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利尻島ぐらし#25 50年に1度の大雨~避難~

本州では梅雨で大雨が続く中、利尻島はほとんど雨は降っていませんでした。が、

前日、明日は嵐になるらしいよ、と言われていました。飛行機も飛ばないだろうから、お客さんもキャンセルが増えるのかあと考えているくらいでした。

雨脚が強まる外の様子を眺め、明日どうなるのかなあと思いつつ就寝。


そして翌朝…

早朝「〇〇ちゃん!通行止めになるから荷物まとめて!!」というオーナーさんの呼ぶ声で、目を覚ましました(オーナーさんのお家に居候させてもらっているので)。

はっ!と起きると窓の外は大雨。なんだか状況がよく分からなかったものの着替えも持って!という指示に従い、半分寝ぼけながら急いで準備して職場へ。

職場に着くと、お客さんへの避難連絡が行われていました。職場のあるところに避難勧告が出されているらしく、すぐ避難してもらわなくてはいけません。

こんな天気なので、飛行機もフェリーも欠航ですが、連泊する予定だったお客様もキャンセルしてもらい、新しく宿を探してもらうことに。

朝ご飯用のお弁当を作ったり、バタバタしつつ無事にお客様のチェックアウトも完了。

外を見るとあたりは真っ白。綺麗なエメラルドグリーンの海も、茶色く濁り、荒れていました。

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私たちも、オーナーさんの親戚の方のご自宅へ全員で避難することになりました。

もうすでに道路で通行止めになっているところがあったので、サイクリングロードを通り避難。このサイクリングロードは山の中に作られ、普段は車は通れませんが、緊急時のみ通行することができます。

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無事に親戚の方のお家に到着。

ニュースを見ていると、50年に1度の大雨とのこと。この島は山を中心に成り立っているので、土砂崩れも起きやすく油断できません。

雨も降ったりやんだりでなかなかやまず…。お家では、よくしていただき、みんなでオセロやトランプをしたり(懐かしい!)、快適に過ごすことができました。

お昼ごろには解除されるのではないか、と話していましたがなんとこの日は夜も解除されず、そのまま泊まることに…。


次の日、避難勧告は解除されたものの通行止めが解除されず、すぐには戻ることができませんでした。しかし、外は昨日の雨が嘘だったかのような晴天。

お客さんは来るので準備をしなければいけません。

本来なら、避難した場所から職場までは車で10分ほどなのですが、通行止めで通れないため、反対側から島を1時間ほどかけて1周して帰ることに。

先月自転車で1周した道をぐるっと通ります。

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こんな状況ではあるけれど、改めて島を周ってみて自然豊かでいいところが沢山あるなあと実感。途中行けるはずの道が塞がれていたり、トラブルもありましたがなんとか帰宅。

夕方には通行止めも解除され、お客さんも来て日常に戻ることができました。

海はあいかわらず茶色かったけれど 明日には綺麗な色に戻るかな。

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人生はじめての避難体験でしたが、いつもの穏やかで美しい様子から一変した島の様子を見て、自然の怖さも知りました。自然の中で暮らすからこそ、こういう危険も覚悟しなければいけませんね。

私たちの力ではどうにもならないからこそ日々の備えや、迅速な行動や判断が必要になってくると感じ、貴重な体験になりました。

今年の大雨災害で被害にあわれた地域も早く復興できますように…



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