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田舎で服を売るわけ。

無事に2日目を更新しています。
昨日の記事でもご紹介したのですが、
奈良県の五條市と、広島県の志和というエリアを拠点にしているイトバナシ。

どちらもいわゆる「田舎」なのですが、
なんでこんな場所でアパレルのお店なんてやってるんでしょう。

それにはいくつか理由があるのですが、以下の3つが大きい気がしています。

1.田舎はとても素敵なコンテンツ
2.自分たちの意思決定の範囲が狭くてわかりやすい
3.ファミリーのようなお客様に出会える

1.田舎はコンテンツ?

まず、田舎と一口にいっても全然ちがう魅力がある。

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この街並みは、奈良県五條市。
私が生まれ育った町です。

人口3万人の小さな町ですが、昔は高野山への街道として宿場街として栄えたこともあり、およそ1㎞まっすぐな町家通りが続きます。

ここが通学路だったのですが、昔はまっすぐ続く道が途方もなく感じられてすごく嫌でした。笑
今からおよそ20年前、今ほど地域活性化も言われておらず本当に昔からの商店だけが建ち並んでいて、子供の私にとっては”なんにもない”町でした。

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通学路での唯一の楽しみは、このお餅屋さん(お饅頭屋さん)で買い食いすること。
「ひとつばし」のフライ饅頭は本当に美味しくって、毎日下校途中におばあちゃんから買っていました。

大学で広島に行き、社会人になって地元に帰ったとき、
お餅屋さんは閉店し、景観保持のためのサンプルが飾られ、
20代で移住した人が少しずつ増えていて、
子供の時見ていた景色とは全く異なる世界がそこには広がっていました。

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改めて街歩きをすると、「うなぎの寝床」と言われる、縦にながーい町家が奥にどしんと構えていて、なんて面白い構造なんだろう!と思いました。

燈台下暗しとはその通りで、奈良に住んでいると世界遺産・国宝・神社仏閣が身近すぎて、歴史あるものに意外に触れてこなかったことを初めて後悔しました。

奈良がいい、五條に拠点があるとなんてわくわくするんだろう、と思っていた矢先、今の刺繍と暮らしの研究所のある「みよし邸」に出会い、その場ですぐに「ここ、貸してください!」と言いました。

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2019年6月に研究所をオープンし、オフィスとして約一年過ごしました。

研究所のお隣は星付きレストランの「源兵衛」さん、
近所には週末だけ古民家を借りている同世代の女の子や、
ゲストハウスを営む若いご夫婦など、
毎日集まっても飽きないぐらい面白い人とたくさん出会いました。

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どうでしょう?
五條に暮らす人たちにちょっと会いたくなりませんか?
これが田舎の魅力だと思っています。

上の写真は、研究所開設イベントにお越しくださったお客様たち。
東京や横浜から、わざわざ行ったことも見たこともない奈良県五條市に遊びに来てくれた方もいます。

いわゆるアパレルショップをやっていたら、こんなことってあったのかなと思うんです。

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どーん!次は茅葺屋根の古民家です。
今はなかなか見かけなくなりましたよね。

この茅葺屋根のおうちがあるのが、第二の拠点になった広島志和。
元々、イトバナシ副社長の杉川が学生さんたち一緒に、4年前にリノベーションを行い、「ほたる荘」という小さな図書室としてコミュニティスペースのように使われていました。

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五條の街並みと違って、志和は 民家・畑・民家・畑のくりかえし、のような里山の原風景が広がる場所です。

五條は奈良県というひろーい盆地の中の町家街ですが、志和はそこだけぽっくり切り取ったような小さめの盆地で、農地と茅葺屋根のある古いお家がぽつぽつ建っているイメージ。

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このほたる荘、外観からは想像できないくらい素敵な内装で、手作りの本棚に手塗りの天井など、リノベーションの工夫が垣間見えます。

私がほたる荘に出会ったのは2017年。
たまたま縁あって泊めてもらったのをきっかけに、
人がゆるやかに集まり、自由に時間を過ごす―――
そんなほたる荘の運営にも魅力を感じるようになりました。

そして2020年春。
広島の百貨店さんに出店しているときに緊急事態宣言が出ました。

突然失った売り場と仕事スペース。
明日からどこで仕事しようと思ったときに、
「ほたる荘、使っていいよ」と声をかけてもらって、
ひょんなことから、里山暮らしを始めました。

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↑ Youtubeもほたる荘の中で撮影しているのですが、
この里山暮らしシリーズが、商品紹介よりも実は人気で、
みなさんの関心が、まさに「暮らし」にあるのだと感じています。

どうでしょう?
ちょっと志和のほたる荘も気になりませんか?

田舎と一口にいっても
広がる風景や空気が全然ちがう2つの場所。
そこに ”わざわざ” 来ていただくことで感じられる価値がある。

それが田舎最大の魅力だなと。
もし同じような建物が東京や大阪にあっても、
それはそれで面白いと思うのですが、
周りにもっと面白くて新しいコンテンツがあれば
きっと比べられて、見劣りしてしまう。

「見劣りしない環境からつくる」

それは逃げでもなんでもなくて、
田舎を魅力的なコンテンツにするために大切なことだなと。

さてと、
この続きは明日書こうと思います。
皆さま今日も一日お疲れ様でした。

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