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Now 【mathの英語で書かれた本を学習するときに出てくる用法】

Now という英単語は、中学一年の英語の段階で確実に認識をします。

高校の英語の学習では、英文法の規則もあれば、実用的な使い方も学習します。

しかし、数学において英語で書かれた本や論文で使われる表現があります。

大学の数学科では、3年次以降で英語で書かれた内容で数学を学習することがあります。

教養課程の後の専門課程となると、数学の内容が複雑で難解な高度化したものとなっています。

そこで、数学で使われる英語の表現を知らないと、とんでもない誤読をしたまま学習を進め、足元をすくわれてしまうかもしれません。

そうならないために、よく使われる now を取り挙げて説明をしようと思います。

Now :高校の段階で多い認識

まず、中学一年で学習する現在進行形の内容を見てみます。

Now, the panda is eating an apple.
(今、そのパンダはリンゴを食べているところです。)

今、この瞬間に目の前で起きている内容が現在進行形で述べられています。

このように、now という英単語を見ると、ずっと日本で英語を学習した方にとって、時間軸のイメージが圧倒的に強いかと思います。

後で数学において述べられる now について説明をしますが、専門的なアカデミックな内容では、時間軸というだけでは内容の認識が不十分になってしまうことが出てきます。

時間的なイメージだけにとどまらない何かは、あとで述べます。

ただ、時間的なイメージも含んで用いるので、日常会話の中から時間のイメージを日本語でも述べておきます。

日常の日本語でも

かつてのバブル時代の日常的な日本語を調べてみました。

Now の時間のイメージが色濃く出ている表現が見つかりました。

イタリア直輸入のこの服を着ると、ナウでファッショナブルでマブい。

最近の流行のファッションという内容です。

Now(今)の時間イメージが、とても現れているかと思います。

「今」について、スポーツでも時間のイメージが使われています。

サッカー、ゴール前でフリーでボールを受け取って、得点チャンスです。

言いたくなる声援、「今だ、シュート」。

このように、時間イメージが強い単語です。

それそれ、数学において使われる Now について述べます。

やはり時間のイメージが含まれています。

数学ですから、議論の流れがあります。

作者が述べている議論の中で、読者が「まさに今」、読んでいる議論の部分において、と時間的なイメージと、議論の箇所を結びつけて捉えます。

これは、ここまでで触れてきた中学の英語以来の Now の内容が理解の後押しになっています。

ただ、数学ならではの内容が Now には含まれています。

いかにも数学らしい意味合いなので、知らないと数学的に誤読となりかねないため、ここからは注意すべき部分です。

シンプルな具体例を使いつつ、Now について説明します。

Now :数学ならではの意味合い

Now(今)には、「既に述べた条件を満たしている状態で議論を進めている」という意味が込められています。

国公立大学の数学の記述証明などを思い浮かべて頂くと、結構な長さになります。

そうした長い議論の中で、「既に述べた条件を満たしている」ということを読者に向けて再度の喚起をしているということです。

このことを知らないと、どういった条件を満たしているということを前提としているのかを、把握できないということが起きてしまいます。

数学なので、条件を満たす、条件を満たさないの判断と関わってくるというわけです。

それでは、具体例を使って、Now の雰囲気を述べます。

例で確認する

$${x}}$$ を $${3}$$ の倍数とします。

中学の数学で学習したように、ある整数 $${k}$$ を用いて、
$${x=3k}$$ と表すことができます。

このように、条件を満たすということが関わってきます。

そうした状態で、他の議論が述べられ、話が続くときがあります。

今度は、計算規則に基づいて、式を書き換えることを考えます。

二乗の展開公式についてです。

$${(3x+1)^2=9x^2+6x+1}$$ です。

この右辺を書き換えることができます。

$${9x^2+6x+1=3x(3x+2)+1}$$

展開をした後に、式を書き換えました。

さらに議論が続きます。

$${(3x+1)^2}$$ を $${9}$$ で割ったときの余りを求めます。

この段階で、議論の焦点が「余り」となりました。

今、この議論の段階で、既に述べた満たしている条件について意識を向けたいところです。

こんなときに使うのが Now です。

Now(今)、
$${x}$$ は $${3}$$ の倍数で、$${x=3k}$$ と表されていました。

そのため、
$${3x(3x+2)+1=9k(9k+2)+1}$$ です。

$${(3x+1)^2=9x^2+6x+1}$$ だったので、
$${(3x+1)^2=9k(9k+2)+1}$$ です。

$${9k+2}$$ という整数を $${t}$$ と置くと、
$${(3x+1)^2=9(kt)+1}$$ となっています。

$${k}$$ は整数なので、
$${(3x+1)^2}$$ を $${9}$$ で割ったときの余りは $${1}$$ です。

このように、議論の流れの中で、Now(今)見ている議論の段階において、どういった条件を満たしているという状況下なのかということを再認識する意味を込めて、Now が使われます。

「どういった条件を満たしている」という設定なのかということを押さえておかないと、数学的に内容を誤読することにもありかねないので、注意が必要な英単語になります。

今回は、シンプルな内容で述べましたが、実際の数学科の専門課程の数学内容だと、もっと複雑な難解な内容となっています。

そんな中で、Now が使われることがあるので、そのようなときには「どういった条件を満たしている」のかを意識すると、内容の理解につながります。

この Now は、なかなか日本では、そうそう使われていないかと思いますので、英語で書かれた数学科の内容に慣れるために、岩井の数学ブログでは「今」を意識的に使っています。

時間イメージだけでなく、「どういった条件下において」議論が進められているのかを意識することが大切になります。

Now を使った大学数学の記事の例です。

大学の数学科で扱われる微積の基礎となる内容について解説をしています。

Now 以外にも、注意すべき数学において使われる意味がある英単語についてのnote記事も投稿しています。

ちなみに、今回の記事では、式の展開を計算しました。

高校の数学についての計算のnote記事も投稿しています。

では、失礼します。

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