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はじめに

結婚式場(挙式・披露宴)における「音響照明のオペレーター」の会社に数か月アルバイトとして働いたときの知見を記事にしたいと思います。航空業界を飛び出した私が初めて経験したアルバイトとなります。小学生の時に就職先占いみたいな、向いている仕事みたいな授業で、私に向いているものとして挙げられたのが「パイロット」「銀行員」「結婚式場」だったことを思い出しました。気が付けば、業界に限って言えば全て経験済みなのがちょっと怖いです。

仕事の内容

音響照明のオペレーターとは、例えば私が結婚式(挙式・披露宴)に招待された、いちお客さんだとして、目にする照明・映像、耳にする音楽、その全てのON/OFFと調整を行う仕事を指します。私が居たところでは、使う音源をMDに焼いて結婚式用に頭出しをしたり、音源の編集をして準備していました。

ご夫婦との打ち合わせ

担当者はラジカセを持って打ち合わせに臨みます。「披露宴会場に入場するときは嵐のone loveがいい」「歓談中は私の好きなジャズがいい」というような希望を聞いた上で、曲が流れるシーンを想像してもらうためにこうプレゼンするのです。「(ラジカセで嵐のone loveを流し始める)ここでスポットライトがが入場口に当たって、イントロの最後のちゃ~らららら~ちゃ~らららら~で、つ たーえたっくってーと同じタイミングで扉が開いておふたり入場されるというのはどうでしょう」と。だいたいのご夫婦は「おお~」といいリアクションを取ってくださるわけですが、これを「結婚式のプログラム分ぜんぶ設定」するとなると、希望の多い方で20曲近く会話するわけです。

チームワーク

結婚式って、色んな分野で働いている方が共存し、人力で絶えずサービスしているんです。(ウェディングプランナー、ホールスタッフ、花屋、音響照明ほか)主人公となる「夫婦の結婚式という舞台・演劇」を全うしているような感覚です。前述の「披露宴会場に入場する」ことも、オペレーターが音楽を流し始めたら、会場の外で扉を掴んで待っているホールスタッフにトランシーバーでタイミングを伝えるのです。「音楽流し始めました~スタッフさん、扉解放まで~3、2、1、どうぞ~つ たーえたっくってー」と。想像できますか?裏側は大変で面白いです。

スケジュール

土日祝日に行われるだろう結婚式を1日に2回~3回、ほとんどひとりで熟すことになります。私が居たところには南国、和モダン、西洋風のように披露宴会場が区分されていたので、その分オペレーターが必要でした。おそらく、現時点で読者のあなたが参加する回数以上の結婚式を経験しているものと思います。

他人の人生の大一番

結婚式は文字通りその通りです。参加している人間全員の、一生の思い出となる場所は良いことばかりですが、その分少しでもネガティブな事柄も一生の思い出となります。私の先輩は全員、身も凍る失敗エピソードをお持ちでした。

控室は無い

基本的には常駐する結婚式場に配属される形が多いものと思われます。ウェディングプランナーにはデスクと椅子がある広いオフィスのような控室がありますが、それ以外の分野を担当される方にはちゃんとした控室はありません。私の居たところでオペレーターに分け与えられたのは、「8畳くらいのよく分からない倉庫」で、機材やキャビネットも置かれているため、人が立てるのは2畳分くらい。エアコン無し、窓は30cm×30cmくらいの小さなものがある程度のような倉庫にオペレーター3~4人が詰められていました。

最低賃金

前述の通りにおそらく興味のあった業界だったため、最初の内は我慢するつもりだったと思いますが、その日暮らしのような金額に無理を感じました。派遣登録のアルバイトですらもっと貰える。

2次会なら担当できるかも

オペレーターを辞めて1度だけ、航空業界で一緒に働いた先輩の結婚式の2次会のオペレーターをさせてもらいました。「気負わなくていいから」と声をかけてもらって全うすることができたのは楽しかったですね。

さいごに

当時有限会社だった会社が現在は株式会社になっていたため、景気は悪くないんだろうなと思います。

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