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01 デヴィッド・グレーバーの生涯|現在

David Rolfe Graeber(1961年-2020年):

アメリカの人類学者で、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの人類学教授を務めた。

『負債論──貨幣と暴力の5000年』、『官僚制のユートピア──テクノロジー、構造的愚かさ、リベラリズムの鉄則』、『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事の理論』などの著作で知られる。

1961年、ニューヨークのユダヤ系労働者階級の家庭に生まれる。母のルース・ルービンスタインは縫製労働者であり、1930年代に国際婦人服飾労働者組合が上演したミュージカルで主役を演じた。父のケネスは、青年共産主義者連盟に所属し、スペイン革命に参加し、スペイン内戦に従軍した印刷職人。少年時代の趣味はマヤの象形文字の翻訳。考古学者から評価され奨学金を獲得。16歳からアナキストであったと語る。
1984 年、ニューヨーク州立大学パーチェス校で人類学の学士号。
1987年、シカゴ大学で修士号を取得。
※ The Generalization of Avoidance: Manners and Possessive Individualism in Early Modern Europe.
1989年からマダカスカルのベタフォで20ヶ月のフィールドワークを行う。
1996年、マーシャル・サーリンズのもとで、マダカスカルの民族誌調査に基づく魔法、奴隷制度、政治に関する研究により博士号を取得した。
※ The Disastrous Ordeal of 1987: Memory and Violence in Rural Madagascar.「1987 年の悲惨な試練: マダガスカル農村部の記憶と暴力」
Catastrophe: Magic and History in Rural Madagascar 2004

https://core.ac.uk/download/pdf/328056007.pdf

1998年から、イェール大学人類学部の助教授。
2002年、ニューヨークで開催された世界経済フォーラムに対する抗議活動
2001年、"Toward an Anthropological Theory of Value" 『価値論 人類学からの総合的視座の構築』(以文社、2022年)
2004年、社会階層と政治権力。
2005年、大学は契約を更新しないと決定し、物議を醸す。
※4,500人以上が彼を支持する請願書に署名し、マーシャル・サーリンズ、ローラ・ネーダー、マイケル・タウシッヒ、モーリス・ブロックなどがこの決定は政治的な動機によるものだと訴えた。1年のサバティカル中に20件の公募ですべて落とされ、イギリスへの学術亡命を決意する。

2007年、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ講師(Reader)。
2010年、歴史人類学から借金と社会制度の歴史的な関係を探究した代表作“Debt: the First 5000 Years”『負債論:貨幣と暴力の5000年』(以文社、2016年)
2011年、ウォール街占拠運動。「 We are the 99% 」というスローガンで有名に。


2013年、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)教授。
※ “Advanced Theory in Anthropology.” (Michaelmass Term, 2014;
Michaelmass Term, Lent Term, 2016)
• “Theoretical Issues in Anthropology: Precepts & Practice.” (Michaelmass
Term, 2014, Michaelmass Term 2016, Michaelmass Term 2017)
• “Anthropological Approaches to Value.” (Lent Term, 2014, Michaelmas Term
2016, Michaelmas Term 2017)
• “LSE 100.” Lecture on Social Movements, Puppets, Symbolic Analysis.
(Michaelmass Term, 2015)
• “Ethnography and Theory.” (Lent Term, 2016, Lent Term 2017)

2013年、『Strike!』誌に投稿したエッセイでブルシット・ジョブズという概念を生み出し、「従業員ですらその存在を正当化できないほど完全に無意味、不必要、または有害な有給雇用」の蔓延が17カ国で翻訳。
2015年、現代資本主義における官僚制と管理主義を批判した“Utopia of Rules”『官僚制のユートピア──テクノロジー、構造的愚かさ、リベラリズムの鉄則』(以文社、2017年)で、官僚制に安住する現代社会に警鐘。
2018年、“Bullshit Jobs: A Theory”『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事の理論』岩波書店、2020年)

2020年、休暇中のヴェネツィアで突然亡くなった。
※ 師のマーシャル・サーリンズによる追悼文(以文社)

http://www.ibunsha.co.jp/contents/sahlins-graeber/


ブルシット・ジョブ・テーゼ(BJT): @ロイヤル・ソサエティ・オブ・アーツ(RSA)の講演から

BJTは2 つの主張に基づいています。
第一に、労働者は実際に自分の仕事を嫌っているか、少なくとも仕事に意味や喜びを見いだしていないということ。
私たちが仕事をする唯一の理由は、必要性と労働倫理による強制的な効果からです。

第二に、すべての仕事の半分が「無意味」であり、社会的価値がなく、個人的、職業的、または社会的なコストを費やすことなく廃止できる可能性があります。
それらが存在する唯一の理由は、ボスに地位や権力があること、または時間が満たされていることを示すためです。

この 2 つの主張は、「雇用形態は、それを行う人々にとってまったく無意味であるとみなされる」という見解によって結合されます。

2015年のYouGov世論調査に基づいている。この世論調査では、英国の労働者の37%は、自分たちの仕事は存在する必要がないと考えていることが示されている。問題は、37%もの人が自分の仕事は「世界に対して有意義な貢献」をしていないと回答したことです。

主な著作:

  1. "Debt: The First 5,000 Years" (2011) - In this book, Graeber explores the historical and anthropological aspects of debt and argues that debt and credit systems have shaped human history and social relationships.

  2. "Fragments of an Anarchist Anthropology" (2004) - Graeber presents an anarchist perspective on anthropology and discusses how anarchism can be applied to various aspects of social life.

  3. "The Utopia of Rules: On Technology, Stupidity, and the Secret Joys of Bureaucracy" (2015) - This book examines the role of bureaucracy in modern society, its impact on individual freedom, and the ways in which it can be challenged.

  4. "Toward an Anthropological Theory of Value: The False Coin of Our Own Dreams" (2001) - Graeber delves into the concept of value, questioning mainstream economic theories and proposing an alternative anthropological approach to understanding economic systems.

  5. "Direct Action: An Ethnography" (2009) - Based on his fieldwork and personal experiences, Graeber explores the practice of direct action and its role in social and political movements.

  6. "Revolution in Reverse: Essays on Politics, Violence, Art, and Imagination" (2011) - This collection of essays covers a wide range of topics, including anarchism, revolution, political theory, and the relationship between art and politics.

  7. "The Democracy Project: A History, a Crisis, a Movement" (2013) - Graeber reflects on the Occupy Wall Street movement and discusses the challenges and possibilities of building a more democratic society.

続く。。


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