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マイナー科目攻略のコツ①~科目別アドバイス~

今回は,直前期を中心に取り組む方が多いマイナー科目のうち,民事訴訟法・民事執行法・民事保全法・司法書士法の攻略のコツについてお話ししていきます。

【1】総 論

マイナー科目において共通して言えるのが,「過去問知識で正解を導ける問題が多い」ということです。すなわち,マイナー科目では,主要科目よりも増して,特に過去問知識を押さえる必要性が高いといえます。

言い方を換えれば,マイナー科目では,基本的に未出知識の習得をする必要性が他の科目に比べて低いということです。ですから,これらの科目では過去問知識への取り組みに重点を置くようにするとよいでしょう。

※ ここで「過去問知識で正解を導ける問題」と述べているのは,平成以降の過去問のすべてを対象として割り出したものです。「司法書士厳選過去問集」など問題数を絞った過去問集”だけ”を使用して学習するとなると(つまり,過去問をインプット教材として扱うとなると),知識の網羅性としては不足することになるため,その点,最終的にはテキストや答練で網羅性を持たせることを忘れないようにしましょう。

【2】民事訴訟法の攻略法

民事訴訟法は,知識がごちゃごちゃして苦手という方の多い科目です。そして,そのような苦手意識を抱く理由としては,訴訟のどの段階の知識かが分からずに知識を詰め込んでしまっているというものが挙げられます。民事訴訟法を学習する際は,「『訴訟の開始➡訴訟の審理➡訴訟の終了』のいずれの段階の項目を学習しているのか」を意識するとよいでしょう。

また,民事訴訟法はマイナー科目の中でも5問出題されるところ,出題者側にとっては多くの項目の問題が作れるため,このように過去にあまり出題されていない分野も狙われる可能性が他のマイナー科目に比べて高くなります(e.g.平成30年第1問「訴訟の承継」,第5問「再審」)。

そのため,民事訴訟法の学習においては,(最終的には)頻出分野に絞らず,過去にあまり触れていない分野も含めて網羅的に学習するのが理想です(もちろん頻出分野から優先的に学習することが大事)。

【3】民事執行法の攻略法

民事執行法については,出題範囲が1問であるわりに,条文が211条もあり,出題範囲が広範囲に及びます。ですから学習対象は過去問知識とその周辺に絞って,なるべく手を広げすぎないようにしましょう。

確かに,かなり細かい知識が出題される可能性もありますが,そこにこだわって時間を取ってしまうのは得策ではありません。

【4】民事保全法の攻略法

民事保全法については,出題範囲が民事執行法ほど広くはありませんが,総合問題がよく出題されるので,ヤマを張らずに,全体的にバランスよく学習する必要があります,また,問われるところはおおよそ過去問知識であるため,過去問知識をマスターすれば,対策として十分でしょう。

なお,民事保全手続を理解する際には,「暫定性」「付随性」「迅速性」「密行性」の4つの特性を知っておく必要があります。これらの観点から個々の知識に結び付けて押さえるようにしましょう。

【5】司法書士法の攻略法

司法書士法は範囲が狭いため,軽視されがちですが,確実に点数を取るためには,超直前期に詰め込むだけではなく,事前に知識をある程度蓄えておく必要があります。また,司法書士法は過去問の数が少ないので,答練の問題なども過去問代わりにして繰り返し解くといいでしょう。

なお,司法書士法に自信がない方には,「本試験当日における昼休みに司法書士法のテキストをざっと目を通し,午後の部が始まったと同時に司法書士法の問題を解く」という戦略もお勧めです(もちろん,本試験当日だけではなく,それまでの直前期においても学習をしておくことが前提)。

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