジュールになっていて、普段はブラザー(僧侶)がいるアッパーハムレットとシスター(尼僧)がいるロウワーハムレットとニューハムレットの3か所にいる僧侶たちと一般人(LAY People)が週二回一か所に集まります。木曜は僧侶とそれ以外に分かれて、それぞれの場所に集合し、日曜は全員が1か所に集まることになっています。この2曜日は滞在者だけでなく、近隣からも人が訪れます。

因みに美味しそうに見えないかもしれないのですが。。。写真を撮るのは実はとっても難しくて、あまりきれいに撮れないのがつらいところ!?

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