園長がバイトに謝る保育園
10年ぶりに働くということをやりまして、新しい職場がとても楽しいです。
娘がちょっとだけ通っていた保育園で、メインの先生の補助の仕事をしています。アメリカの現地の保育園です。
なので先生たち、子どもたちの一部は既に知り合いだったりします。
教室の掃除をしたり、果物をむいておやつの時間に出したり、近くの公園まで引率したり、子どもたちに本を読んだり(なぜノンネイティブの私がネイティブの子どもたちに本を読んでいるのかは謎)、子どもたちと外で遊んだり、色んなことをやっています。
私が雑用をやれば、その分メインの先生の目が子どもたちに行き届きます。
メインの先生の子どもへの接し方を横目で盗みつつ、色んな用事をテキパキこなそうとしています。
先日、園長から謝られたことがあって驚いたのでその体験を書こうと思います。
といっても私が何かされたわけではないんです。
私が担当するクラスは、先生に対して生徒が少し多めで、先生たちはてんてこ舞いです。
そんな中、よく癇癪を起こす男の子(Aくん)がいて、Aくんの対応をしているうちに他の子が放置…みたいになることが時々ありました。
かなり自分がやりたいことがハッキリしており(英語ではindependentと言われています)、自分の思い通りにならないと癇癪を起こしてしまいます。
そんな彼がまた先生の静止を振り切って逃げようとしました。人手が足りないので園長まで総動員です。
園長は警告しました。
「その滑り台から降りたら、あなたは遊びにはもう参加できない。一人で座ってみんなの遊ぶのを見てるしかなくなるよ!それでも滑り台したいの?」
「したい…」
「それなら降りるがいいわ!」
そこで顔色を変えた園長がAくんをちょっと引っ張ったんです。
普段全くそんなことをしない園長なので、私は少し驚きました。
私と目が合った園長、ハッとした顔をして私に言ったんです。
「ごめんなさい。少しカッとなってしまった。
あの子に私たちは手を焼いている。あの子には助けが必要だ。
でも私たちもいつも余裕があるわけではない。
もし私が少し乱暴なことをやってしまったら、良くないですよと諭してほしい。
あなたに注意されても私は怒ったりしない。
私たちはチームだ、お互いに注意しあって助け合おう。」
私はカッコいい上司だなあと思いました。
園長先生が入ったばっかりのバイトの先生に謝らないといけない義理はないです。
できないことの方が多いですし。
だから謝られたときもポカンとしてしまいました。
でも今の私でも冷静な第三者の目にはなりうるし、雑用はできるわけです。
それを冷静に判断して、こんな声かけを瞬時にできるってスゴいなあ…と思ってしまいました。
もちろん園長がやったことは良くないことです。
子育て中の親御さん、子どもにカッとなる瞬間って絶対ありますよね。
それは保育園の現場の先生も同じです。
その瞬間をいかに乗り切るか。
チームで乗り切る。
健全に注意しあう。
できないことも多いけど、自分のできることを自覚しながら仕事をしようという気になりました。
「保育園の先生になってみたシリーズ」、しばらく続きます。
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