伊藤乃蒼

主に短編小説を書いています。ワンコイン(500円)であなたの小説を書くサービスも行って…

伊藤乃蒼

主に短編小説を書いています。ワンコイン(500円)であなたの小説を書くサービスも行っています。ワンコイン執筆サービスを詳しく聞きたい方はX(Twitter)にて。

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  • Vketらぼ

    • 40本

    VketCloud,MyVketを活用してイベントを開いてみたい&参加してみたい有志によるディスコードサーバーです。 即売会イベントメタコミ、毎晩開催酒場系イベントPUBらぼ、地元紹介集会など様々な企画を実施しています。 ディスコードへの参加はこちらから https://discord.gg/UTfYqJq2GJ

最近の記事

猫のアホ毛の本体 なるせ様

 猫のなるせの小さな頭には大きなアホ毛があり、それを引っ張ると『本体』が現れるのだ。  本体は美しい白色でキョトンとした可愛らしい顔をしているので、とてもみんなに人気がある。 「なるせさ~ん」  友人が手を振りながら近づいたと共にアホ毛を引っ張る。 「あ、ああ~」  なるせの鳴き声と共にアホ毛が引っ張られて本体がニョッキリと生えてきた。 「アホ毛が強奪されとんだけど~」 「あははは」 「なるせさ~ん」 「もちもちもちもち」 「それ以上は駄目よ~」  指を口に入れられたり、もち

    • クイズに愉悦する炎の精 利賀セイク様 

       炎の王クトゥグア。その奉仕種族たるセイクはふわふわと漂って地球へとやってきた。  特にやることもなく、なんとなくで地球に来たセイクであったがある日インターネットで行われていたクイズというものに出会った。  それはクトゥグァへの奉仕を忘れそうになるほど魅力的なもので、一瞬でセイクはクイズの虜になった。  クイズに魅了されたセイクは様々なクイズを作り出した。 「毎王星の外側に軌道を持つ、2006年に惑星から隼惑星になった天体は何でしょう?」  これは問題文からサンズイを消したも

      • アバター贈り夫婦漫才

        「このアバターええやん」  こぎんはとあるアバターを見てそう言った。地蔵はその様子をチラリと見るとそこには姉弟アバターが発売されるという情報が載っている。 (あ、このアバター。姉弟設定やん。このアバターでこぎんさんとコンビでいきたいなぁ……)  ちょうどホワイトデーが近かったので、地蔵はこぎんにそのアバターを贈った。 「え~!」  こぎんはびっくりした。バレンタインにチョコレートを贈ったらアバターがお返しで来たのである。  自作のアバターに愛着があったが、こぎんは今後も地蔵と

        • 赤裸々創作告白

           その人と出会ったのは、とある居酒屋だった。 「どうも初めまして、小説家をやっておりますsunと申します」  そう名乗った彼は、とある界隈で小説家をしている人であった。    私は、幼い時から小説が好きだった。  『ダレン・シャン』や『魔術師オーフェンはぐれた旅』のようなダークなものから、『人間失格』や『夫婦善哉』のような古典文学と呼ばれるものまで様々なものを読んだ。  そんな私が自分も小説を書きたいと思うにはそう時間がかかることはなく、高校生では文芸部に所属して書きたいこと

        猫のアホ毛の本体 なるせ様

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        記事

          創作者失格

           はしがき  まず自己紹介をしよう。僕は異世界転移をしてきて魔王を倒した勇者で、現在は小説家のシュウだ。でも、僕の本当の名前はツシマシュウジというんだ。ただ僕はこの名前が大嫌いだから今後も僕の事はシュウと呼んでほしい。  さっそくだが僕は今、遅効性の毒を飲んだところだ。これを飲んだら絶対に死ねると確信を持って言える毒を用意したからおそらく僕は死ぬだろう。  ではなぜそんな状態でこんなものを書いているのかというと、僕は僕の小説を書きたかったからだ。  内容は実に単純で作家と

