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文系大学生だった僕がオランダでコンピュータサイエンスを専攻するまでの話


オランダはSchiphol空港からこの記事を書いています。

昨年8月にオランダに渡りましたが、COVID-19のパンデミックがおさまらないため大学の授業はオンラインのまま。結局今年度の残りの授業もオンラインで行われることになり、日本に戻ることにしました。

さて、今回は僕がいかにして文系大学生からオランダでコンピュータサイエンスを専攻するに至ったかを時系列順に徒然なるままに綴っていきます。


第一章:大学入学 ~ カリフォルニア大学留学

僕は2015年に慶應義塾大学経済学部に入学しました。特に目的意識はなく、ただ周囲の同調圧力と学歴社会ならではの「良い大学行ったもん勝ち」といった価値観に流されて、「良い大学」に入ろうと努力した結果でした。当時は良い大学に入った人が勝ち組だと本気で信じていましたし、自分はその勝ち組で、このまま周りと同じように就職活動をして、大企業に就職して、安泰に暮らしていくのだろうと漠然と思っていました。今思うととんでもない勘違いでした。

そんな僕も大学3年生になり就職活動やインターンを意識するようになりました。しかし、どんなに募集を見ても文系職というのは当然、総合職やら営業やらで、全く惹かれませんでした。当時、魅力的に見えたのがエンジニア職やデザイナー職などの「モノ」を作る職種で、この頃からキャリアとしてソフトウェアエンジニアという選択肢を意識し始めました。

結局、インターンには参加せず夏休みを終えた僕は、大学3年生の秋からカリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)に留学しました。将来の方向性がうっすら見えてきたものの、何か特定のものを学びに行こうという意識はあまりなく、英語もほとんどわからない状態だったので、英語を身につけて、アメリカ生活を満喫して、就活に有利になるような経験が積めたらいいなくらいな気持ちでした。ただ、留学前から、この留学後に「自分がどう考え方を変えるか」、「どういう将来像を見出しているか」、というのはとても楽しみでワクワクしていました。結果的にこの留学で僕の人生は控えめに言って125度くらい変わります。

留学の期間は10ヶ月程度でしたが、とりわけ忙しく勉強するでもなく、Instagramのネタを探しているような俗に言う「インスタ映え留学」生活を送っていました。しかし、ほとんど日本から出たことのなかった僕にとっては刺激的な経験ばかりで、間違いなく今の僕を形成する要素の一つになっています。

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そんな留学中に、転機が訪れます。それはソフトウェアエンジニアへの興味から「Introduction to Computer Programming」というコンピュータサイエンス(以下CS)の授業を履修したことです。Googleが開発したApp Inventorという初心者向けの開発ツールを使って簡単なプログラムを書いてゲームなどを作ったのですが、これが僕にとっては衝撃的な体験で、CSを学びたいと思ったきっかけでした。ちなみに下の画像がこの授業の最終課題だったゲームです。かなりしょぼいですが、完成したときは嬉しかったです。

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今思うと小さい時からレゴや電子工作などが好きだったので、CSに興味を持ったのは必然で、今となってはなぜ経済学部に入ったのか不思議です。何はともあれ、これを機に、CSを学ぼうと決断した僕は、人生の舵を大きくきったのでした。

第二章:カリフォルニアから帰国 ~ 大学卒業

帰国前から、少しずつリサーチをして、CSを学ぶのに最適なオプションが何か模索しました。帰国後も、留学中の単位をできるだけ交換して卒業年次を一年早めるなど、日本での就職という選択肢は完全に捨て、進学することに集中しました。この頃の僕は、慶應を辞めても良いと思うくらい新しい可能性にワクワクしていました。

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