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タイトル集

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このタイトル、惹かれます。
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#note

ここに居るわたしは、世界で1番かっこ悪いわたしだ。

わたしは、「書き手であるわたし」と「書き手でないわたし」に別の人格が宿っている、そしてそうであって欲しいと常々願っている。 その方が、自分の文章を客観的に読むことができるような気がするからだ。 少し前の話になるが、note以外の媒体での名義の名前を変えた。外部のwebサイトへの投稿を少しずつ増やしている。それに伴って、noteに顔を出す頻度も少し落ちている、気がする。 note以外でも書き出すようになって思ったことは、真っさらなところに書き出すことがいかに難しいかという

ありがとうとう

朝、いつもの交差点。いつもの横断歩道。 青信号が点滅し始めたので、僕は渡るのをあきらめた。 すると、ちょうど正面から、白杖の女性と、彼女に連れ添う男性とが、少し駆け足気味に横断歩道を渡ってきた。 横断歩道を渡り終えると、「この方向にまっすぐ行ったところですよ。」と男性が女性に優しく説明をした。 「ありがとうございます。」と、女性が応えた。 てっきり夫婦だと思っていた。他人同士だったんだ。なんともやわらかい雰囲気に包まれていたから、全くの勘違いをした。単に、道を教えて

私あかん人やってん、今もやけどな

買い物へ行くときに必ず渡る橋がある。 その橋は大きな川に架かっている。川幅は広いがとても浅い。そしてたまにヌートリアが我が物顔で泳いでいる。サギもいる。誰が捨てたのか、得体の知れないゴミが流れていることもある。そんな川だ。 橋を渡るとき、私は必ず欄干に手をかけて川を見下ろす。何か”落し物”がないかちょっとだけ探すのだ。この日はサナダムシみたいなスズランテープの束がくねくねと身をよじっていた。 以前は、死ぬために川底を覗いていた。 さあ行くぞ、それ行け、今がチャンスだ。

ひみつ道具なしで社会に適合したい

この日は快晴で、ドラえもんみたいな色の空だった。 先日、2人の友人から石切参道商店街へ占いに行こうと誘いがあり、二つ返事でOKした。久しぶりに会う友人なので楽しみだった。 待ちに待った当日は、待ち合わせ場所の新石切駅まで近鉄電車で向かう。人生で2回しか利用したことがない近鉄電車で、だ。切符1枚買うのにも苦労する近鉄電車だ。 どれくらいの運賃が必要なのか。大して読めもしない路線図とGoogleマップを交互に見て料金を確かめる。券売機の前でウンウン悩んでいる私を咎めるかのよ

夜明けに流すあなたとの日々

そのことばは夜明けへと続く。誰にも届くことはなく、風にさらわれた赤い花びらのようにどこかへ消える。 彼は待っていた。自分のために作られた居心地の悪い部屋で。山積みの教科書と新品の課題。彼は彼女を待っていた。家族はすでに寝室へと引き上げ、安らかに明日を迎えようとしていた。 眠気はない。明日も退屈な一日。朝、教室に入れば、彼女はいつものように奥の窓際の席に座っているだろう。それでも退屈なんだ。きっと、昨日よりもずっと。彼女はいつも通り、笑っている。でも、もうただのクラスメート

【名前の由来】"ひるねこ"は幸せな思い出の象徴です

この子たちが "ひるねこ" 。私のネットでの名前の由来であり、私の宝物でもあります↓↓↓ 今日はこの子たちの事を書きますね。 ☆"ひるねこ" 家の夏休み子どもたちが小さかった頃、夏休みに毎年長野の叔父の別荘に遊びに行っていました。 体調の悪い叔父の代わりに別荘の点検や掃除をする約束で、1週間ほど自由に使わせてもらっていたのです。 別荘は八ヶ岳の麓にありものすごく自然が豊か! どこから侵入するのか、毎年床中にカマドウマの死体が広がっていて…子どもたちとキャーキャー言いな

私の文章はとても簡単だと気付いた話。

ふと気付いたんだけど、私の文章ってすごく簡単だと思う。 難しい言葉が出てこないし、凝った比喩的な表現とかあんまりない。 なんかちょっと考えさせるような言い回しとかも少ない。 エッセイはまぁそうだけど、私は一応小説も書いている。でもこれも独白形式が多いから風景描写も少なくて、季節の移ろいを感じるような情緒的な言葉も少ない。感情的な部分でも複雑なことがあまりない。 というか、簡単だ。 たまに素敵な文章をお見かけし、なんか「ほぉ〜」って気持ちで読ませてもらって、書く技術に

メイク・ユー・ハッピー

口紅が減らない。 マスク生活が板についてから、 口紅をあまりつけなくなってしまった。 マスクの内側に 口紅が色移りするのが厭で、 唇にのせるのは 淡いリップクリームばかりになった。 コスメ売り場の中で 口紅のある場所が好きだった。 少しずつ違う色のグラデーションが お行儀よく並んでいるのを 眺めているのが好きだった。 今の季節なら 秋の木の実みたいな こっくりとした赤。 ベージュのニュアンスのある 絹地の更紗のようなピンク色。 この色が好きだなと思って買って帰ると、 結局似

お守りことばを教えて。

お守りのように、 懐にあたためている言葉はありますか? 心が弱った時 そっと取り出して 手のひらにのせるような。 そうすると、 小さくてもぱあっと明るく光って 照らしてくれる言葉。 その言葉を受け取ったときの あの、じん、とする感じも思い出す。 その言葉を両手で包んで はぁっと息を吹きかけて また、磨く。 再び光りだした言葉をくれた人に あらためて 心のなかで、ありがとう、と言う。 わたしにもあります。 《お守りことば》 小学校1年生の時に 隣のクラスの先生からもらった