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ヨガとマインドフルネスの違い~軛か錨か~

ヨガとマインドフルネスの違いをご存知でしょうか。
両者ともなんとなく健康に良さそうというイメージがありながら
おそらく多くの方が違いって分かっていないのかなと思います。
どっちも精神統一的な要素がありそう、という感じ。

ヨガとマインドフルネスで一番大きく違う点は
呼吸におけるスタンスです。

▶ヨガは軛(くびき)、マインドフルネスは錨(いかり)

両者とも呼吸に意識を向けていくのですが

ヨガは軛(くびき)
マインドフルネスは錨(いかり)

です。

軛(くびき)は牛をコントロールするためにつないでおくコレ↓

錨(いかり)は船がどこかに流されないようにするコレ↓


ひとつずつ説明していきましょう。

▶ヨガでは「呼吸=自分を映す鏡」

ヨガとはもともとサンスクリット語で軛(くびき)という意味のヨージャが語源です。

心とは暴れ牛のようなもの。
だからこそ、自分でその心を乗りこなす術を身に着けましょう。
その心を乗りこなす術こそ、「呼吸」である、とヨガは説きます。

つまり、ヨガでは呼吸は自分自身、自分を映す鏡です。
だから、こんなアクロバットなポーズや身体が緊張しやすいポーズでも

呼吸を乱さないようにしていきます。
こんな状況下で冷静な呼吸が保てていたら心や穏やかですよね。

呼吸を常に乱さない練習を行うことで自分を鍛えていきます。

ちなみにヨガは八支則という段階があります。
サマディーという三位一体となった悟りの状態を目指すために設けられたステップです。


ヨガの八支則


私たちが一般にヨガと言っているのは
三段階目のAsana(アーサナ)と呼ばれる瞑想のためのポーズの段階で
ここで自分の坐法や背骨をととえた状態を作り
その後四段階目のPranayama(プラナヤーマ)呼吸法に移ります。

そう、この四段階目がポイントで、ヨガには呼吸法があるんです

ここ大事です。

呼吸=自分なので、ヨガは呼吸をコントロールしていきます。
(最終的には全てを手放しコントロールしない境地まで目指しますが、それまでは呼吸のコントロールに集中を注ぎます。)

具体的には
勝利の呼吸法といわれるウジャイ呼吸や
火の呼吸といわれるカパラバティ呼吸法、
片鼻ずつ呼吸するナーディ・ショーダナ呼吸法、
体から熱を逃がすシータリー呼吸
などがあります。

ナーディ・ショーダナ呼吸法

これがヨガで呼吸を重要視する理由です。

▶マインドフルネスでは「呼吸=イマココに気づく目印」

マインドフルネスも最初は呼吸に意識を向けていきます。
では、ヨガとどう違うのでしょうか。

日本マインドフルネス学会によるマインドフルネスの定義は

今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること

です。

前回のヨガと違って、これは状態であり目的にもなりますよね。
ヨガはサマディ―(三位一体)を目指しますが
マインドフルネスはマインドフルになる状態を目指すので、この一文で完結します。

ここら辺の話は今回はおいておいて、つまりマインドフルネスにとって呼吸は目印です。

「今この瞬間に気づきましょう。」
「思考に流されないようにしましょう。」

といっても、私たちはそれに気づくことが出来ません。
しかし、目印があればそれに意識を向けていないことに気づけます。

私たちの頭というのはすぐにフヨフヨと過去や未来にさまようので
呼吸はイマココに引き戻すための錨となります。

さ迷う心をひきとどめておく

逆をいうと、イマココに戻ってくれば呼吸でなくてもいいんです。

食事瞑想(マインドフル・イーティング)は舌先と胃の底です。呼吸の変わりに、食べている最中にイマココ(体験している味や身体の満足感)に引き戻す目印の役割があります。

▶ヨガには呼吸法があるが、マインドフルネスには呼吸法がない


なので、マインドフルネスには呼吸法はありません。

呼吸を整える、というプロセスはありますが
横隔膜をコントロールしたり、
「このような呼吸じゃないといけない!」
というものではなく、ただ今の呼吸に意識を向けていればOK。

なので、浅い呼吸でもOKです。
むしろマインドフルネスは「ただ観る」ので
「いけない!浅い呼吸をしていたので深い呼吸をしなければ!(=ジャッジ)」
は手放します。

もちろん、呼吸に意識を向けるだけでリラックス効果が得られたり
自律神経が整ったりするので
現代の方にとってはそれも重要な目的だとすると
呼吸に意識を向けるのは大事なんですが!

というわけで、ヨガとマインドフルネスのどちらが自分に合っているかと悩む場合は、両者の違いを意識したうえで取り組んでみてください(´ω`)

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