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『糸と魚と川Vol.02』イベントレポート② トークセッション編

2022年2月24日、駅北広場キターレ in 糸魚川にて「外と中、関係人口とローカルプレーヤー・企業・団体との接点をどう作り広げていくか?その先の未来は?」をテーマに2人のゲストをお招きして、第2回となるトークセッションがおこなわれました。

本記事は、前回記事に引き続きトークセッション編の内容をまとめたものです。

前回の記事はこちら。
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『糸と魚と川Vol.02』イベントレポート① ~3Mプロジェクト&複業人材マッチング~

◎共感による複業マッチング

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山崎:今日のテーマである複業について深掘りしたいと思います。糸魚川って複業の文化がまだまだ根付いていないんですよね。そんな中、猪又さんは昔から複業人材とコミュニケーションをしていますが、詳しくお聞かせいただけますか?

猪又:3Mプロジェクトの会議を月に1回ペースで開催していますね。今はコロナ禍で糸魚川に来れていないのですがオンラインで開催しています。毎回、多岐に渡る職種の第一線で活躍する方3~4名に参加していただいていています。

きっかけは、とある方に複業人材を紹介してもらったのが始まりでした。その時もオンラインで顔合わせをし、3Mプロジェクトについて話したら「ぜひ関わりたい」と言われたんです。何回か会議をするたびに「どんなところで悩んでいるか」と聞かれ、壁打ちミーティングをしないかと提案されたのが入り口ですね。

山崎:壁打ちしたくなるものを猪又さんが提供しているからだと思うんですよね。なので、復業したいと思う人が興味を持っているんじゃないでしょうか。お金ではない何かに共感するんでしょうね。

続いて、実際にお金ではなく『酒払い』というお酒が報酬になるマッチングを実現した室田さんのお話を聞かせていただけますか?

室田:課題を抱えていても何が課題か分かっていない会社さんが多いんですよね。そのタイミングから複業でマッチングすると、問題の洗い出しから始まるんです。そこには同業種だからこそ出来る提案もあれば、異業種だからこそ出来る提案もあって見ていて面白いですね。

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他にも本来であれば応募者の中から選定して面談をしてマッチングするのが通常の形なんですが、応募者全員と面談する会社さんもいるんです。そうすると面談のタイミングでワーカーさんのアイディアを良い意味で盗んじゃうこともあるんですよ。僕らからすると全員分のマッチングーフィーをもらえたらって思うんですけどね(笑)

渋谷:明確に「これを複業でやってほしい」って言える会社さんって少ないですよね?

室田:明確に仕事内容が決まっている人は、ランサーズなどの大手の複業マッチングサイトを利用したほうがいいんですよね。地方では何が課題か分かっていない会社さんも多いので、ワーカーさんと「一緒に課題を洗い出して解決していこう」っていうスタンスのほうがマッチングしやすいんです。

山崎:募集要項によっては『ともるい』に掲載してもらえないこともあるんですよね?

室田:掲載する判断要素としては「お金になるか、ならないか」っていうよりも「面白いか、面白くないか」です。なので掲載できる案件を安定的に確保できないというのが今の課題ですね。

山崎:糸魚川でも猪又さんの会社が先駆者として『ともるい』を活用していただいたら、他のみなさんも付いてくるかと思いますが、いかがですか?

猪又:もし良ければお願いします(笑)


◎Uターン&R(ルーツ)ターンをして思うこと

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山崎:猪又さんは上京して数年してから糸魚川にUターンしましたよね。そこから更に年月が経ったわけですが、今はどんなお気持ちですか?

猪又:高校卒業する段階では、家業を継ぎたいとは思っていませんでしたし、トレンディドラマのような東京生活に憧れていたので「こんなクソ田舎には二度と帰ってきたくない」って思っていましたね。それでも数年後に様々な理由で糸魚川に帰ってきて家業を継ぎ、20年ほど経ちますが、今になってみると「絶対に帰ってきて良かった」っていう想いしかないです。

「故郷を持つことを羨ましい」と東京の人は言いますが、お金を稼ぎたいっていうよりも誰に喜んでもらいたいかって、生まれ育った街の地域の人、自分を育ててくれた大人、慕ってくれる後輩や同級生、そして従業員の顔を見ながら仕事ができることが本当に幸せだと実感しています。

山崎:室田さんは新潟にRターンしていかがですか?

