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競争心が芽生えた娘を見て思ったこと

トトちゃんのかちぃー! ママはブッブー!


最近娘がよく言う。 

例えば、どちらが先におしり拭きを見つけられるでしょう!みたいな状況があるとする。そんなときは、たとえ私が既におしり拭きの居場所を特定できていたとしても、娘が先に見つけられるように仕向けなければならない、さもないと軽い癇癪を起こす。そしておしり拭きを見つけた娘が勝ち誇った顔で言うのだ。
トトちゃんのかちぃー!ママはブッブー!  

なるほど2歳の娘にとっては「相手に勝つ」が重要らしい。競争心の現れなのかな、これは。新しい感情が芽生えたんだなぁ、おもしろいなぁ、と思っていたら不意に自分の中学生時代を思い出した。勝つことへの執念が原動力になっていた頃のこと。  



中学3年間、吹奏楽部に所属していた。
自分の人生で、初めて全力で、無我夢中で打ち込んだもの。私の青春。
目指せ普門館(※ ふもんかん、吹奏楽部にとっての甲子園のようなもの)を合言葉に来る日も来る日も練習に励む。特に私の代は熱量がすごかった。めちゃくちゃな強豪校、というわけではなかったのだけど、みんなとなら実現できる気がした。
「他校に勝つ」。
それだけが私たちのすべてだった。 

でもまぁ結局、東北大会で終わってしまって。他校に「負け」た。自分たちの青春が終わった日、それはそれはみんなでわんわん泣いたけれど、後になってどれほど大きなものを得たのか気づいたのだった。それは例えば、同じ時間を共にした仲間だったり、なにかを全力で取り組んだという経験だったり、最後までやり遂げたという自信だったり。 

だから何を言いたいかっていうと、あの3年間で「勝つこと」がすべてじゃないと学んだ。「勝つこと」にこだわるのもいいけれど、案外「負けること」も大事だし、そこまでの道のりが大事だったりするよねっていう話。
「負けたことがあるということがいつか大きな財産になる」って堂本監督も言っていたし。

生きていく中で、泣いても笑っても結果がすべてなこともあるだろうけど、負けてもいいってこと、それまでの道のりが大切だってことを娘には知ってほしいな。 



—— と思いを巡らせながら、娘の方に目を向けると、

ぷりぷりのオケツ丸出しで駆け回っていた。


うん、そうだ。堅くるしい話はまた追々。 

あなたが「負け」を経験したときに。



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