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中小企業の中間管理職がテレワークをして感じたことまとめ

中小企業の中間管理職って字面からおじさん感あふれていますが、どちらかというとおばさんです。

勤務先であるメディアコンテンツファクトリー(以下MCF)は、本社は福岡で、東京・大阪・名古屋に拠点があります。本社以外は、ほぼ営業がメインの拠点で、わたしが責任者をしているマーケティング本部は東京拠点です。

新型コロナの感染拡大を受け、まず2月末に東京のみ先行してテレワークを開始。その後、3月下旬より全拠点テレワークに移行しました。

完全テレワークになって1ヶ月半ほど。
中間管理職、マネジメントの視点から、テレワークをして感じたことを書いてみます。

会社としてどうだったか、みたいなことは、社長がブログにまとめていますので、こちらをどうぞ。

リモート移行以前の社内のコミュニケーション

まず前提としてですが、MCFでは2016年からSlackを導入しており、社内のコミュニケーションは、ほぼすべてSlack上で行われているといっても過言ではないほどSlackを使い倒しています。また、拠点間でやり取りをすることがとても多いので、オンライン会議も日常的に行われていました。

わたし自身も、離れた拠点に部下がいたこともあって、リモートでの業務管理には慣れており、そこまで大きな心配や不安はありませんでした。

じゃあ実際にテレワークになってみてどうだったか。

業務が属人化しているほどテレワークしやすい

マーケティング本部は、立ち上げ1年目の新設部門です。
まだまだ部門としてかたちをつくっていく段階にあり、社内でも組織としては未熟なひよっ子部門です。ただ、今回のテレワーク移行に関しては、ひよっ子部門であるからこそ身軽に動けたと感じてます。

担当している領域としては以下のとおりです。
サービスデザイン/PR/プロモーション/インサイドセールス

インサイドセールスは営業経験の長いメンバーにほぼ任せており、他は外部のパートナーに入ってもらったり、他部門のメンバーに業務やプロジェクト単位で参加してもらったりしながら、私がメインで担当しています。
業務が属人化しているということなのですが、それゆえリモートしても困ることがほとんどありません。お互いやることやっとこう!みたいな気軽さでリモートに移行しました。

また、マーケは社内でも遊軍的な位置づけだったりするので、スポットでその時々に必要な仕事、新しい仕事が入ってくるため、ルーティン化された仕事があまりないという特徴もあります。環境が変わると、慣れるまでは多少業務効率が落ちるので、その分、必要な業務/不要不急の業務を整理して、後者は先延ばしするか、いっそのことやめてしまうか、という判断を求められますが、それがなかったので、管理者であるわたしはとてもラクでした。

ちなみに、前期まではサービス運営側の部門(カスタマーサクセス本部)で、ホームページサービスの責任者をしていました。ユーザ数も多いため、メンバーも多くいます。複数のメンバーが効率よく制作できること、また、誰が対応しても一定の水準を保てるようにするには、業務の標準化が求められます。複数のメンバーで業務を分担し、品質を担保ていくためには声がけ=オフラインのコミュニケーションが一定量必要になってくる(オフラインで声がけした方が効率がよい)ので、サービス運営側の部門は、リモート移行に結構苦労しているように見えました。
制作フローを変えたり、分担を変えたり(一時的に属人化したり)して乗り切っており、現場の責任者はかなり大変だったと思います。

文字のコミュニケーションは丁寧に、かつ多めに褒める

マーケティング本部では、週1回オンラインの定期ミーティングをして、あとで詳しく記載しますが、新入社員とは毎日業務終了時に15分程度の振り返り(1on1というやつ)を、画面越しですが、顔を合わせてやっています。

話した方が早いことはSlack通話や短時間のオンライン会議をしたりしますが、それ以外は、基本チャット、Slack上の文字でのやり取りが主です。

文字のやり取りは、簡潔に書こうとすればするほど、自分の意図と反して冷たい印象を受けます。普段ならオフラインでフォローできるので、そこまで気にしていませんが、テレワークになってからは表現に気をつけるようにしています。ただ指示や質問をするのではなく意図を説明するように心がけたり、語尾に絵文字をつけたり、「すごい」とか「いいね」とかの気持ちも文字に書くようにしたり、本当に細かい部分ですが、それだけでもだいぶ印象は変わってくると思います。

わたし以外のメンバー同士のやり取りにも、積極的にリアクションを入れるようにしています。

離れている人とギスギスしてしまうとお互いにすごくやりにくくなると思うので、多少そこに時間が取られたとしても、丁寧なコミュニケーションは必須だと感じます。

MCFではSlackのカスタム絵文字がカオス化するほどたくさんあるので、絵文字だけでもいろいろなリアクションし放題です。

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MCFのSlack絵文字についての社長ブログ

あとは、いつもよりオーバーに見えても、褒めることは大事だと思います。

個人的に感じたのが、リモートで1人で仕事をしていると、気分的に落ちてしまったときに浮上するのが難しいということ。オフィスなら誰かと話したりして、気分転換できますが、リモートオフィスだとそういうわけにもいかず、気持ちの切り替えが難しいなと思いました。

なので、ネガティブなことは真綿にくるみ、ポジティブなことにはオーバーリアクションを心がけています。気づいたことは自分の部門かどうか関係なく(むしろ誰かれ構わず節操なくw)Slackで褒めています。

Slackで褒めるときは、DMやThreadにせず、チャンネル上で他の人の目に触れるようにした方がいいです。そうすると、他のメンバーもリアクションしてくれて、褒める輪が広がります。

