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使ってみた。 『連結ドーナツ抜き型』 前編

※ こちらの内容は、ウェブサイト(現在は閉鎖)にて2016年~2019年に掲載したものを再投稿しています。内容等、現在とは異なる部分があります。ご了承ください。

パン屋さん時代に考えたこと、やってみたこと、使ったもの 28.

大丸京都店さんへ出店することが決まり、主力商品の一つをドーナツにすることにした。
試作段階では、amazonで買ったドーナツ用抜き型を使っていたけれど、主力商品である以上オープンすればそれらを量産する必要がある。
まだこの時点では、いまの時代だし何か便利な道具なり機器があるだろうと考えていた。
ところがいつものように何かないかと調べてみてもない。
どれだけ探しても出てくるのは、試作で使ったような抜き型ばかり。
心配になりお世話になっている製パン機器屋さんに訊くと「ありますよ、ドーナツを作る機械。中古でもあると思います」と聞いて安心したのも束の間、ドーナツを作る機械とは、ベイキングパウダーを使用したケーキドーナツを作る機器のことだった。
ディポジッターといって、プリンなどの生地を一定量出すための道具がある。
これと同様の仕組みのものがフライヤーに付いていて、入れた生地を1個分ずつフライヤーの中へ落としてくれるものだった。
ぼくらが作ろうとしているのはイーストドーナツなので、この機器では作れない。

結局、これといった道具や機器が見つからないままオープン日を迎えることになった。
オープン後しばらくは、amazonで買った抜き型2個だけで作っていたドーナツの数、1日1000~1500個。
この抜き型を使ったことのある方ならわかると思うけれど、イーストドーナツはシートにしたパン生地を型で抜くため生地が型の中に入ってしまい、それを取り出すのにも手間が掛かる。
早く何か見つけなければと焦るものの、ネットで探しても機器屋さんに相談してもぼくの想像する連結したドーナツ用抜き型は見つからなかった。

そこでぼくはいつものように、マリー・アントワネットよろしくこう考えた。

「探してもないなら、作ればいいじゃない」

つづく

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