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【2023WBC】球界の春一番

(サムネイルはベルーナドームです。いつか東京ドームにも行ってみたいなぁ!)

 3月16日、20時頃。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)準々決勝、日本vsイタリア。急に思い出して、テレビをつけた。流し見程度に観戦していた。

 岡本の単独スチールにびっくりして、源田がさらっとアウトを取る姿に安定感を感じて。大谷くんが華麗にバントを決めるのは惚れそうになった。スチールを巻き返すように岡本がホームランを打ったとき、思わず飛び上がった。あの外の球をスタンドに飛ばしてくれるなんて!

 野球観戦がどうして好きかと言われれば、好きなことを全力でやり切る選手やチームが好きで、それを囲む誰かの心が動かされているのが好きだからだ。

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 大谷くんのピッチングをまじまじと見たことはなかった。4回表、気迫溢れるその投球に思わず息を飲む。毎投球にもれる声にびっくりした。なんでもさらっとこなしてしまうイメージがあったからだ。

 疲労も蓄積しているからギアをあげているのもあるだろう。私はそれ以上に、この回は気合いをいれなきゃいけないという気持ちが感じられた。3回ウラ、岡本の3ラン。その流れを止めないのがどれだけ大事か。

  以前、地元の球団である東北楽天ゴールデンイーグルスの早川投手の初登板初勝利の動画を見たことがあった。

 ピンチを迎えたことに対して話しているシーンが特に印象的だった。4回にピンチを迎えたが、その前の回(3回ウラ)の攻撃でチャンスがゲッツーで終わってしまったところ。流れが変わるなと身構えたと話している。

  甲子園を見てもわかるように、野球は流れのスポーツでもある。チャンスは常にピンチをはらんでいるし、ピンチを凌げばチャンスに繋がる。大きな流れは時に力の差を埋める。大谷くんの投球の迫力のように、誰かが作り出した流れはやがて圧倒する力になるからだ。

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 佐々木朗希くんがデッドボールを当ててしまったチェコの選手にお菓子を渡したというハートフルなエピソードも生まれた今大会。

 野球はひとつのスポーツでしかないけれど、相手の文化を知るきっかけにもなる。チェコはアマチュアリーグの選手が主体で、ほとんどの選手がダブルワークをしているらしい。イタリアのベンチにはエスプレッソマシンがあるとか。野球の立ち位置は文化圏によって違う。そういう多様性が見られるから、国際試合は面白い。

 そして同じチームではない、普段は敵対するチームの選手が集まり、戦う侍JAPAN。もうすぐにレギュラーシーズンが始まるのに、各チームの主要選手たちが日本を代表して戦っている。敵同士ではあるけれど、野球が好きという気持ちはどの選手も変わらないのだろう。

 この前まで家族と「またしばらくは野球お預けだね」なんて話していたのに、野球がたくさん見られる季節になってきている。

 日差しが春らしくなり、あたたかい春風が吹く今日この頃。また、球春が訪れる。

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