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ゆるぼう #Y4R

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Y4Rキャンペーンの取り組みの一つで、 「調べれば分かるけど、そこまでじゃない話」をコンセプトに、事務局の宮﨑と三浦が防災・減災に関する様々なテーマについて話し合うシリーズです!…
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2021年1月の記事一覧

ゆるぼうvol.016 中越地震(2004)②

ゆるぼうvol.016 中越地震(2004)②

▶以降につながる災害対応時の教訓宮﨑「中越地震は、その後の災害時対応の教訓になる出来事がいくつかあったんだよね。まずひとつ目は救援物資災害」

三浦「救援物資災害ということは、外部からの救援物資により何かしらの課題が生まれたということでしょうか?」

宮﨑「救援物資は被災地を襲う”第二の災害”とも言われていて、代表的なものは古着だよね。南西沖地震、阪神・淡路大震災、三宅島噴火災害時にも問題になった

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ゆるぼうvol.015 中越地震(2004年)①

ゆるぼうvol.015 中越地震(2004年)①

▶災害VC運営の確立三浦「過去の災害に触れていくと、1995年の阪神・淡路大震災は教科書で知っていて、2010年代以降は実体験としての記憶がありますが、その間に起きた災害は教科書にも載っていないですし、はっきりとした記憶もないので、個人的な感覚として抜け落ちている感じはします。特に2004年は災害ボランティアにおいて結構重要な時期だったと聞きます。この頃に起きた中越地震を中心にお話を聞かせていただ

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ゆるぼうvol.014 東海豪雨災害(2000年)〜宮城県北部地震(2003年)

ゆるぼうvol.014 東海豪雨災害(2000年)〜宮城県北部地震(2003年)

▶災害VC・災ボラネットが機能するまで
三浦「前回までのお話を聞くと、2000年の2つの噴火災害を契機に、災害ボランティアに関わる団体のネットワークが機能し始めたようなイメージなのですが、その後、それらのネットワーク組織はどのような動き方をしていたんでしょうか。何か課題が生まれたりしたんですか?」

宮﨑「現場レベルで機能していると実感できたのは2004年の中越地震の時からかな。例えば、同じ200

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ゆるぼうvol.013 有珠山噴火災害・三宅島噴火災害

ゆるぼうvol.013 有珠山噴火災害・三宅島噴火災害

▶災害ボランティアネットワークのはじまり三浦「前回、災害ボランティアセンター運営のはじまりについてのお話は聞かせていただきました。JVOADなどの支援団体のネットワーク組織はいつ頃から広がっていったんですか」

宮﨑「ボランティアのネットワーク組織ということなら、阪神・淡路大震災以前からということになるけど、災害とつくと2000年の有珠山噴火災害、三宅島噴火災害がターニングポイントになるかな」

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ゆるぼうvol.012 日本海重油災害・北関東出水災害

ゆるぼうvol.012 日本海重油災害・北関東出水災害

▶災害ボランティアセンターのはじまり三浦「阪神・淡路大震災で数多くの災害ボランティアに関わる人がいたということですが、現地で活動するボランティアを取りまとめる災害ボランティアセンターっていつから機能するようになったんでしたっけ?

宮﨑「一つは1997年に起きたナホトカ号重油流出事故。その時に多くのボランティアがこの事故の復旧活動に駆けつけた。その多くの方の力を活かすべく、ボランティアセンターの枠

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ゆるぼうvol.011 阪神・淡路大震災

ゆるぼうvol.011 阪神・淡路大震災

▶災害におけるメディアの力三浦「阪神・淡路大震災と聞くとやはりイメージするのは”ボランティア元年”です。今でこそ災害ボランティアは一般的ですが、その走りとなった災害がこの阪神・淡路大震災だったということですね」

宮﨑「そうだね、一つには被災地の状況がリアルタイムでテレビから流れてきて、全国的に関心を集めていたこと。もう一つは学園都市である京都や大阪などが被災した神戸に近く、ボランティアに参加する

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ゆるぼうvol.010 北海道南西沖地震

ゆるぼうvol.010 北海道南西沖地震

▶間に合う人と間に合わない人三浦「IVUSAの災害救援活動のはじまりは1993年に起きた北海道南西沖地震です。震源に近かった奥尻島が巨大津波の被害を受けました。この災害から、今の僕たちが知っておくべきことってなんでしょう」

宮﨑「震源地が陸地に近かったことだよね。これはどういうことを意味しているんだっけ」

三浦「津波がすぐにくる、ということですね。南西沖地震の時は津波到達時間はどのくらいだった

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ゆるぼうvol.009 あなたのキャンパスも例外じゃない? 「土砂災害」

