見出し画像

病院と「口コミ」

今回は病院経営上の口コミとの向き合い方や付き合い方に関して述べさせていただきます。皆様ご存知の通り、口コミといっても様々な形態があります。直接口頭での口コミを基本とし、いまでは集患に大きな影響力を持つ「WEB上の口コミ」等が多々ございます。集患にとっても重要な事柄の一つであり、大変センシティブで明確化できず取り扱いが難しいものがこの口コミです。そして結論からお話すると、ブランディングを活用して口コミと向き合っていくことをおすすめします。以下に諸々の詳細を交え記載致します。

ポジティブな口コミ・ネガティブな口コミ

ブランディングがうまく走ると口コミが自然と発生し、様々な効力を生んでいきます。ただしそれはポジティブな場合もあればもちろんネガティブな場合もあます。どちらにせよ口コミが生まれるということは医療施設にとってとてもありがたいものです。ポジティブな意見は拡散されることでさらに集患に結びついていきます。また、ネガティブな口コミは改善点の素材となります。口コミを嫌う医療スタッフが多いのですが、内容をしっかりと精査することで、集患に十分つなげることが可能なのです。

WEB上の口コミ

WEB上の様々なプラットフォームなどで口コミが作成でき、閲覧することが可能な時代となりました。媒体名は出しませんが、現在でも病院やクリニック検索サイト内で口コミを同時掲載することができ、一般の方の書き込みが多々記載されております。最近、色々と問題にも発展したgoogleでの口コミ掲載もまたその一つです。スマートフォン上でgoogleエリア検索をした場合、口コミといっしょにマップ上にプロットされ表示されます。皆様もお分かりの通りユーザー目線で考えるとGoogleマップのようにトップに掲載される口コミはかなりの確率で閲覧されます。尚、少し前のdataですが、厚労省の聞き取り調査で以下のような詳細が発表されています。

画像1

図)平成 29 年受療行動調査(確定数)の概況 - 厚生労働省 引用

dataをご覧いただければわかるように、やはり口コミで来院される方が一定数いらっしゃることが見て取れます。個人的に上記はかなり古いdataのためさらに口コミでの来院数は増加しているのが現状だと考えます。現在は以前よりスマートフォンの普及等もあり、口コミに接する機会も多く、また高齢者の方のスマートフォン所有率の上昇等もこういった現象を生んでいると仮定できます。

SNSでの口コミ

近年、医療施設の内部告発等で業界でも注目を浴びていましたが、SNSでの口コミやつぶやきも大変影響力を持つようになりました。SNSの公式アカウントの設置はかなりの労力と担当者の努力が必要となることから、こちらでは詳しくは記載致しませんが、できたら不定期でもよいので、SNSで自院の情報を収集してみることをおすすめします。様々な情報とともにどういった見方を患者様や関係者からされているかが見えてくる可能性がございます。現在は効率の良いSNSのリサーチソフトもかなり幅広くローンチされておりますので、是非検索してみてもいいかもしれません。

ブランディングから「口コミ」と向き合う

口コミはこちらのアウトプットしたい内容を希望通りに伝えてくれません。操作しようなんてもってのほかです。ただ、対策はいくつか存在しています。しかし印象操作などの倫理的に問題のあるような手法はおすすめしておりません。やはり虚偽やイメージ操作はいつの日か分かってしまい、その場合のイメージダウンが計り知れなくなってしまう可能性があるからです。正直が一番です。

(「なにをきれいごとを!」とお考えの方がいらっしゃるかと思いますが、私の経験値からお話させていただくと、やはり正直なスタンスを維持されていた方が結果的にもブランディングがうまくいきました。すごい技術や機器を持っていることを伝えることも、もちろん重要な考えです。同時に、どういった方向性をめざして進んでいるか、どういったコンテンツ(診療、理念)を大切にしているか、どういった患者様にご利用いただきたいかをブランディングに盛り込んでみてはいかがでしょうか。)

ブランディングを行うことで、外側だけでなく内面やビジョンを共有することが可能となり、口コミも発生しやすくなります。また、今までわからないことで不安となっていた部分が確認できることで、ネガティブな口コミを軽減する効力が期待できます。そのためにも、可能ならば包み隠さずネガティブな施設の部分も含め、アウトプットすることで親和性や親近感を感じていただけることが重要かと考えます。

まとめ

口コミを操作することはできません。ただ、施設の外だけでなく内面を知っていただくことで正確で感情のこもった口コミ等を発生させることに結びつく可能性が高くなります。まずはどういった理念で、どういった患者様、ご家族様にご利用いただきたいかを念頭にブランディングされることをお勧め致します。広報の立場から申し上げると、この業界では人間の「心」と「心」のつながりから本質的な医療行為が成り立っていくのではないかと日々感じております。

ちなみに…

余談ですが、病院のHPには患者様の声やアンケート等(口コミ)を記載することはガイドライン上で規制されておりますのでお気をつけください。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?