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82歳のチチと登場人物

絶賛一人暮らし中の82歳になる実チチのところには、ヘルパーさんが週に2回やってきてくれている。

介護認定1が出て、デイサービスを勧められ、本人もものは試しと行く気まんまんだった頃、コロナが少し影を落としていた。しばらくして、彼がケアマネージャーさんとデイサービス施設を下見に行った時には、手指の消毒やマスクの着用の有無などが言われ始めていた。施設見学を終えた父は「施設は悪くないけど、入り口に消毒する液が置いてなかったり、今時職員も来ている人もマスクもしておらん!絶対に行かない!」と言い切った。

まだ今のようなことになるとは思われてない頃だったので、正直、週に1〜2回、お風呂入ったり人とコミュニケーション取ったりするために、行ってくれよぉと私は思っていて、説得を試みたが、頑と譲らず、結局ヘルパーさんにきてもらい、家のお風呂に入れてもらうことで決定した。週に2回にして、他には洗濯を干してもらったり、簡単な食事を作ってもらうこととなった。

何事にも疑り深く慎重な父らしい判断だったけど、コロナ禍の今となっては、正解だったかと思う。

しかしだ。

母に先立たれ、もともと友人などもいない彼の一人暮らしの生活は、登場人物が圧倒的に少ない。1ケ月に1度訪問してくれるケアマネージャーさんと、週2回交代できてくれているヘルパーさん2人。新聞の集金がてら少し話をしてくれる近所にお住いの方、そして、娘の私だ。

コロナ禍で出かけられないし、新しい知り合いなどできる機会もないから、当分、きっとこのままだ。

たまに父の兄妹の叔父さんや叔母さんが心配して電話をくれたりもしているらしいけど、お互いにまだ会える状態でもないし、もともとそんなに仲良し兄妹でもないから、電話が精一杯かと思う。

父の息子、私の兄と父は、残念ながら決定的に仲が悪い。兄のところには兄嫁も孫たちもいる。本当はここと仲良くできれば、たとえ電話とかそんなコミュニケーションでも父の日常の登場人物は濃厚になって5人も増えるんだけどな。

増えるんだけどな・・・なんて、他人事な言い方なのは、散々、仲の悪い家族の真ん中に立ち、中立を保ちまとめようとしてきた私の数年間がある。それでもダメだったから、正直、諦めたのだ。

それよりもやることはたくさんある。

父の登場人物は増えたらいいなとは思うけど、それよりも少数精鋭で、彼の日常をちゃんと健全に回すことが大事だと考えた。

父が去るときに、仲良くしたかったなぁと泣くかもしれないけど、いや、それよりも最後の00年間、しんどかったけど、健全に暮らせたじゃーーん!って、そんなに悪くなかったでしょ!って、笑って言おうと思ってる。

人生100年時代だとするならあと18年。18年ちゃんと暮らすなんて、相当な覚悟がいるのだよ。

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