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PRODUCE 101 JAPANにみるイマドキの男子像

最近私はPRODUCE 101 JAPANにどハマりしている。
PRODUCE 101 JAPAN とは韓国発祥のオーディション番組で、各芸能事務所から練習生(所属しているがデビュー前の人々)101人が送り込まれ、数々の課題を通して成長し、国民プロデューサー(視聴者)による国民投票で11人が選ばれる。
日本人に親しみがあるグループで言うと、IZ*ONEもその番組から生まれたグループだ。
ただ、PRODUCE 101 JAPANが今までと違う所は、事務所に所属していない一般人のみの参加、また活動期限がないと言うこと。多分そのくらい。(詳しくは公式サイト参照 https://produce101.jp )

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彼らにかつてのジェンダー像は適応されない

さて、私は毎週その番組を見ていて16歳〜27歳の若い男の子たちを応援していて思ったことがある。それは、この子達にはジェンダーの押し付けみたいなものはもう通用しないのだということ。
まず、彼らの多くはよく泣く。
番組内で先生に叱られた時、思うように歌やダンスが出来ない時、ステージを終えて安心した時、インタビュー中…彼らは人目もはばからずに泣く。
自分の弱さを隠そうとか、自分を良く見せようとカッコつけたりもしない。
練習生(オーディション参加者)同士で抱き合って泣いたり、一人で部屋の隅っこで泣いたり、毎週何人もの泣いている姿が映される。
そして男同士で手を繋いで歩いたり、休憩中肩に顎を乗せたり、意味もなく抱きついたりと、女の子の友達同士のようなスキンシップも多く見られる。
また、カメラに向かって愛嬌を振りまいたり、実際の年齢よりも幼く見えるように振る舞い、その男の子をお兄さんたちがかわいがる。

ひと昔前なら、「男が泣くな!」「男のくせに情けない!」「女みたい。恥ずかしくないの?」などと言われたかもしれない。でも、今は誰も彼らにそんなことを言わない。
実際、視聴者たちも「頑張っててかっこいい」「悔しいよね、応援してるよ!」「仲が良くて微笑ましい!」と言う声がほとんど。
男の子でも泣いてもいい、抱き合ってもいい、可愛いも褒め言葉…
令和の時代、これまで日本で当たり前のように言われてきた男らしさというジェンダーの押し付けが確実に薄まってきていると感じる。

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新時代の男の子像

また、自分の表現も自由でダイナミックだとも感じる。
韓国での他シーズンを見ていた時、「やっぱり外国人は個性豊かで感情表現が豊かでハッキリしているんだな」と思っていた。
でもいざ日本版が放送されると、大して変わらないことに驚いた。
まず自分の意見はハッキリ言うし、自分のポジションに満足がいかなければ再度挑戦を申し出るし、(前述の通り自分を良く見せようとはしないが)自分のアピールポイントはみんなしっかりアピールしている。悔しさを隠したりもしない。「悔しい」「納得できない」とちゃんと口に出す。

こう書くと協調性がないように感じられるかもしれないが、私にはお互いにお互いを尊重しているように感じられる。
可愛らしい子、お化粧をする子、マッチョな子、泣き虫、リーダータイプ、不思議ちゃん、色んな子がいる。
彼らにとってその個性は当たり前で、隠すことも潰すことなく、自然と尊重し調和しているように感じるのだ。ぶつかり合いながらも全員の納得の行くところへなんとか自分たちで持っていく。
もちろん芸能界を目指す子ばかりだから当たり前といえば当たり前かもしれないが、私の生きてきた環境と比べるととてもイキイキとしていて眩しく、羨ましい。

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そんな彼らは物心ついた時には、水や電気と同じようにインターネットがある世代。ファンもほぼそうである。その場合どうしても問題になるのがSNSの使い方だ。
番組とSNSが連動した企画も打ち出され、番組のハッシュタグも存在する。
ファン達はSNSで応援することもできるが、誹謗中傷することもできる。
悲しいことに、SNSでの特定の練習生への誹謗中傷やファン同士の喧嘩はすでに目立ってきている。
練習生やその家族の目に触れることももちろんあるだろう。
その時、彼らはどう思うのか。もちろん、傷つかないなんてことはないだろう。
イキイキとしていて眩しく見える一方、新時代ならではの悩みが今後も彼らにつきまとうと思うと胸が痛い。どうか心無い声に耳を傾けないで、胸を痛めないで欲しい。
そしてファンも、画面の向こうに生身の人間がいることをもっと意識して欲しい。と思う。

花道だけを歩こう!

彼らが今後どのように成長し、戦い、デビューし世の中を変えるのか。
私は今後もずっと見守っていきたい。
明日はついに第一回順位発表式が放送される。約30人が脱落することになるが、彼らにはこれからも自分と自分の夢に誇りを持って、夢を持ち続けて欲しい。
少しづつでも確実に世の中を変えているから。



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