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Buy my Abenomics ! 

10年ほど前、安倍元首相はニューヨーク証券取引所で投資家を前に演説をし、こう言われた。

Buy my Abenomics ! 

アベノミクスは買いだ

これは、「私の経済政策は買いだ」と海外投資家に日本への投資を呼びかけるものだった。

このアベノミクスという言葉自体は、1980年代に米国レーガン大統領による経済政策「レーガノミクス」を摸したものになる。
現在の日本にも通ずる話だと思うので、このレーガノミクスについて少し調べたことを述べておきたい。

レーガン大統領がこの大規模な経済政策を打ち出した背景には、もちろん米国の経済危機があった。
当時の米国はスタグフレーションが起きていたことに加え、「双子の赤字」と呼ばれる財政赤字と貿易赤字を抱える状態だった(らしい)。
ちなみにスタグフレーションは、景気は落ちているのにインフレが進むという状態を指す。もっと平たくいえば、お給料は下がっているのに物価は上がり続けるという最悪な状態のことである。

当時、アホな中学生になったばかりのぼくにとって米国の経済危機など頭の片隅にもなく、懸念する危機といえば他校の生徒に絡まれないか、といった身近なことくらいだった。また記憶に残っている当時のことといえば、レーガン大統領暗殺未遂事件くらいである。

そんなぼくが、今さらながらレーガノミクスを調べてみて、ハッとする。

なんだか、日本と似ているじゃないか

心配だなぁ


日本もすでにスタグフレーションになったという向きもあるけれど、個人的には今のところ「片足を突っ込んだ」くらいの認識でいる。
ぼくがそう思うのは、最近足踏みをしてはいるけれど、それでもかろうじて日本の株式市場が強いことにある。
つまり、今の日本の景気は人によって2つの見方にわかれる。

大企業などに勤め実質賃金が上がっている人や株式投資などで恩恵を享受できている人たちは「景気が良い」と感じ、物価は上がるのに賃金が上がらず困窮している人たちは「景気が悪い」「スタグフレーションだ」と感じる。

まさに二極化であり、格差である。

これも、あれっ、あのときと似てるなぁ、と既視感を覚える人も多いのではないかと思う。

歴史は繰り返される、ということなんだろうなぁ。

そして今後、現状の物価高が続いたまま株式市場まで下がることになると、いよいよスタグフレーションに突入。日本人みんなで一緒に貧しくなりましょう、ということになりかねないと感じている。

つづく

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