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形式知にしづらいノンテクニカルスキル

前回の「PM Award 2021」の紹介で「プロジェクトマネジメントはスポットライトを浴びてない印象」と書きました。

プロジェクトマネジメントに関心を持ってもらいにくい理由に形式知にしづらいということがあるのではないかと考えています。

全くできないというわけではないですが、テクニカル(技術的)スキルに比べると、マネジメントに必要なコミュニケーション・チームワーク・リーダーシップ・状況認識・意思決定といったノンテクニカルスキルは言葉に表すことも難しく、また言葉だけで理解することも難しいです。

PMIで策定している「PMBOK」や、ITコーディネータ協会で策定している「IT経営推進プロセスガイドライン」、他にも書店に行けば沢山の自己啓発本があります。

もちろんこれらを否定するものではありませんが、これらの本を読めばすぐにノンテクニカルスキルを身につけて実践できるかと言えばもちろんそんなことはありません。

それに比べると技術的なことは、テキストに書いてあることをそのまま実践すればとりあえずそれらしきことはできてしまいます。
そういう意味で技術的なことは手っ取り早くスキルアップできるし、目に見える効果も得やすいのかと思います。

逆にノンテクニカルスキルは、プロジェクトの状況であったり、関係者の性格や感情であったりといったさまざまな場面に応じて使い分けも必要ですし、何かひとつやればすぐに効果が見えるものではありません。
効果が見えづらいということは、即ち興味を持ちづらいということになるのでしょう。

ただ、スキルというものはそれが特化されていればいるほど、その場面では即効的に働くものの、それ以外の場面では全く役に立たなくなるという面があります。

確か糸井重里さんが仰っていたと思うのですが(出典は思い出せませんでした)、「手っ取り早く身に着けられるスキルは、すぐに役に立たなくなる」という趣旨のことを仰っていて、今でも印象に残っています。

ノンテクニカルスキルは手っ取り早く身に着けることは難しいですが、身に着けられればどんな場面でも応用できる強力な武器となり得るでしょう。

テクニカルスキルももちろん重要ですが、それと同じくらいノンテクニカルスキルにも関心が集まってくれればいいなと思います。


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