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心底女性が羨ましい! --- 「ミセス・ハリス、パリへ行く」ショートレビュー

本当に、見れば絶対幸せな気持ちになれる映画なのに、上映館が少ないのがもったいないなあ。今のほとんどの人たちは大画面だったり大音響が必要な作品以外は「配信で見ればいいや」って選択になっちゃうのがすごく残念。この映画は日比谷あたりの映画館にでかけていって見終わったあとにちょっと奮発してお買い物して帰ろうかなみたいな楽しみ方をするのが最適解なんじゃないかと思うのですが…。

まあ、出てくる品物がクリスチャン・ディオールのドレスなのでおいそれと買って帰れるものではないのですが、まあ目の保養としては最高です。

主人公のミセス・ハリスはロンドンで家政婦を営んでいます。ある日働いているお金持ちのお屋敷でディオールのドレスを見て一目惚れ。しかし当時のディオールのドレスと言えば高価なオートクチュールが基本。いつかこんなドレスを着たいと夢見る日々だったのですが、ひょんなことからドレスを買えそうなくらいの大金を手にします。ならば行くしかない!とばかりに颯爽とパリに乗り込んだミセス・ハリスは、場違いなオートクチュールに飛び込み一波乱巻き起こしますが、その明るく前向きな人柄で周囲を巻き込み奇跡を呼び込んでいくのでした…という私にとっては久しぶりの典型的なサクセスストーリーです。やっぱいいですね、サクセスストーリーは。優しい気持ちになれます。

でもって、見せ場は初めてオートクチュールに足を踏み入れたハリスの眼前で行われるディオールのドレスのお披露目なんですが、これが本当に眼福!やっぱディオール天才だわと唸らずにはいられません。このシーンだけで元を取った気分になりました。以前ラスト・ナイト・イン・ソーホーのレビューでホラーになってしまったことを嘆いた私でありますが、あの作品こそこのテイストの物語で作ってほしかったなと改めて思ってしまいました。僕は男性なのでドレスを着る機会はありませんが、こういうのを見てしまうと心底女性が羨ましくなってしまいますね。

主人公のミセス・ハリスを演じるレスリー・マンヴィルは可愛いご婦人を嫌味なく演じてとてもいいですし、ハリスがパリで知り合うディオールのトップモデルを演じる女優さんも日本人好みの顔立ちでとっても可愛らしい。周囲の殿方もそれぞれに魅力的で脇をしっかり固めています。

まず、満足度の高い作品です。安心してご覧ください。


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