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講師が選ぶ『ベストセレクト過去問』憲法・刑法~関信敏講師セレクト~

当シリーズ『講師が選ぶベストセレクト過去問』では、「これはいい問題!」「この問題は今年の試験で大事!」といった観点から、「司法書士択一式厳選過去問集-2021ver-」より講師が選んだ過去問をリレー形式で紹介していきます。

みなさん、こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の関信敏です。

【1】今回のベストセレクト過去問

私のセレクトした過去問は、憲法平成30年第1問の「新しい人権」を問う問題です。

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【2】「新しい人権」について

「新しい人権」は非常に幅広く問題となり得る論点なので、司法書士試験においても頻繁に出題されておかしくない論点だと思います。これまでに平成17年第1問と平成30年第1問の2回出題されています。

本問は「自己に関する情報をコントロールする権利」としての「プライバシー権」だけで1問分の問題となっていますが、他に「自己決定権」に関連する問題や「新しい人権」として認められるための基準に関する「推論型」問題の出題も予想されます。

【3】本問の考察

本問は正しいものを選ばせる問題であり正解は「2」ですが、「肢イ」と「肢エ」が明らかに誤りであり、それさえ判断できれば「2」以外を全て消去できるので、正しい肢である「肢ア」と「肢オ」の判断ができなくても、組合せで答えが出てしまう易しめの問題です。

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即ち、「肢イ」に関しては「ノンフィクション作品で刑事事件の当事者について実名を明らかしたもの」が現に出版されていますし、「肢エ」に関しては「住民基本台帳ネットワークシステム」が現に稼働しているところ、「氏名等を収集、管理又は利用する行為」について「同意」をした覚えのある人は誰もいない筈です。

「憲法」については出題数が少ないこともあって司法書士受験生のレベルはあまり高いとは言えず、それに対応して問題自体も易しめなことが多いです。

知識として覚えていなくても一般的な常識で判断できてしまう肢が多く含まれています。他の科目と比べて「憲法」が勉強しづらいと感じている受験生の皆さんには是非、「自分の常識を信じる」ことをお勧めしたいです。

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