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息子と見た映画ドラえもん

当然と言えば当然であるが、息子が小さい頃から、映画を観る時はいつも一緒だった。
息子が初めて観た映画はキョウリュウジャー。どハマりしていたので、連れてってみたらあっさり映画デビューしたという。
戦隊モノやクレヨンしんちゃん、ドラえもんは毎年同じくらいの時期にあり、息子はとても楽しみにしていた。

息子の年齢が上がると、それが妖怪ウォッチやポケモンへと変わり、いつの間にかそれも卒業してしまうと、2人で映画を観に行く機会も減ってしまった。

そしてとうとう
「他に何か見たいのあれば、そっち見ていいよ」
「友達とハイキュー!見てくるね」
と言われてしまい、そうだよなー成長したんだもんなーと思いつつ、ちょっとした寂しさも抱えていた。

そんな時に目に止まったのが「映画ドラえもん のび太の地球交響楽」だった。
なんとなく、だった。私も息子も観たい!と意見があった。

ポップコーンを買い、何の前情報も入れないまま2人で席につく。上映前のまだ明るい館内で、入場の時にもらった冊子を読んで上映開始を待つ。公開されてから1ヶ月近く経っていたが、席には祖父母と訪れた子ども達や、親子連れなどまだまだ多くの人が観にきていた。

以下、内容に触れています。公開から時間経ってますが、読みたくない方はご注意を。














まあ、毎度のことながら泣きましたね(;;)
"少しだけ不思議な 普段のお話"なのに、どこでもドアの向こうで広がるSFの世界。
今回は「交響楽」とタイトルにある通り、音楽が響くこと、これが重要ポイントだったと思う。
のび太くんたちのリコーダーから、最後の「地球交響楽」という曲の演奏まで、プロが演奏していて、その音響を映画館で聞けるもんだから、そりゃまあ本当に心に響く!ありきたりな言葉しか出てこないのが悔しいけれど!!
エンディング見ながら、クレジット見て、その奏者の名前の多さに驚いたし、葉加瀬太郎さんの名前もあって「なるほどなぁ!」って思った。

ストーリーも、入場特典の冊子を読んでから観たもんだから、冊子に出てきたひみつ道具、そして序盤から張り巡らされた伏線たちが結びついていく瞬間が分かるのが楽しく「あ、これは…」と思わず言っちゃうくらい。もちろん自制したよ(笑)

のび太の書いた「音楽がなくなった」が本当になっちゃった世界の、なんともギスギスした不気味な感じ。そして、終盤の宇宙に投げ出されたのび太が感じた「無音」の世界の恐怖。思わず息を飲んでしまった。息子もポップコーンを食べる手が止まっていた。

先程、この映画の重要ポイントは「音楽」だと言ったけれども、映画の中では音楽の始まりは白鳥の骨で作った笛が奏でる音で。
とあるシーンを見て、私が好きな星野源さんの「Pop Virus」という曲の歌詞が浮かぶところがあったのね。

"始まりは炎や棒切れではなく 音楽だった"

まさにそんなシーン、ストーリーじゃない?って思ったけどこれ分かってくれる人居るかな(笑)

その、「音楽の始まり」である笛の音色を含めた、あの圧巻の演奏で「音楽の未来」を守った。みんなの演奏で、地球から音楽がなくなることが阻止され、日常に音楽が戻っていくシーンがまたじわじわと良くて、胸の奥底でぶわぁーっと感情の源泉が湧き出してくるような感覚。伝わりづらいね(笑)

包丁で野菜を刻む時の音、お母さんが我が子に歌う子守唄、ラジオから聞こえる歌声。本当に世の中にはたくさんたくさん音楽があって、大袈裟なんかではなく、私たちは満たされているし生かされているんだなーと改めて思ったし、日々新しい音楽を摂取出来ていることにも感謝したいなと思った。

映画館を出て、車に乗り込み
「いやぁーおもしろかったねぇ」
「おもしろかったねぇ」
語彙力のない親子の感想が、交響楽のように車内に響いた。並んで座る映画館、いい時間だったね。
「来年のも面白そうだったね」
息子は言った。来年の今頃は息子は高校生。
並んでドラえもんの映画を観ることはないかもな、と思ったらまた寂しくなったけど、もしかしたらドラえもんが親子で見た最後の映画になるとしたら、これ以上に嬉しいことはない。
忘れないうちに5年日記にチケットを貼り、記録した。

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