          創作者失格

          cafeホームズにてよしだ達が監視しあう

          A「仕事だるい……」 B「わかる」  一人のよしだのつぶやきにもう一人のよしだも同意した。 C「もうこれ、お互いに監視した方が作業効率が上がるんじゃないか?」  三人目のよしだの提案に「おおっ」と二人のよしだは目を輝かせた。 A「よし、お互いにサボらないか監視しよう」  台の上に立って(コワーキングスペースの椅子は残念ながらよしだ達は埋まってしまうのだ)三角形を作りお互いに監視しあう。 A「あ、なんかサボったらダメな気分になる」 B「これいいかも」 C「スタバより集中できるか

          cafeホームズにてよしだ達が監視しあう

          無頼派と媚び るいざ・しゃーろっと様

           文学少年を自負するアレンはとあるサイトで販売されている本に興味を惹かれた。  その小説の名前は『るいざ・しゃーろっとVR小説作品集 第1巻』というものだ。その本に惹かれたのは、るいざ・しゃーろっとという人物が無頼派を自称しているからである。  『無頼派』とは、第二次世界大戦後にあった既成の文学に対する批判に基づいた作風の総称だ。もっと詳しくは細分化していくが、詳しく語ると長くなるので代表的な作者だけ羅列すると『太宰治』『織田作之助』『坂口安吾』などがあげられ、それらの作者は

          無頼派と媚び るいざ・しゃーろっと様

          僕のこれからの輝きと恩返し 大澤加寿彦様

           僕の父親はギター講師をしており身近にギターが常にあった。お姉ちゃんの影響でミスターチルドレン、さだまさしさんの影響を大きく受けたのと、ものごころつくかつかないころに親戚でカラオケに行った時に『ひょっこりひょうたん島』を歌ったら親戚一同に「歌が上手いね!」と褒められたのが僕のシンガーソングライターの始まりだ。  そして外せないのは2016年に香川で行われた『かがわ山なみ芸術祭』で音楽の観点で参加した時、様々なジャンルの方が参加していたことに大きな刺激を受けた。これは絶対に外せ

          僕のこれからの輝きと恩返し 大澤加寿彦様

          僕はVRchatイベントが大好きだ kurotaroPC様

           2月22日の夜中にVRCのフレンドに「VRchatって知ってる?」と声をかけられ、軽い気持ちで始めたのがVRchatのきっかけだ。  はじめはTRPGのD&D(ダンジョン&ドラゴンズ)で「ドラゴンのお肉は食べられますか!」と聞いたら「食べられます!」と答えられたので面白そうに思って行くことにした。  D&Dを一通りプレイしたあと、「ああ楽しかったな、慣れるのにちょっと時間かかるかも?」という一夜で終わった。その時までは……。  TRPGで知り合ったフレンドにVR散歩に誘われ

          僕はVRchatイベントが大好きだ kurotaroPC様

          メタバース喫茶店『cafeホームズ』

          フリーランスや在宅仕事の方で孤独感を感じてしまうことはありませんか? 外のカフェに行ったり、ディスコードに入ったり、X(Twitter)のスペースを使ったりしていませんか? そんな方に、MyVketで開店している『cafeホームズ』を紹介します! 『cafeホームズ』はMyVketというメタバース空間で9時から17時まで開店されている喫茶店です。といっても食事などはなく、コワーキングスペースとしての場所を提供しています。 MyVketはGoogleのアカウントなどを使用

          メタバース喫茶店『cafeホームズ』

          愛を知り、名を改め、また逢う日まで 来寝花様

           暗闇と妖怪が跋扈する平安時代。道行く旅人を誑かしては生気を貪る九尾の狐がいた。  その豊満な乳房と艶めかしい生足、そして美しい顔を見た旅人は吸い込まれるように九尾の狐に身を委ね生気を搾り取られる。九尾の狐は彼岸花の着物に身を包んでいたので、『狐花』と呼ばれ恐れられていた。  そんなある日、狐花はいつものように旅人の男を誘惑したのだが今日の男はいつもと違った。男は狐花に魅了されながらも生粋の細工師だったのだ。 「あなたの美しい黒髪に似合う装飾は何だろうか……」  狐花は困惑す

