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アジア日記#10【わたしの行方は心が知っている。心がわたしの予定表。】


右へ左へと体を揺らされること、3時間。
762個のカーブを経て、チェンマイからパーイへ。

そんなパーイでの滞在は2日間の予定でやってきた。


ヤスミーナもラリッサもこの街が大好きのよう。

すごい独特な雰囲気が漂うこの街。

ヒッピーの街って聞いてたけど、本当だった。

個性的な人を多く見かける。

観光客だけでなく、現地人もすごくユニーク。

ヒッピーと聞けば想像する、あれ。

そう、ドレッドヘアーのそれ。

街を裸足で歩く人も。
(まぁそれは観光客なんだけど)


すごく美しい街。

人がすごく優しい。

ご飯も安いし、美味しい。

ショッピングも楽しい。
値引きとかはしてくれないけど、物のクオリティーが高い。 (あぁ。あのスカーフやっぱり買っておけばよかったなぁ。)

何も買わずにお店の中を見て回るだけでも嫌な顔ひとつされない。「こっぷんかぁ〜(ありがとう)」そう言って見送ってくれる、ステキな人たち。


すごくステキな街なんだけど。
お友達と楽しい時間を過ごしているけど。

なぜかわたしは、この街に降り立ったときに「あ、なんか違うかも」そう感じた。

わたしはこういう感覚をすごく大切にしている。目に見えない、耳で聞こえないけど、確かにわたしの中に語りかけるこのメッセージ。


当初の予定の2日間が過ぎようとしていた。ふたりはこの街をすっかり気に入っていたので、延泊することに。

ふたりに「Please?(お願い、一緒に延泊しよ?)」そう言われていた。

「ふたりと一緒にいたいけど、果たしてこの街に残るべきなのだろうか?」

すごく迷っていたけど、結局もう1日延泊することにした。

翌日、ふたりはまた延泊することを決めた。
(ヤスミーナはパーイが大好きで結局2週間ぐらい滞在していた)


わたしは、やっぱり心のどこかではチェンマイの街に帰りたかった。


そして、ハンスに会いたかった。彼がドイツに帰る前に。


そんなわたしは、頭の声を無視して、心の声に従がった。


バスがわたしの宿へ。

ゲストハウスでお友達になったみんなが門まで見送りに来てくれた。

大好きなふたりとハグをして、バスの中へ。


ひとり、街を離れる寂しさなんて全くなくて、むしろ心の声にただ従って行動する自分に対してすごく清らかな気分だった。


バスに乗り込み、再び右へ左へ。


途中の休憩所。

今回はもちろん、ひとり。
3人で過ごした楽しい時間が少し恋しくなる。


少しの休憩時間が終わり、またバスの中へ。


あと少しだ。


待っててね、チェンマイ。



た す く。

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