恥ずかしさがあって褒めるのが苦手という方は、些細なことにも「ありがとう」という言葉を添えて、感謝を伝えるというのもいいと思います。

最終的に帳尻が合えばOKくらいのゆるさが必要

当たり前ですが、リモートだと今この瞬間にメンバーが何をやっているのか見えません。Slackで返事やリアクションがないと、ヤキモキするということもあります。トレイに行っているかもしれないし、取引先と電話をしているかもしれないけど、もしかしてサボってる?なんて思ってしまうこともあるかもしれません。

もともとMCFは、社員の自主性を大切にするカルチャーということもあって、わりと管理はゆるめな方だと思います。社会人としてやることはやろうねという感じで、ある程度の自由が認められています。

なので、定期的に進捗管理をして、必要があれば軌道修正をしますが、ギチギチの管理はしていません。多少サボった時間があったとしても、最終的に帳尻が合えばOKというくらいの気持ちで構えていた方が、管理者側の精神衛生上、良いと思います。そんな適当な管理でも、今のところ、仕事が滞ったということもありません。(メンバーが優秀ということもあるんですけど)

テレワークが推し進められる中で、社員のPC監視ツールが話題になったりしましたが、普段からマイクロマネジメントをしている企業は、大変なのかなと思います。

テレワークだと難しいと感じること

業務やコミュニケーションに関しては大きな問題は感じていませんが、やはりリモートだと難しいなと感じることもあります。

 特に最近感じていることは以下の3点です。

1)新入社員のカルチャーフィット
マーケティング本部では4月から1名新入社員を受け入れました。
営業部門で採用していたのですが、このご時世で営業同行で研修をしたりするのが難しく、急遽インサイドセールスで研修をすることになりました。

インサイドセールスは、有り難いことにかなりWEBデモ(オンラインでの商談)の依頼が多くなっており、オンラインであっても商談に同席してもらって、ある程度、経験はつめています。業務の研修とい意味ではリモートでもそんなに大きな問題は感じていません。

ただ、オフィスにいれば肌で感じられたであろう空気感みたいなのを共有するには限界があるなと思っています。

毎日、その日の振り返りで10〜15分程度オンラインでつないで顔を見て話をしていて、なるべくMCFのこと、どんな人がいて、どんな仕事があって、ということを意識的にするようにはしていますが、それでも伝えられることには限りがあります。さらに、部門内外のメンバーにも個別で電話をしてもらったり、SlackのDMでやり取りしてもらったりとサポートしてもらっているため、新入社員の孤独感は払拭できているかもしれませんが、ほとんどのコミュニケーションが1対1なんですよね。複数人が同じ空間にいることでしかわからないメンバー同士の関係性とか、仕事のスピード感とか、そのへんが伝わりにくいんじゃないだろうか、と思っています。

2)他部門の動きが見えにくい
MCFのマーケティング本部は、広報の役割も担っているので、普段から社内で起きていることにはアンテナをはっているつもりです。

全社的に完全リモートになってからは、いつも以上にSlackをよく見るようにしています。自分宛でなくても、やり取りを見ていたりすると、へーこんなことやっているんだとか、こんな問題がありそうだなー、これはネタになりそうとか、マーケ的に仕事のヒントになることがたくさん転がっていたりします。

ただ、新しくこういうことをはじめようと思っているとか、現場でこんなことで困ったとか、ちょっとした雑談レベルの話題ってやっぱりオフラインのコミュニケーションの方が向いているなと感じます。Slackで気軽にコミュニケーションをできるとはいえ、細かいことや自分が考えていることってわざわざ文字にしてあえて発信することってそんなんに多くありません。

日常の雑談から見えていたような他部門の動きは、少し見えにくくなっているなと感じます。逆に、他部門からすると、私の部門の動きも見えにくいと思うので、なるべく些細なこともSlackで情報共有するように心がけています。(特に何のリアクションもなく、すん、とされるとこもあるけど、こういうとき、中間管理職は折れない心が試されている気がするw)

3)組織としての意思決定
この状況下、社会的情勢が目まぐるしく変化しているので、会社として、サービスとして、新たにはじめること、方針を変えるべきことが結構出てきているなと感じます。切り捨てる部分も出てくるので、こちらを立てればあちらが立たず、というようなセンシティブなことも含まれます。

普段だったら、直接会ってごにょごにょやるようなことができない!
そう、オンラインってごにょごにょするのが難しいんですね!!

管理職にとって、部門間の調整も大きな役割の1つだと思いますが、その調整の多くは管理職同士でごにょごにょして解決してることが多いということに改めて気付かされました。

管理職になりたての頃は、それが正義と言わんばかりに、正面突破しようとして全身傷だらけになる、という痛い経験をたくさんしてきて(今考えると、ちょっとアホな子だった)、ごにょごにょスキルが多少上がったと思っていましたが、リモートごにょごにょはまだまだ修行が足りない。

こういうときは、わりと社長がトップダウンでえいやっとやってしまった方が早いなと思いました。(打ち手を間違えると社長が傷だらけになるけど、傷はいつか癒える)


テレワークになって早1ヶ月半。
そこまで大きな問題はなく仕事はできているとはいえ、そろそろ社内のみんなも在宅に飽きているなと感じます。わたしもそろそろみんなに会いたい。

ただ、今回のテレワークは会社にとってはとても良い経験だったというのも正直な感想です。MCFは、緊急事態宣言が明けても、BCPの観点から、ある程度テレワークの仕組みを残すことになりそうです。オフィスで仕事をしながらテレワークを導入したときのことを考えるよりも、実際にやってみた結果、どういうルールやツールが必要かを実体験のもとに考えることができたのはよかったです。





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