もう冷たい牛乳は飲まない

私は昔から、とにかくお腹が弱い。

特に緊張に弱く、発表会だったり遠足だったり、試験の前だったりは確実にお腹を壊してトイレに篭る。
ずっとお腹がキリキリするタイプで、長時間トイレに篭りっきりになるため、我が家ではトイレに向かって「生きとるかー!」と声を上げるのがイベント前の恒例だった。

実家から離れ、22歳になった今でも、私はトイレに篭っている。誰かに生存確認してほしい。生きとるかー。生きてるよー。

先日、ある人に会う前、超絶楽しみにしていたために案の定とてもお腹が痛くなった。その日は痛いだけでトイレに篭りたくなる部類ではなかった。待ち合わせ場所に着き、立って待つ。
待てば待つほど気持ちが高まって、お腹の痛みも高まる。痛みに耐えかねて、しゃがんだ。
暫くするとその人が来て、大丈夫?と心配した。ちょっとお腹が痛くてでも大丈夫です緊張するとよくなって、と、私は何の気なく言ったが、その人はお腹痛くさせてしまう関係なんだなと少し困った顔で笑った。

私は牛乳でもお腹を壊す。
ただ、温かければ痛くならない。
冷たい牛乳は好きなのだけれど、どうしてもお腹を壊す。でもそれは冷たい牛乳のせいなのかな。お腹が弱い私のせいにされても悲しいんだけれど。

彼と、冷たい牛乳。
好きだけどお腹が痛くなる。

お腹を壊しても飲めるかな。
それともお腹を壊さなくなれるかな。
それともあちらが温まってくれるのかしら。

今、私は丁度冷たい牛乳を飲んでお腹を壊している。そんな今の私は、

もう冷たい牛乳は飲みたくない、と思った。