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#005 スモールビジネスをそのままデータ化する方法。

前回の、#004 ビジネスをどうやってキロクするのか? では、持続可能なスモールビジネスを行う上では、

・お金の動きを 集計した数字を見るのが重要 で、

・集計するための 手段は 「簿記」 というものなんだけど、

・簿記をガッツリ勉強しなくても集計できる、便利なツールがあるよ!

という話を書きました。今回は、その「便利なツール」がどんなイメージなのかを見て行きます。

ビジネスの流れをそのままデータにしてしまうという発想。

ビジネスの流れって何よ?と思われるかもしれません。わかりやすい飲食店の例を見てみましょう。

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①お客さんが料理を注文

②店員が注文を伝票に書く(さすがに最近はハンディPOS端末に入力か、iPadなどのタブレット端末からお客さんが直接注文を入力することが多いですね)

③厨房では注文内容が表示され、お料理を準備

④お料理をお客さんに提供

⑤お会計はレジにて、現金やクレジットカードで代金を受け取る


という、一連の流れがあります。これは飲食店ビジネスのうち、「売上」の流れを示したものです。

従来、これをビジネスとしてキロクしておこうと思うと、

①毎日閉店後にレジ締めを行い

②レジから一日の売上情報を出し

③一日の売上金額とレジ内の現金残高が合うかどうか確認をし

④現金出納帳(ノート等)に売上、現金残高などを記入して保管

⑤月末に、1か月分のノートを見て会計ソフトへ入力する

というような作業が必要でした。

ところが、最近の便利ツールを使うと、

レジでお会計をしたら、その日の最後にまとめて会計ソフトへ売上のデータを流して、集計もしておいてくれる。現金で回収したのか、クレジットカードで後日入金されるのかも自動で集計完了

なのです。

何が変わったかというと・・・

従来はレジという機械と会計という機械に物理的になんのつながりもなかったために、その間の情報のやり取りは人間の手作業で行っていたのが、今はレジという機械に入れた情報をそのまま会計という別の機械にデータとして自動的に流すことで、レジで入力すれば会計上の集計まで瞬時に完了するようになったのです。

Before↓

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After ↓

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こんなのは、あと数年すれば当たり前の時代になると思うので、こうして一生懸命説明しているのは今だけのことだろうなぁと思うのですが、実際に2021年時点では、まだまだ旧式で会計入力をせっせと手入力している会社が圧倒的に多いのが現状です。

成果物としては同じ。だけど、スピードとかかる手間が比べものにならないほど違う。

旧式であろうと、新式であろうと、出てくる成果物は実は同じです。冒頭で書いたように、数字を集計するための背景には「簿記」のルールがあり、結果としてアウトプットされる集計結果は同じです。

そうです、#004 ビジネスをどうやってキロクするのか? で書いたとおりどんな方法であっても最後に、比較可能で客観的な数字の情報を得られれば目的達成なのです。

しかし、この数字の情報は、鮮度がとても大事なのです。ビジネスをしている方であれば感じることだと思いますが、2~3か月前のことを振り返っても、すでにその2~3カ月の間に状況は刻々と変化しているし、ひどいときには対策も手遅れになっていることもあるでしょう。それに、記憶ほどあいまいなものはありません。2~3か月前の数字を見ても、その時に何をしていたからそういう結果になったのか、振り返ってみること自体が難しくなります。振り返って思い出せるのはせいぜい1か月前くらいのことでしょうか。数字を使うということは、数字とその裏付けになる行動との関連性を適切に読み解き、次の行動につなげていくということです。ですから、その数字自体が鮮度あるほうが、次に出る行動を素早く決めて動くことができるのです。

スモールビジネスだからこそ。

スモールビジネスでは、ビジネスの流れがそこまで複雑化していないケースがほとんどです。だからこそ、全体の業務を見直して最適化するのも比較的短期間で可能です。これを大企業でやろうとすると数年がかりのプロジェクトとなるケースもあります。そういった意味では、変化に強いのはスモールビジネスかもしれません。

スモールビジネスで基本となる業務は、いくつかのプロセスに分類することができます。そのプロセスごとに業務をうまくデザインすれば、上述の飲食店の例のように見たい数字をいち早く見える状態にできるのです。

スモールビジネスでは人員も資金も大企業のように多いわけではありません。だからこそ必要最低限のリソースで大きなパフォーマンスを出す、これこそがスモールビジネスの醍醐味でもあるのです。

次回からは、基本となる業務のプロセスごとのデザイン例に迫っていきたいと思います。お楽しみに!

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