見出し画像

味噌汁の妙(みょう)

想像してみてほしい。大した料理の腕も知識もない、面倒くさがりの人間が、まがいなりにも家族の健康を任される立場になってしまったとしたら。

料理を外注するほど裕福ではないので、なんとか自分でやるしかない。食べるのはとっても好きなのだが、料理って結構大仕事だ。

息子の好き嫌いには翻弄されるし、夜遅く帰宅する夫は何を食べたいのかわからない。そんなあれこれから、料理するのが苦痛になっていた時期があった。

そこで私の助けになってくれたのが「味噌汁」である。こんなに万能な料理があるだろうか。具材に何を入れてもおいしい。味噌の種類を変えればさまざまな味が楽しめるので、飽きが来ない。

わかめと玉ねぎ、豆腐などの王道の具はもちろんのこと、ブロッコリーにベーコン、コーンを入れて洋風味噌汁にしてもおいしい。赤味噌で作れば、たとえ「あおさ」を入れただけでもコクがあって、ご飯がどんどん進む。

これがコンソメスープとか、カレーやシチューだとこうはいかない。それらの味付けがどん!と前に出てしまうからだろうか。味噌汁はしっかりと味噌の味がするけれど、それよりも具材によってじんわり滲み出た「だし」の味が楽しめるからだろうか。

凝り性なもので、具材や味噌の組み合わせをあれもこれもと試せるのも楽しい。ああ、味噌汁があって本当によかったよ。次の日のお昼ご飯も事足りるしね。味噌汁の妙(というものがあれば)を、これからも味わいつくしたいものである。

(Day.22)

▼昨日の記事。子ども嫌いの私が変貌した話。▼

▼ほぼ毎日エッセイ『私に翼』▼


この記事が参加している募集

#私のイチオシ

50,822件

いつもありがとうございます。 いただいたサポートは より上質な記事をお届けできるよう 大切に使わせていただきます♪ 新米母ちゃんを ぜひとも応援してください📣