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院内(インナー)ブランディング

医療広報の方にとってモチベーション維持のためにも重要な事柄が、院内ブランディング(社内営業)かと思います。ブランディングと言う言葉を使いましたが、要は院内で広報のポジションをしっかり構築しておくとなにかとやりやすいですよ!と言うお話です。そのため、今回はインナーブランディング全体の解説ではなく、どちらかというと広報担当にとっての社内での価値向上に関するコアな部分のお話となっております。(すみません今回長文です)

院内ブランディングとは?

院内ブランディングとは、俗に言う「インナーブランディング」のことを指します。インナーブランディングは社員の意識改革や、企業価値の向上、企業関係者の満足度向上と様々な観点に精通してくるような内容です。社内が変わると、外からの評価が変わるのは皆様言うまでもなくご存じかと思いますが、院内で職員がどういったスタンスや理念などをもって仕事や社会に貢献しているかによって医療施設のイメージが格段に変わってくるものです。経営者の方の理念を共有できているか、方向性や情報や共通認識として持てているかなどなど様々な事柄に共通しています。ちなみに余談ですが、インナーブランディングが上手く回っている病院様やクリニック様は離職率が低くなる傾向を経験しています。

医療施設にとってのインナーブランディングとは?

さてそれでは実践的なお話をさせていただきます。まず医療広報担当にとってインナーブランディングはかなり重要な業務となってきます。医療は院内の理念や職員の対応が直接患者に通じるため、医療分野こそインナーブランディングは外せません。そんな中インナーブランディングは広報紙を作ってクオリティだけ向上させていればカバーできるという方を時々お見受け致しますが、私は不十分だと考えます。広報は広報紙を作る担当ではないからです。広報紙はツールの一つであり、すべてではございません。インナーブランディングはまずどういったビジョンを病院やクリニックを利用いただくか、また社会のどの位置づけとするか等を確認することから始めます。これはブランディングにつながる部分でもございますので、ブランディングがしっかり構築されている病院や企業様は自然と(もしくはプランニングされて)出来上がっていることが多いです。今回は広報の立場(現場)でのインナーブランディングの重要性を記載いたします。

医療広報担当にとっての院内ブランディング

まず、とても寂しいことではありますが医療業界にとって「広報」という職種はまだ認知度がそこまで高くありません。現に私が病院広報を初めて担当した際には「広報って必要?」「広報ってなに?」「必要性を感じない」といったコメントを事務長クラスから頂戴した記憶がございます。私は他業界からの転職でしたので、そういった意見をばねに社内改革をしていきたいと思うようになりました。ただ、風当たりは本当に強く大変でした。医療業界の方でしたらお分かりと思いますが、前例がなかったり、アウトローは排除の対象になる傾向が少しばかり高いのです(これはあくまで私の感覚からです)。医療は他業界より10年遅れているといわれる要因がここにあると私は感じております。

こういった辛い思いを他の方にしてほしくないですし、現にこういった環境に嫌気がさして退職された方を何人か知っています。こういった事案を改善できなければ、医療業界は衰退へと進んでしまう気が私はしています。広報は、どの業界にも必要な時代であり、外せない存在なのです。

さて、ここから私の過去の経験からどうやって広報の社内での必要性や地位向上を構築していったかを記載致します。

まず、広報の重要性をわかってもらえることを考え「集患」にフォーカスしました。手っ取りばやい手法ではございますが集患を増やすことができれば経営層や現場も認めざるを得ません。そこで私は医療施設の認知向上に努めました。まずHPを見直し、ツールもすべてデザインから見直しました。HPは古いままのUXとなっていないか、コンテンツの制作(グローバルメニューの設定・掲載位置・閲覧数に紐づいた構成etc)等を見直しました。またツールはパンフレットやポスターなどをすべてデザインから内容含め精査し掲載しました。これだけでもかなり状況は変わりました。

その後、イベントやタイアップ、広告プランニングそしてマスコミ取材の増加といったプロジェクトの成果が少しづつ結果につながるようになりました。そして前年比よりも集患が増加したり、認知拡大や社会貢献に関する話題性等から職員の家族から感謝の言葉をいただくようにまでなりました。これにはわたしもびっくりしました。当初、煙たがられ打ち合わせさえセッティングいただけなかった方々がこちらに寄り添ってくれるようになったのです。そして、なにより想定していた求人にも影響がでてきました。「記事やHPで貴グループの取り組みをみて求人応募しました」という方が格段に増えたのです。今まで名前さえ知らなかった人たちがこちらに興味をもってもらえるきっかけまでも構築することができた瞬間でした。

さてここまでくるとさすがに広報の重要性に院長、理事長クラスは認識を徐々にしていただけるようになりました。ただ、doctorの中にはまだ広報のポジションを理解いただけない方はいらっしゃり日々苦戦しておりますが、これだけでかなり環境は変わります。そうなると社内での動きがかなりスムーズになるのです。障害が減り、精神的負担も減ります。

院外からの反響

そしてここまでくるとなんと他院様からいろいろと教えてほしいといった相談が私個人にまで入るようになりました。セミナーや講習会、取材等の依頼が入りました。当時はブランディングにて手一杯でしたのですべてお断りをしておりましたが、医療広報の重要性を周りも認知していただけたんだというところ、取り組みや地位向上へ一歩進んだことを認識しました。

まとめ

まだまだ医療広報は現場では広報という立場の認識や重要性の共有をできていないのが現状です。この状況を受け入れ、まず広報担当の必要性を少しづつでいいので広めてみてはいかがでしょうか。医療はまだまだ広報分野は浸透していない分、やりやすい部分もあります。何か悩み事や相談がございましたらTwitterもやっておりますのでお気軽にご連絡ください。一緒に医療業界を盛り上げていけたら幸いです。






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