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空想サンドウィッチュリー 4.

※こちらの内容は、ウェブサイト(現在は閉鎖)にて2016年~2019年に掲載したものを再投稿しています。内容等、現在とは異なる部分があります。ご了承ください。

昨日、埼玉県の久伊豆神社さんまで行き、吹雪の中強行してきた「空想サンドウィッチュリー」のロケ。
池田さん率いるチーム・パンラボとぼくによる、いい歳をした大人が非効率で特に意味もないバカげたことを真剣にやるというこの企画。
大人の事情などで紆余曲折ありながら3年近くもやっているけれど、ついに最終回となり今回のお題は「駅舎」につづき、ぼく自身がリクエストをすることになった。

「やはり最終回は、おせちしかないでしょ」

過去のお題からわかるように超マイペースな池田さんの突飛なお題にこれまで随分と悩まされてきたけれど、今回は自分が言い出したものなので文句も言えない。

しかしぼくは子供のころから極端なまでに好き嫌いが多かったため和食を美味しいと思って食べれるようになったのも35歳を過ぎてからという偏食ぶり。
そんなぼくが日持ちさせることを前提に味付けや調理されているおせちを美味しいと思うはずもなく、この歳までおせちを口にした記憶もほとんどなかった。
そこで、おせち とは何ぞや?というところから調べていくうちに思うことがあった。

最近、よく見かけるようになったフレンチやイタリアンのシェフが手がけられる洋風おせちというもの。
オリーブやパテ、サーモン、フォアグラを使用したものまであったりと豪華で美味しいのも間違いないけれど、おせちの概念から完全に離れてしまっていて、おせちというよりもオードブル詰め合わせ、あるいはご馳走詰め合わせに思えてくる。
それが良い悪いということではないし、もしこの先ぼくがおせちを商品として作ることがあるならやはり同じように洋風おせちを作るとも思う。
伝統的であっても甘過ぎる料理や火を通し過ぎたような料理、美味しいとは思えない食材を使用してまで定番のおせちを作ろうと思わなければ、新年からそれを食べたいともぼくは思わないし、それならやはり洋風おせちの方がいい。

しかし、この企画は書籍化を目的とされたものだと考えると、おせちという言葉で掲載される以上、可能な限り使用される食材の意味に沿ったものになるようにしたいと考えた。
ただし企画名からもわかるようにこのお弁当は、すべてでないにしても サンドイッチとしての体を成すものという制約がある。
そこでまずぼくが決めたのは、定番のおせちに使用される食材をなるべく使用すること。これだと縁起であるとか由来といったものからかけ離れることもなくなる。それからできる限り味の部分で西洋のものに近づけること。
そして3つめは、写真で掲載されるものなので誰が見てもそれがおせちをモチーフとしたものだと一見してわかるようにすること。
この3つを自分に課して作ってみた。

誰も作ろうとは思わないだろうけれど・・・
詳しい作り方は、来年の2月ごろに刊行される予定の書籍をご覧ください。

しかし寒かったなぁ…


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