#ひろしまタイムライン と戦争を知らない子供たち

昨日は75年目の広島の原爆記念日だった。

Twitterでは #ひろしまタイムライン というハッシュタグがトレンドに入っていた。私はこのハッシュタグと企画を友達のTwitterによるリツイートで知った。

もしも75年前にSNSがあったならという想定で、当時実際に広島で生活されていた3人の方、当時中学生だったシュン、当時報道記者だった一郎さん、当時妊婦だったやすこという3人がそれぞれのアカウントで原爆の投下された1945年の1年間を実際の日記をもとにツイッターでつぶやくという企画のものだ。

昨日はその原爆が投下された日、3人の1945年8月6日の日記を元にしたツイートがものすごく生々しく書き込まれた。


私は子供の頃から「はだしのゲン」という漫画を小学校の図書館で読んでいたり、父親から広島の原爆の写真集をもらって読んでいたこともあり、実際に修学旅行で原爆資料館も訪れたことがある。
だから原爆の恐ろしさはわかっているつもりでいた。

しかし、その当時そこに生きた人のリアルな手記を読んだことはなかったので歴史的事実だけを知ったつもりでいたが、実際にそこに住んでいた人のリアルな体験談は読んだことがなかった。


そんな私に彼らのツイートは原爆の別の側面の恐ろしさを思い知らせてくれた。誰かの客観的な視点を入れずに伝えられてくる生々しい情景は平和な今を生きる私にはなかなか想像もできないものだった。


3人のアカウントのツイートに対するリプライがまた非常に素晴らしいと思った。10代や20代とみられる戦争については全く縁もゆかりもない世代の人たちが彼らのツイートに感情移入して感想を伝えるツイートは平和な今の礎に彼らの苦労があったことをしみじみと感じるものや今生きていることへの感謝などすごくポジティブなものが多かった。

映画やドキュメンタリーなど良質な戦争関連のコンテンツはあるもののなかなかとっつきにくいものではあるが、Twitterの中でこうしたコンテンツがツイートとして手軽に展開されるところに若者が非常に入りやすかったのだろう。

終戦から75年を迎え戦争を体験し生きた人が寿命を迎えられる中でこういった取り組みは若い世代に戦争の悲惨さと平和の尊さを伝えるのにぴったりとハマる企画だっただろうと思う。


私もこの企画に刺激を受けて、小学生4年の娘と話した。

「今日は何の日か知ってる?」

娘はポカンとしていたが私が真剣に話し始めるとiPadで観ていたYouTubeを止めて真剣な眼差しで聞いてくれていた。

日本は世界の国々と戦争をしていたこと。
多くの人が原爆の犠牲になったこと。
人と人が主張し合う限り戦争は起こり得るということ。

それに対して娘は「マジで!」「ヤバ!」と今どきの反応をして返してくれたが、そういう現実があったということを初めて知ったらしく少しショックを受けてしばらく考えていたが、

「感謝しないとね」

と少しわかってくれたようで話して良かったと思った。

私が子供の頃は道徳の時間などでこういう戦争についての話を聞いたり映画を見たりということがあったが、今はどうやらそれほど小さい時には近代の歴史のことについては教えていないようだ。


今回このひろしまタイムラインをきっかけに初めてといってもいいくらい娘と真面目に語り合えたことは良かったと思う。

できれば触れたくないことや現実から目を背けたくなることもあるだろう。
でも歴史的な事実を直視し知ることもなければ先人たちが戦い犠牲になってきたことが無に帰すことになってしまう。

私自身が勉強不足なので娘に「もっと学べ」とは言わない。ただ歴史的事実を知らせるのは私の親としての仕事なのだと思う。


「知る」ことから始まるのだ。

一人でも多くの人がこのTwitterでの取り組みを知ってほしいものである。

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