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それを見せる西野七瀬は凄い。---映画「恋は光」AmazonPrimeVideo版 ショートレビュー ネタバレあり

前回の「ハケンアニメ!」に続いて今年見逃した作品を配信で観る企画の2本目は小林啓一監督の「恋は光」です。

出てくる人間がイチイチおかしなしゃべり方をするとか、「乙女ちゃんか!」と突っ込みたくなる女子連中とか、あの年代の男子があんなにストイックだなんてテストステロン値を調べてもらったほうが良いんじゃないかとか、そもそも恋心が全然わからない人間が文学作品が楽しめるのかとかそういう話はもうどうでもいいです。

たったひとつ、"それ"さえ見せてもらえれば。

この作品はそういう作品です。

主人公の西条君は恋をしている女性を見ると周囲にキラキラと輝く「恋の光」が見えてしまうという特殊な体質の男子です。彼には小学校のころからの付き合いの女友達がいます。それが西野七瀬演じる北城さんなんですが、彼女には「恋の光」が全然見えないので西条君は安心して北城さんと友達付き合いしています。

でもってある日西条君は東雲さんという文学少女に一目惚れしてしまいます。でまあ二人はいい感じになって、東雲さんはお付き合いを重ねるごとにキラキラが増していくわけです。でもってアホな西条君は北城さんに恋愛についていろいろ相談しちゃうし、それに協力しちゃうお人よしの北城さんは東雲さんと仲良くなっちゃっていろいろくるしい感じに物語が進んでいきます。

…とまあオジサンの筆致だと全く伝わらないと思いますが、若い役者さんたちが清潔感に満ちた演技を見せてくれているので全く悪い気はしません。「恋の光」も抑えめのVFXが効果的に使われていて、とにかく画面がきれいです。

でもこの映画は画面に映っていないものが観る側に見えてないとただの恋バナ映画で終わってしまいます。

映画の中では、物語終盤に私の大好きな伊東蒼ちゃん演じる画家の卵の女の子にズバリ言われてしまう場面があります。

「見えてますよ!」(←もちろんそんな言い方はしてません!)

そう、彼女に見えたもの、そして西条にみえなかったもの、それが観客の私たちに見えていたかどうかがこの作品の評価を分けるポイントなのですが…

いやあ、西野さん凄いです。私ずっと見えてましたよそのキラキラ!


ずっと友達として付き合ってきたが故に決して表面には出てこない北城さんの恋の光、まがい物のVFXの恋の光の中で、本物の恋の光を観客に見せつける。この作品はもうそれが全てと言っていいわけですが、その大役を西野七瀬さんは見事に果たしていました、素晴らしい。

確かに鳩の撃退法の彼女も凄く良かったですが、今回のこの作品の出来は飛びぬけてます。年末の賞レースにはノミネートすらされていないというのが信じられない。お前たちはどこに目を付けているのかと言いたくなる。それくらい最高の出来です。

しかしもう何度書いたか覚えていないくらいですが、日本の若手女優、どうなっちゃってるんですか?こんなに有望株が揃ってしまっていいんでしょうか。あああ目が肥えるのが怖いいいい!


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