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万城目さん、直木賞おめでとうございます
『八月の御所グラウンド』で、万城目さんがついに直木賞を受賞された。
自分のことのように嬉しい。
早速、受賞者記者会見も拝見した。
さすがに少し緊張気味な表情をされていたけれど、質疑応答はいつもの万城目節でおもしろかった。
受賞作『八月の御所グラウンド』は、表題のものと『十二月の都大路上下ル』の中編二作からなる、どちらも京都を舞台にした物語。
2年ほど前、本作の取材で万城目さんが京都へ来られ、イノダコーヒさんで久しぶりにランチをご一緒させていただいた。
![](https://assets.st-note.com/img/1705524846159-H84XNnsAuk.jpg?width=1200)
ぼくは、そのときに本作の構想を聴かせていただいていたので、いつもの「万城目ワールド」を想像し、刊行されるのを楽しみにしていた。
ところが完成した作品を拝読すると、良い意味で想像を裏切られることになった。
会見では、ご自身の作風を野球のスライダーとストレートに例えて話されていたけれど、以前ご一緒した際には「飲みもの」と「固い食べもの」に例えられていた。
「そういえば、今回の作品は明らかにトーンが違った気がしたんですが」
すると間髪入れずに「飲みものなんです」。
ファンの方ならおわかりになると思うけれど、万城目さんは「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」や「パーマネント神喜劇」を ”飲みもの” に、前作の「バベル九朔」を ”固い食べもの” に例えられる。
今回の作品をぼくは飲みものだと思っているけれど、それはそれは上質な飲みものだった。
きっと心に沁みる物語だと思うので、多くの方に是非読んでいただきたいと思う。
これほど大きな賞を受賞され、万城目さんを取り巻く状況や忙しさは相当変わるだろうけれど、きっとご本人は、まったく変わらずこれからも気さくでおもしろく、自然体な方のままだと思う。
万城目さん、直木賞受賞、本当におめでとうございます!
ちなみに、『八月の御所グラウンド』発売日は、奇しくもぼくの誕生日だった。
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