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過去問との向き合い方

皆さん、こんにちは。司法書士試験科クラスマネージャーの黒澤と申します。今回は、過去問をやる意味について検討したいと思います。お付き合いください。

☑取れる点数には「限度」がある

ご存知の通り、司法書士試験は過去問を全て解いていたとしても合格点が取れるようにならない試験ですから、全て解いたとしても、取れる点数には「限度」があります

もちろん、その「限度」に届かない学習初期段階の方が、受験生の中で一定の水準に届くようになるためであれば、重要な過去問に関してはきちんと解いていくべきです。

しかし、その「限度」にすでに届いている方がいくら遡って大量の過去問を解いたり、「物量戦」的な発想で過去問を解きまくったとしても、「一定の限度に届きますよ」という効果しかにしかならないです。例えば、午前では毎年24までは行くがそれ以降とれないとったような感じになるということです。ですから、合格のために実力をつけるという観点からいえば、その過去問を解く時間を他のことに使ったほうが合理的です。特に、近年においては民法が改正されたことから、過去問では学習できない新法での未出分野というのが大量にあることから、+αの点数を取るには過去問では鍛えられない部分を他の方法で鍛える必要性は高いです。

☑過去問は年がたつにつれて「増える」もの

また、過去問というのは年がたつにつれて「増える」ものですから、昔受験生をしていた合格者がやらなくてはいけなかった「全部」と現在受験生をやっている方がやらなくてはいけない「全部」は同じ「全部」ではないことになります。つまり、「過去問を全部やる」と決めている場合、年が進むにつれて勉強の分母が膨れ上がるということになります。これをやるのはコスパが悪すぎます。まさに、地獄の石積みのような状態になります。

そこで、過去問というのは一定限度の重要問題に絞ってある過去問教材で頻出事項をきっちり学習をすべきです。そして、それをクリア後、他の方法で+αを意識的に補っていく必要性があることになります。

☑+αで重要過去問を補うものは?

では、重要過去問をこなした後に、どうやって+αを補っていくのが必要でしょうか。

まず、候補として上がるのが答練や模試の問題です。これに関しては、問題演習を中心に「解く勉強」でインプットをしていく方にとっては取り組みやすいものであるかと思います。また、答練や模試というのは出題予想が含まれているものですので、「出題が予想されそうなところ」を効率よく学習できるかと思いますので大いに利用すべきです。

しかし、これだけだと欠けるものがあります。

具体的には、「網羅性」です。

確かに、答練や模試は効率良く「出題が予想されるところ」が確認できるツールです。

しかし、やはり答練や模試で出題されていない部分というのは必ず出るので、自分が受ける年の本試験に出る分野を網羅的に学習するという観点からすれば、足りません。

☑本試験に出る分野を網羅的に学習するツールとは?

そこで、網羅性があるものは何かということになりますが、結局それは「テキスト」ということになります。

過去問演習や答練、模試の演習をして、その結果を「テキスト」に反映させて、それでもまだやってない部分というのがあるかと思います。そこを重点的にきちんと最終的には読み込んでいくというのが網羅的に学習するのには重要です。合格から「自分がやっていたところが出たから受かる」という運の要素を限りなくゼロに近づけたいのであれば、網羅的な学習をすべきです。

「テキスト」というのは、過去問、答練、模試、本試験であれすべての問題に関して「元になる知識」が書いてあるものです。ですから、そこにある「元にある知識」をきちんとその「テキスト」で押さえられさえすれば、その派生系である大量の過去問演習をわざわざする必要はなく、かつ網羅的な学習が可能です。

ですから、点数に伸び悩みがある方は、ご自身が網羅的な学習をしているか、単に漫然と演習をしていないかといった点について注意してみてください。


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