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知らないと損する学生のゲームルールの変化について

子供の頃いろんな大人から「勉強しなさい」と言われてきました。それに対し「どうして?」と問う私に大人たちがかける言葉は「当たり前だから」。その説明に私は納得できず、よって勉強せず、テストの点数も通知表の評価もいつもひどい有様でした。


どれくらいひどかったかと言いますと、塾に通わせてもらいながら、0点の答案を3度頂くほど。高校の数学のテストの話です。


ここまで聞くと意外に思われるかもしれませんが、そんな私も会社員となってからは営業で表彰して頂いたり、若いうちからマネジメントをさせて頂いたり、なにより信頼し合えるお客様(取引先)や仲間ができたりと大満足なキャリアを歩んでおります。
とはいえ、社会人としても最初はかなりのポンコツでした。しかし、同じ劣等生でも学生の頃とは違ってあっという間に評価を変えることができたのです。


なぜか?
それができたのは会社員と学生で必要な能力が違うからだと考えています。(経営者や理系学生、超一流文系はこの限りではない)

使えない社員だった私

私は偏差値45程の大東文化大学経済学部から記念受験(大手のため受からないと思ったが受かった)でソフトバンク株式会社に入社しました。

同期はMARCHから東大、海外の大学を卒業した人が大半で、入社前は大学名を気してませんでしたが、新卒向けの研修からロジカルに考える力や伝える力において周囲の能力の高さを感じ始めました。

私はできないのに率先してやりたがる性格でしたので、新規事業を考えチームでプレゼンする場でプレゼンする役を買って出て、恥ずかしい思いをしたのを鮮明に覚えてます。つまり、基礎スキルで劣っていました。

私の劣等具合はさらに続きます。

新卒研修後に営業組織へ配属されました。私は希望通り営業職でしたが、当時のエルダー(教育担当)にも、「お前、知ってるか?鶏は3歩で物を忘れるらしいぞ。頭小さいからな。お前は鶏か!!!(激怒で)」と胸ぐら掴まれて怒られてたのを昨日のように覚えてます。(Zさん、今となっては良い思い出ですw)

課長にも、毎週の課会でブチギレられてたのを覚えてえます。(KZYさん、今となっては良い思い出ですw この間は御馳走さまでした!)

図解するとこんなイメージで、(どんな会社にも幅はあると思いますが)ソフトバンクで働いている人にはレベルの幅があって、私は営業職の最下層にいたと思います。

私の当時の仕事は、営業とは言ってもエクセルで分析し、パワポに落として商談資料や社内報告資料を作り、提案・報告する連続で、週の半分はエクセルとパワポとにらめっこする仕事でした。

私はエクセルもパワポも(研修だけでは追いつかず)ダメで、「なんでエクセルは四角のますに区切ってあんの?メモし辛いじゃん。」くらいのレベルでした。

エクセルもできない、パワポもできない、商談はもってのほか。私は業務を行う権利すらありませんでした。取引先やチームメンバーに貢献できずお荷物になっていることを感じ、情けなさを感じてました。

とにかく何か一つでもできるようになりたくて、土日を使って自腹でパソコン教室のアビバへ申込み、まずはエクセルを死ぬ気で学びました。(アビバは、授業90分の授業の前半15分をタイピングに当てられるんですが、そんなのいいからエクセル基礎・ピボット・vlookupを教えてくれ!って懇願して応えてくれたアビバは今となっては神です。)

3ヶ月ほどアビバに通い、「〇〇のエクセル業務やっといて」をこなせるようになった頃、取引先のデータ加工までするようになって、アビ山さんっていうIdentityまでいただきました(組長あざす。)

それでも他のチームメンバーの1/10の貢献なので、週末友人と遊ぶ気にもなれず毎週なんでもいいのでとにかく本を読みました。マーケティング、経営、経済、自己啓発、とにかく本を読みました。