室田:言ってしまえば、たまたま新潟大学に進学したっていう話なんですよね。それに出身地の群馬県前橋市も捨てたわけではないんですよ。人の思い入れのある土地って、その土地での成功体験が影響していると思うんです。

僕の場合は成功はしていないんですけど、挑戦したときに「たくさんの人が支えてくれた」って感じたことが新潟を好きになった理由の1つです。東京でヤフーを退社した後も、群馬に戻るなど色々な選択肢がある中で「新潟で何かをしたい」って思えたルーツは、新潟での挑戦したときの体験が影響していますね。

「そのときに支えてくれた人達と一緒に何かをやりたい。新潟で何かを成し遂げたい」って思って、ヤフーを辞めるか迷っていましたが、決断をして新潟にやってきました。

山崎:渋谷さんはいかがですか?

渋谷:仕事がきっかけでいいと思うんですよ。私は元々新潟にご縁が無かったんですが、この3年で急に繋がりが強くなりましたね。自宅や職場から離れた居心地の良いサードプレイスとして、糸魚川が好きになっていきました。

そんな糸魚川を周りに自慢したいし、もっと知ってほしいと思っています。もう糸魚川と2拠点生活をしたほうがいいですかね?

山崎:そうですね、私はそのようなつもりで動いています(笑)

渋谷:でも冗談じゃなくて考えたことはありますよ。それってやっぱり糸魚川と関わるきっかけがあったからですよね。

山崎:渋谷さんは今週2回も糸魚川に来ていますからね。

室田:Facebookを見て、ビックリしましたよ。連泊しているのかと思ったら日帰りだったんですよね。

渋谷:今度は家族みんなで来ますよ。

猪又:山崎さん、今度糸魚川市にかけあって渋谷さんのバーチャル住民票を発行しないといけないんじゃないですか?

渋谷:エストニアみたいですね。ぜひお願いします。


◎糸魚川での妄想

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山崎:最後にお二人の糸魚川でのやりたいことなど妄想をお聞かせください。

猪又:先ほどお話しした3Mプロジェクトは十分妄想ではあるんですけど、自分の仕事に繋げるという意味では、糸魚川には空き家が非常に多いので、そこに注目していますね。

糸魚川には「いえかつ糸魚川」っていう空き家・空き店舗の総合相談窓口センターがあるんですが、僕もそこの立ち上げに関わっているんです。少しずつ回るようになってきたのは嬉しいんですが、まだまだ活かし切れていないんですよね。そこに新しい人をどんどん巻き込んで、イノベーションを起こしていけたらと思います。半分仕事で半分まち作りですね。

山崎:サイトの閲覧数も多いし、凄く可能性を感じる事業ですよね。猪又さんがもう一人二人いれば、もっと力を入れられますよね(笑)次に室田さんの妄想をお聞かせくださいますか。

室田:日本の人口が減っていく中で、その人口を奪い合っても意味がないんですよね。世界と戦って行くには、人口の流動性って大切なんですよ。「色んな人が色んな会社に勤められる世界になっていってほしい」ということと、地方で挑戦することがカッコイイと思えるような文化を作りたいと思っています。

東京に居た人が地方に帰ると逃げて帰ったかのように思われる文化がまだまだ根付いている気がするんです。ですが東京に限らず地方で挑戦する人が増えれば面白いと思います。今ある製品やサービスって、どれもが誰かの熱量で生まれたものなので、そういった熱量を持った人が増えれば、地方に限らず日本全体が活性化していくんじゃないかと思いますね。

そんな人達が複業などで様々なプロジェクトに関わっていけば、もっともっと活性化して良い国になるんじゃないでしょうか。

山崎:糸魚川もそんな街にしていきたいと思いますね。

と締めくくり、今回のトークセッションは終わりを迎えました。

『糸と魚と川Vol.03〜働き方多様性と地域の活性化〜』のレポートはこちら。
↓↓↓
https://note.com/ito_sakana_kawa/n/n94b2abb5a16c

今回のイベントのアーカイブ動画をの様子を見るならこららから。
↓↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=6ciW4vPuxd0&t=5124s