見出し画像

選んでこの国に来たアメリカ、選んでないけどみんな繋がっている日本

移民用のクラスでアメリカの歴史について学んでいます。
建国が約250年前なので(1783年)、日本で歴史を学んだ私としては「えー!この国では日本の縄文時代〜江戸時代中期くらいまではなかったことになってるのかぁ!」というのが最初の驚きでした。
「奈良の大仏」も「いい国つくろう鎌倉幕府」も「お茶室と千利休」もこの国にはありません。

一度ご近所のおじさんに「日本って中国と戦争して勝ったんでしょ?(1894年の日清戦争のこと)強いんでしょ?」と言われ、「いやあのときはたまたま勝ったけど歴史的にはずーーーっと中国の顔色を伺っている時代の方が長いんだよ…」と答えました。
アメリカ人にとって日本は日清戦争から。



さてそんなアメリカの歴史は巡礼者Pilgrimsがイギリス王政の横暴に耐えかねて船路でマサチューセッツに到着するところから始まります。
面白いのは国の始まりから「契約」「誓約」が出てくることです。
イギリスで1200年代に制定されたマグナカルタ(王の権利を制限する法)、メイフラワー号に乗ったPilgrimsたちが自分たちで作ったルール「メイフラワー誓約」など。
それも弁護士がそういった文面を書いているんです。
国の始まりから弁護士が活躍、ってすごくないですか?
契約社会のアングロサクソン文化を象徴した出来事のように私には感じられました。


船の衛生状態は悪く、アメリカに着いたのが11月と冬だったこともありPilgrimsの半数近くが病気や飢えで亡くなりました。
イギリスとケンカをしてアメリカに来ているわけですし、戻るという選択肢はおそらくなかったはず。
移動するだけで半分くらいの人間が死んだわけですから。
アメリカでどうにか生き延びるしかないわけです。
そんな犠牲を払いながら、イギリスからのちょっかいにも負けずついに独立を勝ち取ります。
「もうこれ以上誰かの好きにさせないぞ!ルールは自分たちで作る!」という気概をすごく感じました。

そして作られるアメリカ合衆国憲法、そしてその前文(Preamble)。
またルールを作りました。
前文、と言われるとやはり「日本国憲法 前文」を思い出さずにはいられません。テストに出るから覚えて!と言われたアレですね。
日本の「憲法前文」に比べるとアメリカの「憲法前文」はとにかく短い!分かりやすい!
憲法で大事なのは王様じゃない、大統領や議員でもない、We The People=国民 
だけ!覚えて!で終わり。
カントリー調の歌まで作っちゃって、「これで前文覚えてね〜」はアメリカでも同じのようです。

日本の歴史も振り返りましょう。
ナウマンゾウがいた時代を軽く勉強したあと、人間が出てくるのは縄文時代から。
島国なので海の外からやってくる人はとても限られており、特別な人でした。
大国中国からの使者。返礼品を持っていく日本からの使者。
フランシスコ・ザビエルのようなキリスト教宣教師や、偶然日本に流れ着いたジョン万次郎など。


99%の人は日本で生まれて、日本で子供を育てて日本で死んでいく…という感覚を持った人は私だけではないと思います。
日本に生まれよう!子ども育てよう!と思って日本の外から来た昔の人って想像しにくいですよね。


男装をして戦った静御前、暴君のイメージもあるが新しい技術にも興味があった織田信長、太平洋戦争の最後の元帥である東条英機。
共感できる人物もそうでない人物もいるかもしれないけれど、同じ日本人、仲間な感覚が私にはあります。
だってみんなきっと遡れば「血が繋がっている」から。



アメリカは「血が繋がっている」感覚はないですね。
(イギリス)王室とか血筋を否定して生まれた国です。
だから色んな人が集まってできた国で常識もバラバラだけど、自由を求めてこの国に来たという理念だけは共有している。
この理念が崩れたら国としてのまとまりを失う…ということが分かっているからこそ、アメリカは自由にこだわるのかもしれない…と思いました。
「自由な方がいい」ではなく「自由を無くしたら死んでしまう」、
それだけ犠牲を払いながら得た自由の価値を信じているというか。


ただアメリカの歴史を学んだ感想を書いただけなのですが、私の感覚が日本人として一般的かは分からないです。
日本に住んでいたときには感じたことがなかった感覚だったので書きとめておくことにしました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?