青は藍より出でて藍より青し
「そもそも創業者は、本当にそれほどまで有能なのか」
あくまでもこれは私見だけれど、結論から述べれば「そんなわけないwww」と思っている。
ぼくが経営をしていたとき、最終的には全店舗のスタッフ(パートさんも含む)を合わせると200名近くまでになっていた。
これだけの人たちがいて、創業者というだけでぼくが一番有能だなんてことがあるはずもない。特に新宿時代からのスタッフは技術、知識、才能、いずれもぼくより優れた人たちがいたし、その中にはまだ20代半ばだった子もいる。
「青は藍より出でて藍より青し」という諺は、まさにそんなスタッフとぼくのことだった。
無論、ぼくがそうだからといって創業者みんながそうかと言えば、それもまたそんなわけもなく、中には創業者でありながらそのまま経営者としても高い能力を発揮されている人もおられる。
ただ、創業者はリスクを取ってお店や事業を立ち上げ 0→1 を創り出した人なのでその功績は間違いないけれど、だからといって会社を維持継続、何よりも発展させていく能力が他の人たちより秀でているとは限らない。
会社を発展させる(1→10)という意味では、その後に社長やトップになった人の方が能力が高いケースもきっと多い。
また創業者は〇〇イズムと崇められることが多いけれど、それは会社が長く続けば社長が何代と変わることはあっても創業者は起業した人に限定される呼称なので、その後、現れる人がどれだけ有能でどれだけ結果を残しても「その会社においては、創業者にはなり得ない」というだけのことに過ぎない。
実際、世の中の大半の創業者は少し先見の明があったり、時代や運が味方したとか、リスクを恐れず挑戦した結果上手くいったという程度のことで、高尚な理念などは後付けに過ぎない人がほとんどだと思う。
歴史ある会社や稲盛イズムのように誰もが認める偉大な功績を残した人ならともかく、ぼくのやってきた程度のことをイズムと形容されるにはおこがましく、継承するほどのものでもない。
創業者の〇〇イズムを会社のスローガンにすれば、会社の理念や価値観、方向性などを共有しやすいといった便利で良い面もあるけれど、一方でそれがもたらす負の側面もあるとぼくは思っている。
つづく
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