スクリーンショット_2019-06-05_16

「アルコール」入り化粧品がお肌に良くないって本当??!


■化粧品で言う「アルコール」とは?

化粧品で使われているアルコールと言えば「エチルアルコール」のこと。石油から合成されたり、植物の糖から抽出して作られます。化粧品の成分表示ではエタノール」。医薬部外品ではエタノールのほか、「無水エタノール」と記載されることもあります。

無水エタノールは純度が99.5%以上で、すぐに揮発してしまうため、殺菌力はありません。化粧品の成分として使われるエタノールの純度は、95.1%~95.6%。消毒用エタノールは、殺菌力が最も強いといわれている純度76.9%~81.4%。用途によってエタノールの濃度も変わります


■ エタノールの配合目的

殺菌・収れん(お肌の引き締め)・皮脂や汚れを浮かして落とす・熱と一緒に揮発するので、スーッとした清涼感を得られる。など、様々な効果があるため、多くの化粧品で利用されています。

▷成分を得るために使用されるエタノール

殺菌や引き締め以外にも、香料や着色剤を溶かし込む溶剤としてや、植物エキスなどのエキスを抽出する溶液としても、エタノールは使用されます。

▷エタノールが入っているのに、成分表に表示されてない!?

化粧品の全成分中、エタノールが溶媒としてのみ使用されている場合、キャリーオーバーに該当します。

キャリーオーバー成分とは、化粧品成分の原料の製造・加工・抽出の過程に使用され製品の製造過程では使用されず、完成した製品内では効果を発揮できるより少ない量しか含まれないもののことを言い、表示の必要はないとされています。

なので、エキスなどの成分がある場合は、溶媒としてのみ使用されたエタノールやBGなどの成分、植物由来成分が配合されている場合は、植物を育てるために使用した農薬などがキャリーオーバーとして含まれている可能性があります。もちろん、綺麗に精製・濾過されて、入っていない可能性もありますよ!


■エタノール入り化粧品は肌によくない?

全てのお肌のタイプに合わない成分ではありません。エタノール(=アルコール)は、揮発時に熱を奪い、スーッとした清涼感を得ると同時に、お肌の水分をも奪ってしまいます。また皮脂を取り除く効果や、毛穴を引き締めて皮脂を出にくくする効果がありますので、乾燥肌タイプは避けたほうが良い成分です。

また、飲酒や、注射・掃除用の消毒用アルコールで、ひどく赤くなってしまったり、呼吸がしにくくなるなどの、アレルギー反応や過敏症を引き起こす場合は、化粧品成分に含まれるエタノールにもでも、同じ症状を起こす事が考えられますので、ノンアルコール化粧品を選ぶ事をおすすめします。

健全なお肌には安心して使える成分です。皮脂が出やすい時期や、脂性肌タイプは、エタノールの性質を利用した皮脂抑制や、引き締め効果で、ニキビ・黒ずみを防止に効果的です。お肌が荒れていたり、肌バリアが低下しているなどのトラブルが起きている状態だと、赤みやかゆみ、刺激が起こる場合があるので、気をつけてください。


■化粧品成分表のxxxエタノール

カプリリルグリコールやフェノキシエタノールなど、エタノールと似た名前の成分はたくさんあります。大きくはどれもアルコールの仲間です。

ざっくり説明すると、分子中のヒドロキシ基と炭素の数が違い、ヒドロキシ基が1つだけのアルコールを一価アルコール、2つ以上あると多価アルコール呼ばれています。多価アルコールは、吸湿性と保水性が高いので保湿剤として使われます。さらに、ヒドロキシ基が1つで、炭素の数が6個以下のアルコールを低級アルコール、炭素の数が8個以上あると高級アルコールに分類されます。

カプリリルグリコールは、医薬部外品では1,2-オクタンジオールといい、保湿剤のほか、高い抗菌性を持っている成分です。フェノキシエタノールは、抗菌剤で、古くから医薬品の防腐剤として利用され、今でも化粧品などの製品を安定して使用できるように、防腐剤として利用されています。

このように、アルコールの仲間ではあるものの、分子の構造が違うと全く別の働きをする成分になります


■最後に

ノンアルコール化粧品が増え、なんだかわからないけど使わないほうがいいのかも…。と不安に感じてしまう事もあるかもしれません。お肌のタイプ別に見た時、皮脂が少ないお肌にはエタノールは向いていませんが、健全なお肌や、皮脂が多いお肌には問題なく使える安全な成分です

乾燥肌タイプはもちろんのこと、混合肌タイプは乾燥が原因で皮脂量が増えている可能性がありますので、エタノールが多く配合されているタイプの化粧品は避けたほうが良さそうです

脂性肌タイプや、普通肌タイプには安心して使え、多すぎる皮脂の分泌量をコントロールしたり、皮脂が毛穴に詰まることで起こるニキビを防止するのに効果的です。しかし、過剰に皮脂を除去してしまったり、保湿ケアを怠ってしまう乾燥を引き起こしてしまうので、気をつけましょう。

全てのお肌に最適な成分はありません。肌質やお肌の状況をみつつ、初めて使うスキンケア商品は、一度テストしてからの使用をおすすめします。

■いとしはだとは

わがままで、気まぐれ。 そんな敏感なお肌と上手にお付き合いするための、成分からみる、化粧品とお肌のためのサポートサイトです。いとしはだHPiPhone アプリAndroid アプリ



この記事が参加している募集

いとしはだのコスメデータがさらに潤うように、web上に成分表を掲載していないコスメを買いに行きます!ありがとうございます🙏✨