仕事に振り回されてた。仕事を振り回すようになった。

とにかくチームや取引先の役に立つために、エクセルやパワポの業務を方々から引き受けました。それまでチームのお荷物だった自分が1mmでもチームに貢献できた瞬間です。私はここにいて良いんだと思えるようになりました。しかし、成果は出ませんでした。(=評価されませんので、課長さんからはブチギレられ続けました。)

なぜ成果にはならないのか。

この営業組織の評価軸(評価の物差し)は、契約件数(=お客様を自社プロダクトを通して幸せにした件数)を1件でも多く作ることです。エクセルやパワポでチームメンバーへ貢献することではありません。チームメンバーへ貢献することも大事ですが、本質的に貢献のゴールが違うので、営業組織の評価軸(評価の物差し)では評価できません。なので評価もされません。(評価の物差しが"チームへの貢献"とかやったら評価されてたと思う)

ただ、以前より貢献できた意識はあったので、冷静に成果に対してどのように進むかを計画(何をやらないか)し、実行していきました。

チームへ貢献するための行動と、契約件数を1件獲得するための行動は、目的と手段が違います。チームのメンバーに貢献する目的であれば、1つでも仲間の業務を引き受けて実現してあげること。契約件数を1件獲得する目的であれば、(後で分かったが)〇〇したら契約件数を1件獲得できるのではないかという仮説をたて、実行検証を繰り返し、成果が出るまで失敗を恐れずチャレンジし続けること。

よって、正しい目的に向けたPDCAを回し続けました。これが、私が仕事を振り回せるようになった瞬間です。

余談ですが、目的と手段を間違えない能力はとても大事です。長期的な目的(仮に目的地)のためにある手段としての目的(A~D)とその手段(a~d)。前述のエクセルやパワポの貢献は手段aに過ぎません。大きな成果(目的地)は複数の目的(目的A~D等)を達成して始めて到達できます。簡単に達成できるなら、みんな達成できるので、達成価値が相対的になくなりますからね。
※詳しくはまた別のnoteで。

結果はついてきた。

目的を正しくセットした後は、仮説を立てて、実行して、検証して、また仮説を立てて。。。と、挑戦と失敗の繰り返しでした。
この時の失敗を失敗と認識せず、成功のプロセスだと思ってなんの躊躇もなく挑戦し続けました。

結果、全社でも上位に当たる表彰を頂けました。

学力は会社員の能力には直結しない

長々と私の入社してから4年間について書いてしまいましたが、私は会社員と学生で必要な能力は違うと考えてます。

私は学生としては学力を高めることができませんでしたが、会社員としては満足のいくパフォーマンスを出すことができました。

私の入社4年目までの経験で、(ありきたりですが)能力に関して分かったことがあります。

・学生の勉強できる=仕事ができるではない
・目的を正しくセットするの大事
・目的到達まで走り続けられるって大事
・仕事に必要な勉強を他人よりできるって大事
・仕事ができるって特別な能力はいらない
・などなど

ということで、私が学んできた経済学は1mmも使いませんでした。
(ただし、大学受験の時に身につけた勉強する習慣や、勉強の仕方、読書習慣などは社会人になった後の礎となりました。)

学生と社会人のゲームのルールが違うチャンス

前章までで見てきたように、学生のルールと社会人のルールは異なります。社会人になった途端、ガラッと変わってしまう。このゲームのルールが変わる時が理系や最上位の大学を除く大学生学歴を持たない人(以降"まぁまぁな人"と呼びます)にとっては大きなチャンスです。

小学校から大学までは、学力という物差しの中で評価されてきたのに、会社員になると学力のレベルは評価と関係なくなります。つまり、物差しが会社員の物差しに変わるため、入社時はほとんどの人のスタートラインが一緒であり、ほぼ同時スタートであるということです。学力は圧倒的に劣っていても会社員の能力はほぼみんな0からスタートなのです。

余談ですが、このチャンスは海外にはありません。海外は学力の延長で大学(専攻)を決め、専攻の延長で就職先が決まるので、私が仮に海外で育っていたら、今の給料や働き方は手にできていません。(それはそれで幸せに生きてるとは思いいますが)

