【連載小説】少年時代 後編#42
ポンタははざま君のコーナーキックに頭から突っ込んだ、
試合は1対1、延長戦後半に突入している、
残り時間あとわずか、おそらくこのコーナーキックがラストワンプレーとなるだろう、
『ガツン!』
ポンタの広いオデコに当たったボールはゴールに向かって飛ぶ、
相手チームレスランのさとるがスライディングしてゴールを死守しようとした、
さとるの足に当たったボールはコースが少し変わり、キーパーはキャッチ出来ずそのままゴールネットを揺らした、
『ピッ、ピッ、ピーーーーーッ!!』
ポンタのゴールと同時に審判が試合終了の笛を吹いた、
「やったーー!!」
「勝ったーーー!!」
「全国優勝だーーー!!」
ポンタチームはガッツポーズで飛び上がって喜んでいる、レスランの選手達はその場に崩れ落ちた、
「奈々ー!見てるかーー!オレ達は全国優勝したぞーー!!!」
ポンタはテレビカメラに向かって叫んだ、
すると観客席から一人の女の子がこちらに向かって走って来る、
「ポンター、やったねー、すごかったよーー!!」
「な、奈々っ!なんでここに!!」
「応援に来たんだよ!」
奈々は両手を広げてポンタに駆け寄ってきた、
「奈々!会いたかった!」
ポンタも奈々を受け止めようとした、
奈々がポンタの胸に飛び込もうとした瞬間、奈々はポンタの体をすっと通り抜け消えた、
「奈々、奈々っ、奈々ーーー!!」
ポンタはキョロキョロと見回すが奈々はどこにもいない、
「奈々ーーーーっ!!」
うわっ、と叫んでポンタは飛び起きた、
「ゆ、夢か、、」
はあ、とポンタはベッドでため息をつく、
ポンタは毎日のようにこんな夢を見ていた。
◇
「奈々がサッカーチームに入ったんやて、四国の強いチームらしいで、」
古賀くんが言った、昨夜奈々が電話をかけてきたらしい、
”奈々もがんばってるんだ、オレもがんばらなきゃ、それにしても何でオレには電話くれへんのやろ、、”
ポンタは思った。
つづく
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