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【解説】竹田青嗣『欲望論』

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現在、英訳プロジェクトが進行中の本書。 世界で読まれるようになれば、おそらく哲学史における「事件」と言われることになるかと思います。 でも、天才は理解されるまでに時間がかかる… もっと読む
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#哲学

【解説】竹田青嗣『欲望論』(1)〜イントロダクション〜

はじめに 「苫野一徳オンラインゼミ」に掲載している「名著紹介・解説」コーナーより、竹田青…

ittokutomano
2年前
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【解説】竹田青嗣『欲望論』(2)〜哲学2500年の根本問題「形而上学的独断論 VS 相対…

1.哲学と普遍戦争 それでは、本書の解説を進めていこう。  序文において、竹田は本書のモ…

ittokutomano
2年前
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【解説】竹田青嗣『欲望論』(3)〜近代哲学は「本体」をどう考えたか

1.カントの「物自体」 近代になって、「本体」の観念はカントの「物自体」の概念によく表さ…

ittokutomano
2年前
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【解説】竹田青嗣『欲望論』(4)〜ニーチェ、フッサールによって、ついに問題の解明…

1.ニーチェによる「本体論」の解体 こうして、ついにニーチェによる「本体論」の解体が哲学…

ittokutomano
2年前
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【解説】竹田青嗣『欲望論』(5)〜フッサール現象学の原理

1.フッサール現象学の原理 形而上学的独断論と、相対主義。  これら双方の対立を完全に終…

ittokutomano
2年前
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【解説】竹田青嗣『欲望論』(6)〜ハイデガーによる現象学の展開と、致命的な後退

1.ハイデガーの功績 前回論じたフッサール現象学を、この後、竹田はさらに鍛え上げていくこ…

ittokutomano
2年前
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【解説】竹田青嗣『欲望論』(7)現代哲学は、結局ふたたび「独断論的形而上学 VS 相対主義」図式に舞い戻ってしまった

1.現代の相対主義 フッサールが終わらせたはずの形而上学的独断論と相対主義の対立は、弟子のハイデガーのカリスマ的な影響力によって、結局、その後の哲学において忘れ去られてしまうことになった。  その結果、いまもなお、ハイデガー的「本体論」と、それに寄生する「相対主義」との対立が、延々と続いてしまっているのだ。  以下では、まずその見取り図を。詳細は、また後で見ていくことにしたいと思う。  まずは、論理実証主義による形而上学的独断論批判を見ていこう。  これはいわゆる「観

【解説】竹田青嗣『欲望論』(9)〜ポストモダン思想の根本問題

1.脱構築 現代哲学において、あいも変わらず続けられている「形而上学的独断論 VS 相対主義…

ittokutomano
2年前
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【解説】竹田青嗣『欲望論』(8)〜言語論的転回の「錯覚」

1.現代の言語哲学 前回は、現代哲学においても、結局変わることなく繰り返されている「形而…

ittokutomano
2年前
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【解説】竹田青嗣『欲望論』(11)〜欲望論の哲学とは何か?

1.現前意識 ここでようやく、フッサール現象学をさらに深化した、竹田青嗣の欲望論哲学の原…

ittokutomano
2年前
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【解説】竹田青嗣『欲望論』(16)〜善悪の起源

1.発生的本質観取 前回は、「母」(養育者の総称)と「子」における「言語ゲーム」について…

ittokutomano
2年前
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【解説】竹田青嗣『欲望論』(17)〜美とは何か?

1.美をめぐる4つの問い 前回、私たちは、「善ー悪」という分節の源泉が「母ー子」の言語ゲ…

ittokutomano
2年前
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