しかしながらここ数年、フライングスタートをする人が増えてきました。それは長期インターン制度です。昨年1年間インターン行った専門学生とインターン経験がない大学生とプロジェクトを回す機会があったのですが、長期インターン経験者は仕事の回し方が格段にうまかったです。

100メートル競走で先に走り出すと有利なように、会社員のゲームのルールの中で、先にスタートを切った方が有利なわけです。(フライングスタートにならないインターンもあります。教育してくれる会社員がいない例や、「新規事業を考えよう!」なインターン生のためのインターンとかはフライングスタートにはならないと思います。)

つまり、学生と社会人のゲームのルールが違うチャンスとは、新しい競走環境(新しいゲームのルール)で、他の人より有利にスタートできる機会であるということです。(このnoteで言いたいことはここ)

多くの企業はフライングスタート欲しいと思ってる

まぁまぁな人たちは学生時代に何もしなくってもおそらく川の流れのように就活してどこかしらの企業に流れていきます。そこから企業が何をするかっていうと会社員のゲームのルールを0から教えるわけです。前述した私のように罵倒を浴びせられながら。そりゃ会社は月に何十万円もまぁまぁな人へ給料をし払ってるわけで、チームなりお客様なりに貢献してもらわないと困るわけなんですが、まぁまぁな人達は、ルールも理解していなければ、チームメイトの助けにもならない。そりゃあ会社は罵倒してでも、無理にでも成長させようとすると思います。(お客様に役に立つなんてことは人一倍努力した先にしかできないし、チームメイトを助けるとは、誰かの業務を引き継いでやってあげるみたいなことなので、エクセルも触れないようじゃ助けにもなりません。ちなみに私は入社当時はお茶汲みくらいしかできなかったと自負してます。)

新卒入社したまぁまぁな人達は、2年くらいかけて会社員のゲームのルールで活躍するための基礎スキルを蓄えます。(会社にもよるかもしれませんが)
・ロジカルシンキング
・クリティカルシンキング
・報連相
・意見とfactを区別できる
・PDCA
・エクセル
・パワポ/Keynote(ストーリー作りなど含)
・word
・会計基礎用語理解(売上・営業利益・経常利益・原価・販管費等)

社員教育できる大企業はゆっくり入社2年くらいかけてもいいと思うんですが、スタートアップや中小企業にとっては、正直これくらいできるようになって入社して欲しいんじゃないでしょうか。(自分のチームに上記ができる新卒が来たらめっちゃ重宝します)

フライングスタートの仕方

ちなみに社会人2年目くらいの能力習得は、インターン以外の方法でも入社前につけられると思ってます。昨年株式投資提案を実際の商談に見立てて学生が丸山へ提案してもらうって言う実験をした結果、参加した学生の提案はストーリーを立てて、factと意見を分けて提案できるようになってました。詳しくはまた別のnoteで纏めていきます。

ちなみにこの会社員のゲームのルールを入社後0から教える必要があることは、日本の課題(=伸び代)だと思ってます。仮に学生が会社員基礎を身につけて入社したら、日本はもっともっと前進するんじゃないかなと思ってます。入社して2年はお荷物だった人材が、即戦力ですからね。日本の生産力が引き上がるしかないですよね。

主に学生さんへ

つらつらとゲームのルールが変わる時のチャンスについて書きましたが、フライングスタートの仕方について興味ある学生さんってどれくらいいるもんでしょうか?

昨年フライングスタートするための支援をやってましたが、今は積極的にやってません。ですが、知りたい!やってみたい!って人が一定量いたらまたチャレンジしようと思いますので一言コメント頂けないでしょうか。

そんな声が集まれば、やりたい人でやっていこうと思います。
フォローしてくれると嬉しいです。

私はゲームのルールが変わったタイミングで努力し(努力せざるを得ない環境を作ってくれたことに感謝)、チームやお客様へ貢献できる状態になって、今は働くことが楽しいです。楽しいなと思って働く人が増えると良いなと思います。

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