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黒塗りさん(仮)

多くの人に喜んでもらえる、受け入れてもらえる文章を書くというのは、その人がそれ以前から著名な人でもないとなかなか難しい。
そうであれば、いっそのこと書くテーマを絞るなり専門性の高い内容にした方が特定の人たちの目に触れ継続して読んでもらえる気もする。

例えば 「商売や経営の話」。
こういったテーマは恐らくそこまで多くの人には届かないけれど、これは専門誌が娯楽雑誌のようには売れないのと同じで仕方がない。

「他人に何かをススメるときにはリスクを孕んでいると思う」といった話を昨日書いたけれど、それを踏まえた上で紹介したいnoteがある。
そう、これを書きたいがために昨日の前振りを書いた。

決して誰からも需要あるものではないけれど、一定の職種、立場の人には恐らく刺さると思う。

「そこらへんの経営者」さん。

匿名でnoteを書かれているのとアイコンが黒塗りなので以下、黒塗りさん(仮)とさせていただく(「そこらへんの経営者」さんだと文字数が多くなる)。

ちなみに、ぼくは黒塗りさんの本名も知らなければお顔も存じ上げていないし、何の会社をされている方なのかさえ知らない。

自己紹介欄には、「日本に「約25000社(約1%)」いると言われている「経常利益4000万」にあと一歩届かない「中の上」程度の会社の経営者」とある。

もっと経常利益の多い会社もあるけれど、日本の中小企業の大半が赤字と言われていることを考えると(これには意図的なカラクリがあったりするのだけど)1%に入る経営者が ”そこらへんの” とも思えないし、優秀な経営者さんに違いない。

どのタイミングからか失念したけれど黒塗りさんは、ぼくの書いたものに「スキ」を押してくれるだけでなく、以前書いた稚拙な経営話をご自身のマガジンにまで入れていただいていた。
またサムネに書かれたタイトルが気になったこともあって拝読すると、これがおもしろい。この ”おもしろい” は、勉強になるという意味のおもしろさ。

この黒塗りさんは40代前半で、「20年ほど前、私も独立開業したばかりの頃」とあるので20代前半で事業をはじめられたことになる。
現在の事業は判然としないけれど、不動産関係を少しされていること、フランチャイジー(加盟店)でありながら、ご自身がフランチャイザー(本部)をされていることも書かれている。
また営業代行を使われていたころの話や接待のコツを書かれているので、営業が重要な事業もされていると推測する。
新規事業としてBtoCを立ち上げられたときの話も出てくるけれど、店舗商売、toCの商売の難しさについても言及されているので、メインとなる事業はやはりBtoBなのだと思う。
また、作り手や職人さんからは出てこないであろう「フェルミ推定」「ペルソナ設定」なんて言葉が登場することからもマーケティングのプロ、コンサルタントかなとも思うし、そうであれば、ぼく的には一番腑に落ちる。

いずれにしても複数の事業をされていて稼ぎ口が多いことからも聡明な人を想像する(やはり、リスクヘッジとしてなのかな)。
そんな黒塗りさんのnoteは、税金のことなども含め経営にまつわる全般的なことを書かれているけれど、どれも経験に基づく実践的な話で理路整然と説明されていて、何より共感を覚えるものが多い。

【わざと赤字にして節税】そんなことしてたら会社は強くならない

【経営の勉強】なんてものは経営を始めないとできない

【経営者向け】借金をする前に考えるべきこと

ごみを拾える人材を大切にしなさい

起業は一人でやりなさい、資本は一人で入れなさい

【一人社長向け】従業員を雇うということ

会社を経営すると税金を通して国の仕組みが分かってくる

【小規模企業共済】知らない、使ってない人なんていないよな?

【インボイス制度】政府の狙い

【電子帳簿保存法】税務調査に貢献するためのDX強制法

オススメのタイトルを挙げようとしたけれどキリがないので経営者の人、経営者になってしまった人は全部読んでみて欲しい。
食べもの屋さんやお店に特化した話ではないけれど、職人さんであっても経営者でもある人にとっては、大切なことがたくさん書かれている。
黒塗りさんは職人ではないだろうけれど、ぼくの考える ”プロ経営者" タイプの方だと思う。
noteをはじめた理由を「好奇心から」と、何処かで書かれていた。こういった人は、いつ止められ読めなくなるかわからないので、いまのうちに一読をお勧めする。

派手なタイトルだけで中身の薄そうなビジネス書や自己啓発本を読むなら、黒塗りさんのnoteを読んだ方が遥かに良い。
ネットの恩恵で、これだけの内容を無料で読めるのは本当に良い時代だし、ぼくが現役のときにこの文章と出会いたかったな、と思う。

「ネットは広大だわ」 草薙素子



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