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『今はゆっくり休んでください』という甘い言葉に潜む罠

皆様、本試験お疲れさまでした。
久しぶりのクラスマネージャーの黒澤です。

今回は、本試験後に多くの受験生の方が陥る可能性がある「罠」を前もって潰しておきたいと思います。

多くの方が実感しているでしょうが、本試験後というのは結果が自分の望む方向性であれ望まない方向性であれ、開放感が半端ではありません。

また、講師をはじめとして周囲の人から今までがんばってきたということでねぎらいの言葉をかけてもらえたりします。

例えば、

「この一年がんばってきたのですから、今はゆっくり休んでください」

「あのきつい本試験を乗り越えてきたのですから、今は自分をねぎらってあげてください」

「がんばりましたね。今は好きなことをやって英気を養いましょう」

といった感じです。

確かに、あの直前期の鬼の詰め込みや、本試験午後での超高速レースのような択一を超えた後の、鬼の記述による枠ズレ疑心暗鬼ストレスでプレッシャーを散々感じてきたのですから、試験直後の一定期間は休んだほうがいいです。というより、ストレスがあるなら解消はマストです。

しかし、この「休んでください」「自分をねぎらってください」「好きなことをやって」という部分も大切ではあるのですが、実は本当に大事なのは全てに共通する「今は」という部分です。今後のことを考えるとこちらのほうが蛍光ペンで激しくマークをしていいくらいのAランク部分です。

人間というのはある一定期間同じ状況が続くとその状態を維持しようとする性質があり、これを恒常性(ホメオタシス)などといったりします。

これは勉強に関して勉強が習慣になったときにやらないと気持ち悪いと考えて勉強をきちんとやるようになるといったプラスの面にも働きますが、逆に、マイナスの面にも働いたりします。

たとえば、本試験が終わったというすさまじい開放感の中で「自分はこの1年がんばった。試験のプロも休んでくださいといってるし」ということで盛大に自分をねぎらおうと思って、その期間を決めずに今までできなかった趣味などに没頭して気づいたら1ヶ月経過してましたといった状態に仮になったとします。

そして、そのタイミングでそろそろ勉強しようかなと思って実際に動こうと思ったときにある事実に気づきます。

「あれ?・・・・身体が勉強に向かないぞ・・・」ということに。

その後、そのやる気がでない状態が延々とわけもわからなく続く⇒ネット等で『燃え尽き症候群』などといったワードを調べる自分がいる⇒なんとなく時間を浪費している自分を責めるようになる⇒鬱だ・・・というのがメンタルが大ダメージを受けるパターンです。この本試験後の精神崩壊パターンは可能な限り避けるように行動するべきです。本試験が前門の虎ならこれが後門の狼といった感じです。

具体的な回避手段としては、
①「いつまで休むか」ということを明確に日数等をカウントできる状態にした上で休みをとること
②その休む期間は長くしすぎないこと
③試験の結果はどうあれ自己分析をしてそれを元に「具体的な次の一手」を早めに決めておくこと

というのがポイントになってきます。

①に関しては「いつまで休むか」を決めておかないと人間は欲望に忠実なので開放感もあいまって休みがいつまでたっても延長され続けるといった事態になる可能性が高いからです。具体的には、「○月○日までは休む」といった感じで休む期限を作って、それまではキッチリ休むのが重要です。締め切りとメリハリが重要だということです。

②に関しては「勉強をやらない状況」が続くことで、それが自分にとっての通常状態になってしまい、上記のような恒常性が働いてしまうことを防ぐためです。勉強のために動かない時間が多ければ多くなるほど、人間それが普通になってしまい動けなくなります。

③に関しては、自分の弱点や学習上の課題を分析した結果「何をやるべきか」が決まっていないといざ動こうと思ったときに「何をやればいいんだ?」と迷ってしまい、結局何もできないということになることを避ける趣旨です。具体的には、本試験分析会などの自己分析の機会やカウンセリング等により「第三者の視点」を入れて客観的に自分にとっての「何をやるべきか」を早めに確定することが大事です。「やるべきことが明確に確定される」ということの効果はかなり絶大で、メンタルの面でヤル気というのは自分決めたやるべきことにひっぱられて出てくるということがかなりあります。自発的にヤル気にならなくても、きっちりと考えた自分自身の成長プランが自分をヤル気にしてくれるということです。

まとめると、本試験後というのは自分の弱点や課題を明確にし、次の一手を考えた上で、きちんと期限を決めた上できっちりと休み、自分で決めた再始動の時期が到来したら、迅速にその次の一手に着手することが大事だということになります。

本試験後、心が崩壊しそうな状態にある多くの方がおられるかと思われます。しかし、やはり人間というのは過去には戻ることはできないので、それを後悔するような後ろ向きの方向性での悩みはつらいだけです。がんばってきた自分を否定する必要は誰にもありません。ですから、悩むのであれば自分が前向きになれる方向性で悩むのがポイントです。耐えるのではなく自分が前向きになる思考の元に成功というのはやってくるものです。


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