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流産と不妊。自分のせいだと自分を責め続けた。森美咲さん 『痛くて不安で孤独なあなたへ 人生を取り戻す回復への物語』より

今、痛くて不安で孤独な方へ

はじめまして。
『人生を変える幸せの腰痛学校』著者の伊藤かよこです。
2019年より『人生を変える幸せの腰痛学校』の読者さんを対象にしたオンラインコミュニティを運営しています。
今回、コミュニティ有志の方がご自分の痛みの体験談と回復へのきっかけを書いてくださり、それを電子書籍にまとめることができました。

本の一部をここで紹介します

流産や不妊で、自分の身体を責め続けた美咲さん。
お気持ちはよくわかります。
そこからどう立ち直られたのか。
美咲さんの物語の一部を紹介します。

未熟児で生まれたわたしは、まわりから「あなたは身体が弱いのだから気をつけなさい」と言われて育ちました。
そのため子どもの頃から身体のことを気にかけすぎる傾向があり、いつもなにかしらの不調がありました。

夫と知り合い、テニスを始めたことを機に不調は減っていきました。
当時、軽い腰痛はあったものの、すぐに治っていたので気にしていませんでした。

その後、妊娠するも成長せず流産を経験しました。
悲しかったです。
手術後、看護師さんが抱きしめてくれて一緒に泣いたことを覚えています。

あんなにも喜んでいた夫と両親に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
わたしの身体が弱いから? わたしが身体を冷やしたから? 自転車に乗ったから? 
と自分のことを責め続けました。
「授かりものだから誰のせいでもないよ」と周りの人は言ってくれましたが、なんの慰めにもなりません。

少し落ち着いてから不妊治療をはじめました。
いつまでも泣いていないで、できることはやってみようと思ったのです。
高額な治療費と通院のための時間的な拘束。
ただでさえ病院や検査が嫌いなわたしには想像以上の負担でした。
「年齢的に難しい」「卵子が弱い」「卵管が細い」「内膜がうすいから着床しづらい」などと言われ、病院に行くたびに医師の言葉に傷つきました。
やっぱりわたしの身体は弱いんだ、普通じゃないんだと思いました。

妊娠には年齢的なタイムリミットがあります。
わたしは、自分の心身を犠牲にしても頑張りたかったし、実際に頑張りました。
夫は協力的でしたが、出張が多く月の半分は不在でした。
夫に対して罪悪感があったため、つらくても弱音をはけませんでした。
友人の妊娠報告に嫉妬し、子どものいる友人とは疎遠になり……
この頃のわたしは陰性感情でいっぱいで、しんどかったです。

望みをかけた最後の体外受精。
結果を聴かされた時にはショックでしたが、同時に、これでもうがんばらなくていいという安堵感もありました。
結果を知った母は「丈夫に生んであげられなかったからだね」と言ってくれました。
そうじゃないよと作り笑顔で返事をし、家に帰って大泣きしました。

生まれてはじめてお尻に痛みを感じたのは、結果を聞いたレディースクリニックの待合室でのことでした。
今思えば、あれはわたしの心の痛みだったのでしょう。

それからのわたしは、まわりから「子どもは?」と聞かれた時に「2人が楽しいから」「旅行が趣味なの」と明るくふるまいました。
本当はそうじゃなかった。
子育ての話を聞くのも嫌だったし、疎外感も感じていました。
でも、かわいそうな人とだけは思われたくなかったから。

仕事を再開した1年後、またお尻にピリピリした痛みを感じるようになりました。
整形外科でMRIを撮り、ヘルニアからの座骨神経痛と診断されました。
牽引をしたら痛みがひどくなり、怖くなってやめました。
別の整形外科ではこのくらいのヘルニアなら運動療法で治ると言われ、スポーツクラブ通いを始めました。
治療院通いもたくさんしました
よくなったという話を聞いては、カイロプラクティック、鍼灸、整体、心療内科でのNLPセラピー、ペインクリニックへ。
冷えとり健康法などの健康法にはまったこともあります。
お給料の半分は治療費に消えていき、それがストレスでした。

痛みが消えるいい方法はないかとネット検索するのが日課でした。
通院中は今度こそ治してもらえるという安心感があるのですが、しばらくして痛みが戻ると落ち込みました。
良くなったり悪くなったりを繰り返し、痛みに振り回されていました。
やっぱりわたしの身体は弱いんだ、ダメな身体、ダメなわたしという思いがますます強まりました
デスクワークで座り続けることがだんだんつらくなり、退職しました。
そのうち両腿の裏がピリピリしはじめました。
ヘルニアは左側なのに、なぜ両側に症状がでるの?
これはおかしい、自分で調べようと本屋に行き、腰痛、坐骨神経痛の本をさがしました。
(つづく)

わたしの大切な物語⑦ 森美咲さん(仮名)

続きは電子書籍『痛くて不安で孤独なあなたへ』でお読みください。

現在では、登山や旅行、テニスを楽しんでいる美咲さん。ネガティブな思い込みがなくなり、自分を責めなくなると、こんなにも人は人生を楽しめるのですね。
そのことを美咲さんから学ばせていただきました。
書いてくださりありがとうございます。


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