ゆるぼうvol.009 あなたのキャンパスも例外じゃない? 「土砂災害」

▶都市部でも起こる土砂災害三浦「土砂災害って一言で言っても、大雨によるものと地震によるものがありますよね。要因が違うことで何か異なる点は出てくるのでしょうか?」

宮﨑「まず地震によるものは置いといて、大雨の場合は前も紹介したけど、ハザードマップで家がある場所の危険を確認しておいて、気象情報から判断してマイタイムラインに沿って事前の避難行動を取ることが王道の備えだよね」

三浦「土砂災害のハザード

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ゆるぼうvol.008 なぜ「雪害」と呼ぶ?

ゆるぼうvol.008 なぜ「雪害」と呼ぶ?

▶予算がなくなる=災害発生!?宮﨑「雪国と呼ばれる地域では、毎年雪が降っているけど、それを雪害と呼ぶときと呼ばない時の差ってなんだと思う?」

三浦「降雪量ですかね、、?」

宮﨑「何m以上積もったら雪害と呼ぶってこと?」

三浦「確かにそう言われると不思議ですね。大雪が積もっていても、それを”雪景色”と言うこともありますし。逆に雪がなくて問題になることの方が多かったりしそうですけど、スキー場の閉

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ゆるぼうvol.007 あの富士山も!? 「噴火災害」

ゆるぼうvol.007 あの富士山も!? 「噴火災害」

▶噴火災害時のボランティア三浦「今日は噴火災害についてお話できればと思います。IVUSAでも2000年の三宅島噴火災害時に救援活動を実施していますよね。噴火災害の時ってボランティアは何をするんでしょうか?」

宮﨑「もちろん避難所が開設されていれば、避難所の運営支援もあるけれど、一番は降灰除去だね」

三浦「雨が降ったら流れたりしないんでしょうか?そもそも灰ってどんな感じなんですか?」

宮﨑「降

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ゆるぼうvol.006 線の台風 「竜巻」

ゆるぼうvol.006 線の台風 「竜巻」

▶地域の分断を生む線の災害三浦「昨日の風台風の話のつながりで、今日は竜巻に触れていければと思います。さっそくですが、竜巻による災害の特徴にはどういったものがあるのでしょうか?」

宮﨑「まさに”線で表される災害”だね。地図上でみると、水害の場合は低い所全部が水に浸るから”面の災害”と言える。地震の場合は地盤が関係するから被害は”まだら模様”になる。竜巻は通った所だけ線を引いたような被害が出る」

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ゆるぼうvol.005 避けられない災害 「台風」

ゆるぼうvol.005 避けられない災害 「台風」

▶屋根に穴をあける「風台風」三浦「水害を引き起こすものの一つに台風もあると思います。台風も事前に備えられる災害の一つかと思いますが、備えの形としては昨日お話いいただいた大雨に対するものと同じと考えてよいのでしょうか?」

宮﨑「台風の進路予測はかなり確度が高いし、3日前の予報はほぼ当たるから、そういった面で言えば、タイムラインで対応できる災害と言えるね。ただ、雨台風の場合ね。去年の房総半島台風覚え

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ゆるぼうvol.004 逃げられる災害「水害」

ゆるぼうvol.004 逃げられる災害「水害」

▶「5」に上がる前に三浦「昨日に引き続き水害の話です。ハザードマップを確認すれば、自分の居住地が抱える水害リスクが分かることを教えていただきました。水害の恐れがある地域に暮らしている人はどう行動すればいいのでしょうか?」

宮﨑「地震と違って事前に予測できる災害の一つだから、まずは自治体から発せられる避難情報を正確に受け取れるようになっておくことだね」

三浦「確かにそうですね。ただ、避難勧告だっ

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ゆるぼうvol.003 あなたの地域も水に浸る!?「水害」

ゆるぼうvol.003 あなたの地域も水に浸る!?「水害」

▶河川が近くにない=安全?宮﨑「ひとり暮らししている学生とかって、自分が暮らしている場所の洪水ハザードマップって見るかな?」

三浦「いやぁ、川のそばじゃなければ心配ないだろうって思って、見ない学生がほとんどだろうと思います。河川の有無ってあんまり関係ないんですけどね」

宮﨑「そうそう、”見えない川”もあるからね」

三浦「暗渠(あんきょ)ですね」

暗渠(あんきょ):地下に埋設したり、ふたをか

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