          愛を知り、名を改め、また逢う日まで 来寝花様

          美味しいお酒 狐坂芽衣様

          「失敗した……」  彼岸旅館の縁側で僕は項垂れた。  僕はお酒に強いらしい。そのことを自覚していなかった僕は飲み会の場で大量に度数の強い酒を飲んだ。そうしたら酒が強いということは妖怪の間では自慢に取られるようで、僕が自分はお酒に強くないと言うと一緒に飲んだ妖怪友達を怒らせてしまった。 「どうしたのお嬢ちゃん?」 「狐坂さん……」  狐坂さんは僕の頭を撫でてくれる。そして、僕が失敗したお酒の話を狐坂さんは優しく聞いてくれた。 「なるほどね。お酒は場を読んで楽しく飲むのが良いんだ

          美味しいお酒 狐坂芽衣様

          猫又、初めて講談を聞く 宝土蓮華様

           紅座敷まであと少し、初出勤まであと少し。  そう思いながら僕はお座敷遊びである『とらとら』の練習をしっかりと行っていた。 「ほどほどに休憩しながら練習してね~」 「はい!」  指導役の蓮華さんにそう返事しながらも、お手本を見ながら一生懸命に踊りを覚える。 「あっ!」  突然、蓮華さんが叫んだ。僕は驚いて耳も尻尾もピンッと伸びる。 「どうしたんです、蓮華さん」 「十二月十四日は赤穂義士の日だよ~」 「あこうぎし?」  赤穂浪士というのは聞いたことがあるが、赤穂義士というのは聞

          猫又、初めて講談を聞く 宝土蓮華様

          紅座敷初出勤

          ついにこの時が来た。僕は深く深く深呼吸をする。 ただの軒下に住み着いていた猫又の僕が何の因果か誘魅になり、こうして座敷に上がろうとしている。 「き、緊張する……」  ちゃんとお客様と話ができるだろうか踊りはできるだろうか、不安になりながら再度深呼吸をした。 「気楽にやろうね」 「踊り完璧だよ!」  周りの誘魅さんたちが優しく僕を励ましてくれるので、それだけで心が安らぐ。普段は軒下から眺めているだけの光景に自分が立っていると思うとまだ眩しくてめまいがするが、踏ん張ろうと思えた。

          紅座敷初出勤

          したため勉強会 ルアル様

           その町にはとある噂があった。町はずれの家には満月の日に心中した男女の幽霊が出るという噂だ。  町に住む好奇心旺盛な少年は、その幽霊の正体を見破ってやろうと屋敷に忍び込んだ。家族が寝静まった時間を見計らい、家を飛び出した少年は首尾よく忍び込むと屋敷の探検を始めた。  しばらく探検するが、なにも見当たらない。少年は噂など嘘だと確信し夜が明けたら町の仲間たちに幽霊などいなかったのだと、声高らかに言えることに誇らしさを覚えた。 「はん、嘘っぱちだったな」  ニヤニヤと笑いながら屋敷

          したため勉強会 ルアル様

          妖怪はすぐそこに 相塚松様

           最近できたというサクラストリート。そこで妖怪好きの人々と交流するバーが出来たと聞きさっそく僕は現地に赴いて取材をしてみることにした。  店主の相塚松さんは細い尻尾がついたふわふわとした綿毛で、見た目はとても愛らしかった。こんな愛らしい姿が妖怪という恐ろしいものを語るのかと不思議に思うほどだ。 「僕はね、座敷童が好きなんですよね。正体があやふやでありながら、神聖性がありつつ不気味さも兼ね備えている。良いですよね」  相塚松さんに好きな妖怪は何かという風に軽い気持ちで聞いてみる

          妖怪はすぐそこに 相塚松様